- リーダーシップって、生まれつきの才能だと思っていませんか?
- 実は、真のリーダーシップは特別な才能ではなく、誰でも身につけられる「技術」なんです。
- なぜなら、現代の組織で求められるのは、上下関係に基づく指示・命令型のマネジメントではなく、フラットな関係性の中でメンバーの自主性を引き出す協働型のリーダーシップだからです。
- 本書は、日本IBMで多様な組織運営を経験してきた河野英太郎さんが、「99%の人がしていない1%のコツ」として、現実的で実践可能なリーダーシップの技術を図解でわかりやすく解説した一冊です。
- 本書を通じて、「えこひいき」の透明化から始まる建設的な組織運営、指示ではなく依頼による水平的なコミュニケーション、そしてビジョン共有による主体性の引き出し方まで、現代組織に必要なリーダーシップの本質を学ぶことができるでしょう。
河野英太郎さんは、1973年岐阜県生まれ、日本アイ・ビー・エム株式会社ソーシャル事業部で活動されているビジネスリーダーです。東京大学文学部を卒業され、同大学水泳部では主将も務められました。その後、グロービス経営大学院でMBAを取得し、大手広告会社や外資系コンサルティングファームでの経験を積まれています。
2002年以降は日本アイ・ビー・エムで、コンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門リーダー、サービス営業など多岐にわたる部門を歴任されました。
現在はコグニティブ技術を活用した人材系ソリューションKenexa(ケネクサ)の日本展開を担当されています。
河野さんの豊富なキャリアの中で培われた「リーダーシップの現実」に対する深い洞察が、この書籍の根底にあります。大学時代の主将経験から企業での様々なマネジメント経験まで、多様な組織での実体験を通じて見えてきた「99%の人がしていない1%のコツ」を、誰もが実践できる形で体系化されています。
著書には『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(以上ディスカヴァー)があり、監修書に『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(翔泳社)があります。
リーダーシップは「才能」ではなく「現実対応力」である
リーダーシップって、生まれつきの才能だと思っていませんか?
私もそう思っていた時期がありました。でも河野さんの書籍を読んで、その考えが根本的に間違っていたことに気づいたんです。
「リーダーとはあくまでチームで仕事をするときの『役割』であって、特別偉いわけでも、価値が高いわけでもないのです。」
この一文を読んだとき、肩の荷がスッと降りた感覚がありました。
リーダーシップって、役職や地位の話ではなく、チームの中での機能なんですね。
河野さんが強調するのは、リーダーシップの本質は「現実対応力」だということです。理想論ではなく、目の前にある状況にどう対処するか。そのための具体的な技術やコツが存在するということなんです。
例えば、チームメンバーとのコミュニケーションひとつとっても、
「ここでのコミュニケーションは『指示・命令』ではなく、『調整・依頼』にもとづくものであるべきです。」
という明確な指針があります。
これって、単なる言葉遣いの問題ではないんです。
相手を対等なパートナーとして扱うか、それとも上下関係に基づいた部下として扱うかという、根本的な姿勢の違いなんです。
私自身、これまで「リーダーらしく振る舞わなければ」と思って、つい指示的になってしまうことがありました。でも実際は、メンバーの自主性を引き出す方がはるかに効果的だったんです。
河野さんが提唱する「1%の違い」って、こういう小さな意識の転換から始まるんだと思います。
あ、ちなみに1日1%の違いを365日続けていくと、実は38倍にもなるんですね。複利の魅力です。
特別な才能は必要ない。でも、現実と向き合って、具体的な行動を変えていく勇気は必要なんです。
えこひいきの透明化〜できる人への集中を成長機会に変える
「えこひいき」って、組織運営では避けるべきことだと思われがちですよね。
でも河野さんの視点は違うんです。
「『できる人に仕事は集中するもの』と考え、適度なく依頼する」
これを読んだとき、「ああ、これが現実なんだ」と腑に落ちました。どんな組織でも、結果的に仕事ができる人のところに業務が集まってしまう。それを無理に「公平」にしようとすると、かえって非効率になってしまうんです。
でも重要なのは、その次なんです。
河野さんはこう続けています。
「昇格、昇進など対応の処遇をし、新たなレベルで仕事をする機会を提供する」
つまり、できる人に仕事が集中するのは仕方ない。
でもそれをきちんと評価し、さらなる成長機会を提供する。
そして同時に、他のメンバーにもそのレベルに到達するためのサポートをしていく。
これって、従来の「公平性」を超えた、より建設的なアプローチだと思うんです。
実際の職場で考えてみてください。
人事評価って、結局のところ「好き嫌い」を客観的に説明するためのシステムだったりしませんか?河野さんのアプローチは、その現実を認めた上で、それをチーム全体の成長につなげる方法を示しているんです。
「本人の意思を無視して『業務命令だ』と言ってチームメンバーになることを強要してはいけません。」
ここが重要なポイントです。仕事の集中は起きるけれど、それを押し付けるのではなく、本人の意思を尊重しながら進めていく。そうすることで、「えこひいき」が「成長機会の提供」に変わるんです。
私は以前、この違いがわからずに、できる人に仕事を押し付けてしまったことがあります。結果的に、その人は疲弊し、チーム全体の雰囲気も悪くなりました。でも今思えば、その人の意思を確認し、適切なサポートを提供していれば、全く違う結果になっていたはずです。
フラットな関係性の中でビジョンを共有する技術
現代のリーダーシップで最も重要なのは、上下関係ではなく水平関係を築くことだと思います。河野さんの書籍を読んで、そのことがより明確になりました。
「『自分がトップ』のチームにしない」
この一文が、すべてを物語っています。従来のヒエラルキー型のリーダーシップから、協働型のリーダーシップへの転換です。
でも、フラットな関係を築くって、具体的にはどうすればいいんでしょうか?河野さんは実践的なヒントを提供してくれています。
「ここで『指示』ではなく『依頼』というのには理由があります。」
言葉遣いひとつでも、関係性は大きく変わります。「これをやってください」と「これをお願いできますか?」では、受け取る側の気持ちが全然違いますよね。
さらに重要なのが、ビジョンの共有方法です。
「ビジョンを添える」 「同じ仕事であっても、その先に見えているものが違えば、まったく違うものになることのたとえです。」
これって、単に目標を伝えるだけではダメだということなんです。なぜその仕事が必要なのか、それがどんな価値を生み出すのか、そのビジョンを共有することで、メンバーの主体性が生まれるんです。
私自身の体験でも、上司から「なぜこの仕事が必要なのか」を丁寧に説明してもらったときは、やる気が全然違いました。単純な作業でも、その背景にあるビジョンが見えると、自分なりの工夫やアイデアが湧いてくるんです。
河野さんが提案するリーダーシップは、サーバントリーダーシップとも似ているけれど、より「対等性」に重点を置いている印象があります。メンバーを支える存在であると同時に、一緒にビジョンに向かって進むパートナーでもある。そんな関係性なんです。
「著作の上げ下ろしまで口出ししない」
これも面白い指摘です。細かいことまで管理しようとせず、メンバーの自主性を信頼する。
その信頼関係の中で、本当の意味でのチームワークが生まれるんだと思います。
河野さんの『図解 99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』を読んで、リーダーシップに対する見方が大きく変わりました。
才能ではなく技術。
↓
指示ではなく依頼。
公平性ではなく現実的な成長機会の提供。
そして何より、上下関係ではなく水平関係での協働。
これらの「1%の違い」が、組織に大きな変化をもたらすんです。
特別な人だけがリーダーになるのではなく、誰でも実践できるコツがある。
そのことがわかったのは、私にとって大きな収穫でした。
現代の組織運営において、この書籍が提案するフラットなリーダーシップは、これからますます重要になっていくと思います。ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。
リーダーシップについては、こちらの1冊「【リーダーとは、役職ではなく、役割!?】リーダーシップ・シフト|堀尾志保,中原淳」もぜひご覧ください。本書と合わせて、読んでいただくと、さらにリーダーとはなにか、解像度を上げていくことができるでしょう。

まとめ
- リーダーシップは「才能」ではなく「現実対応力」である――根本的な姿勢の違いを意識してみることから、リーダーシップは始まります。
- えこひいきの透明化〜できる人への集中を成長機会に変える――「えこひいき」が「成長機会の提供」に変え、全体が向上していくきっかけとヒントを提供することが組織マネジメントの真実です。
- フラットな関係性の中でビジョンを共有する技術――才能ではなく技術、指示ではなく依頼、公平性ではなく現実的な成長機会の提供、そして何より、上下関係ではなく水平関係での協働を意識することが、リーダーの実践にとって欠かせない視点になります。
