【新時代の教育方針とは!?】新版 超ヒマ社会をつくる|中村伊知哉

新版 超ヒマ社会をつくる
  • AIの時代をどう見極めればいいでしょうか!?
  • 実は、超ヒマ社会が実現します。
  • なぜなら、汎用AIの登場により労働時間が10分の1にまで短縮可能だからです。
  • 本書は、慶應義塾大学大学院教授中村伊知哉さんが、超ヒマ社会における市場チャンスを語ります。
  • 本書を通じて、俯瞰した視点で、新時代の機会を見極められるでしょう。

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超ヒマ社会はこうして作られる!

技術は、指数関数的(コンバージェンス)に成長を遂げていきます。これは、一つの技術系が他の技術系の発展を相互的に促すことによって起きます。たとえば、空とぶタクシーは、動力分散型で垂直離着陸が可能な小型自動車が想定されていますが、これは次にあげるような技術の組み合わせです。高精度なマッピング技術、超高性能小型モーター技術、蓄電池技術、AIによる自動運転技術など・・。

新技術の中でもAIは、これからもずっと注目の的です。なぜなら、人類を労働から開放してくれる可能性を持っているからです。

汎用AIが登場すれば、人の仕事はかなり奪われる。駒澤大学・井上智洋准教授は、人間に残されるのはCクリエイティビティ(創造性)、Mマネジメント、HホスピタリティのCMHという「人間くさい仕事」だとする。それらの職種の現従業者数から推計して、汎用AIに登場により、人口の1割、1000万人しか働かない未来となると予言する。

2 超テック戦略 シェアエコが世界を救う

しかし、労働は、喜びでもあるため、1割の人だけが働いて、9割働かない世界が誕生するのではなく、1割の仕事を好きなようにそれぞれが分け合う時代になります。つまり、これまでの労働の1割程度で、これまでと同じ水準の生活が遅れるようになります。

シンギュラリティは人類史を前後期に分ける。それまでには間がある。土地が農業社会の原動力だった。天然資源が工業社会の原動力だった。それが「知識」に移行するのが情報社会だった。ところが第4次産業革命やSociety 5.0 の時代、その原動力が「データ」に移る。その資源の争奪戦となる。

2 超テック戦略 シェアエコが世界を救う

ヒマが生まれる社会において、どのようなチャンスが生まれるでしょうか?

テック&ポップに勝機を見出そう!

中村伊知哉さんは、AI時代における日本の生存戦略として「テック&ポップ」に勝機を見出します。日本のカルチャーの創造性を、テックでさらに相乗効果的に高めれば、世界で勝負できるといいます。背景には、ヒマが世界的に訪れる社会において、AIがマッチングをしてくれるので、コンテンツ消費の機運が高まることがあげられます。

しかし、そこには、問題があります。私たちの気持ちの面です。

日本の自己評価が低いことだ。他国が日本を評価してくれているのに比べ、日本のみが自国が創造的だと思っていない。「自らが創造的」と考えている比率もダントツの最下位。

3 超ポップ戦略 コロナが新しいエンタメを生んだ

日本のポップカルチャーには、次に上げるような特徴があり、これは世界でも極めて稀有なことです。

1.輸入――海外から輸入して独自の発展をみせる。
2.多様――コンテンツだけでなく、独自に発展を遂げた料理ジャンルなどもあります。
3.技術とデザインの融合――例えば、ニンテンドー社のゲーム機。
4.大人と子どもの未区分――例えば、大人がマンガを読み、子どもが本格的なゲームで遊ぶ等。
5.庶民文化――武家や貴族文化ではなく、庶民文化が礎になっている。
6.参加――例えば、日本人は世界でもっともブログを書いている等、ネットコミュニケーション力も高い。
7.自由――コンテンツに関して規範、規制がゆるい。

こんな特徴を客観視して、自信を持つことが大切だといいます。

21世紀の情報社会=創造力。その「持てる国」になるにはどうする。持つ「意思」と「教育」ではないか。AI時代が来る。超ヒマ社会が到来する。どうすれば若年層に「創造」の意思と可能性を持たせられるだろうか。

2 超テック戦略 シェアエコが世界を救う

「意思」を「教育」で育てるために!

問題は大学なのだ。グーグルはスタンフォードが生み、フェイスブックはハーバードが生んだ。日本もウォークマン、ファミコン、ポケモン、初音ミク、人類史に残るアウトプットを生んだけれど、大学が生んだものはない。

4 超ヒマつぶし戦略 みんなが自由になる場をつくる

大学で教鞭をとるとり、また、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科も設立した中村伊知哉さんは、大学教育で、若い力を伸ばすことが重要だとします。ITを活用しビジネスにイノベーションを起こすという志に特化した大学を立ち上げました。それが「iU情報経営イノベーション専門職大学」です。

世界で初めて大学名にイノベーションを入れた。でも長すぎるので、あくまで名前はiUです。

4 超ヒマつぶし戦略 みんなが自由になる場をつくる

私たちがこの国土で培ってきた文化をもう一度見つめて、テックを組み合わせて、超ヒマ社会で歓迎されるようなアウトプットを生み出していくことに勝機を見出しましょう。

過去の投稿「【パンだけでなく、バラのある生活?】暇と退屈の倫理学|國分功一郎」の、バラですね。カルチャーも。愉しむことが一番、大切なのではないかな?と私は、中村伊知哉さんの愉快な筆致の中で、感じました。創造は、楽しい!みんなで作ればなお楽しい!

まとめ

  • 超ヒマ社会はこうして作られる!――汎用AIによって、人のしなければならな労働は10分の1になります。
  • テック&ポップに勝機を見出そう!――日本のお家芸のポップカルチャーを盛り上げていきましょう。
  • 「意思」を「教育」で育てるために!――変革を前向きに構想していける若い力が、必要です。

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