【越境人材は、2度死ぬから、生きる!?】越境学習入門|石山恒貴,伊達洋駆

越境学習入門
  • イノベーションを生み出すことが命題のように語られる昨今、人の力をどうやって引き出せばいいでしょう。
  • 実は、越境がヒントかも。
  • なぜなら、越境人材は、2度にわたる盛大なる葛藤の中で、新しい風を組織に吹かせてくれます。
  • 本書は、越境学習という考え方で、組織間を行き来して学ぶ人材の真価を語ってくれます。
  • 本書を通して、組織に閉じない人材育成のあり方、目指し方を知ることができるでしょう。

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日本のビジネスマンに、今必要なのは!?冒険!?

越境学習とは、冒険だと言います。冒険とは、ストーリーです。まだ何も知らない主人公が、何らかのきっかけで、生まれ育った環境を一時的に離れ、仲間との出会い、そして、大きな困難に立ち向かい、それに打ち勝ち、帰還する。そういうストーリーです。

足りないイノベーションを求め、多くの企業で毎日のように会議が行われている。
たが、足りないのは、イノベーションではなく、”冒険”なのではないだろうか。

越境学習とは”冒険者”を育てる学習のメカニズムである

本書で取り上げる越境とは、「個人にとってのホーム・アウェイを行き来すること」と、幅広く定義します。もちろん、副業や複業、異業種勉強会なども該当しますが、もっと広い意味でのホームアンドアウェイという定義です。

ホームには、以心伝心でコミュニケーションできる仲間がいます。だからとても居心地がいい。でも、いつの日か、それだけのコミュニケーションでいいのか?という疑問を持ってしまうのが、人間というものです。そんなとき、一歩外へ踏み込めるか、あるいはそのまま、もやもやを抱えたまま組織の中で生きるのか、2つの人生があるようにも思えます。

外に一歩でも出ることは辛いものです。桃太郎だって、鬼ヶ島行きの船には乗るのを躊躇したでしょうし、ルーク・スカイウォーカーだって、思春期を過ごした星の居心地のよさも感じていたでしょう。でも、人は冒険に出なくてはならない時があるようにも思えます。

本書に一貫して流れるテーマとは!?

アウェイからホームへと「往還することで生まれる違和感、葛藤が、学習効果をもたらす」ということがわかっています。

本書における越境学習の定義

外部の過酷な環境における刺激を受けて、人は成長を遂げるといいます。3つのアウェイの刺激があります。

1)上限関係のなさ、2)異質性、3)抽象性です。

1)上下関係のなさ
アウェイの場には、直接の上司がいません。指示を出す人がいないからこそ、自分で考えて動かなければ、組織から排除されてしまいます。

2)異質性
いつものノリが使えません。なぜなら、外部の人間は、喋ることばが異なるからです。同じ言語のようでも、「共通言語」の強さは、ばかにできません。業界や組織が違えば、同じ言葉でも違った想起をもたらすのは当然です。よって会話がままならなくなるものです。

3)抽象性
アウェイでは、自分の立ち位置も、そして組織の状態も、曖昧なケースもあるでしょう。そうした中で、自分の役割を自ら見出し、曖昧な組織状態にまとまりをもたらすことが価値になります。

このように、アウェイという場は、刺激に満ち溢れているといえます。そして、この3つの特徴から、人は学ぶのです。

1)上下関係のなさから、主体性を、
2)異質性から、多様性な感性を
3)抽象性から、失敗を怖れない勇気を。

越境人材は、2度死ぬ!?

我々は、「越境中」に大きな葛藤と衝撃があることは想定していましたが、実は「越境後」の葛藤と衝撃のほうが大きい

越境学習者は二度死ぬ

上でみてきたように、アウェイの刺激の中で、ひたらすら葛藤し、一度死にます。そして、なんと組織に戻ってきてからも、もう一度死ぬというのです。死ぬというのは、たとえで、それまでの「ノリ」で生きてきた自分という人格が死ぬという比喩ととらえられます。

重なりすぎている会社の価値観と自己の価値観を引き剥がし、自身の価値観を言語化できるようになること(所属組織での組織社会化をアンラーニングすること)

越境前にマインドセットを整える段階

価値観は変わり続けるものです。何を大切にするか、を常に外部、そして内部に戻ってきたときの刺激を受けながら、自分を揺さぶる行為が、越境学習です。コミュニケーションの方法や、仕事に対する姿勢、あるいは、人生観・社会観さえ揺さぶられる体験があるでしょう。しかし、こうした多様な考えの中で、もがき苦しむからこそ、主体的に、自ら工夫をして、本質的な目的に向かって努力する、本来的な生き方というものが見つかるのでしょう。

ストーリーは、円環なのです。行って、還ってくる、「行ってきます」という日本語は、破壊と成長の兆しなのです。

本書の中では、ケーススタディや著者である石山恒貴さんと、伊達洋駆さんの研究成果に具体的に触れることができます。非常にエキサイティングな本です。ご一読をおすすめします!

アンラーニングについては、過去の投稿「【成長の秘策は「学びほぐし」!?】仕事のアンラーニング|松尾睦」もおすすめです!

まとめ

  • 日本のビジネスマンに、今必要なのは!?冒険!?――一歩外へ、出て、そして返ってくることにこそ、成長の機会があります。片道切符でOKですか?
  • 本書に一貫して流れるテーマとは!?――ホーム・アウェイを行き来して知る違和感と、葛藤から、成長がもたらされます。
  • 越境人材は、2度死ぬ!?――越境中と、自分の組織に円環してきたときの、2度、もがき苦しむからこそ、もたらされるものがあるのです。

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