- どうしたら限られた時間をさらによりよく使っていくことができるでしょうか。
- 実は、1つの事柄に徹底集中することが重要です。
- なぜなら、人はそもそも1つのことにしか集中することができないからです。
- 本書は、一点集中をキーに時間をよりよく使っていくことを説く1冊です。
- 本書を通じて、貴重な時間資源をどのように活用していくのかヒントを得ます。
一点集中こそがすべての近道!?
著者のデボラ・ザック(Devora Zack)氏は、アメリカにおけるマネジメント・スキルとネットワーキングの指導において、長年第一線で活躍してきた専門家です。
コーネル大学ジョンソンスクール(経営大学院)では15年以上にわたり教壇に立ち、アメリカ教育省やメンサ、スミソニアン協会、ロンドン・ビジネススクール、デロイトなど、100を超える団体・企業への指導実績をもつ実務家でもあります。現在はオンリー・コネクト・コンサルティング社のCEOとして活動しています。
著書に『自分のタイプを理解すればマネジメントは成功する』(SBクリエイティブ)、『人脈作りが嫌いな人のための人脈術』(未邦訳)などがあり、本書『一点集中術』は18言語に翻訳される世界的ベストセラーとして高く評価されています。
翻訳を手がけたのは、栗木さつき氏。慶應義塾大学経済学部を卒業し、ノンフィクションを中心に幅広く翻訳を手がけています。訳書に『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』『WHYから始めよ!』『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる』など、ベストセラーも多数。翻訳家として、読者に思考の深まりを促す確かな手腕を発揮しています。
「あれもこれもやる」には、実は“一点集中”が近道だった!?
私たちは、日々の仕事や暮らしの中で、「もっと効率よく多くのことをこなしたい」と願います。
そしてその欲望が、スマートフォンの同時使用、SNSチェック、会議中のメッセージ返信といった“ながら作業”を生み出しています。
けれども本書は、そうした「同時並行=効率的」という常識に真正面から異議を唱えます。
「一点集中」すると、より多くのことをこなせるようになる
この一文に象徴されるように、「一点集中」とはむしろ“もっと多くをこなす”ための戦略であるというのが著者の主張です。
一度にたくさんのことをやっているようで、実はどれも中途半端。
それよりも、ひとつのことに完全に没頭する時間こそが、創造性を高め、次の行動への回復力すら生むというのです。
「一点集中術」は、現代を生き抜くための必需品
「集中」は“贅沢”ではない。“回復”と“創造”の鍵である
「1つの作業に集中するのは、贅沢ではない。むしろ必需品だ」
これは、現代のビジネスパーソンにとって深い示唆を含むメッセージです。
本書では、シングルタスクによって得られるメリットとして、
- 睡眠の質の向上
- リフレッシュ時間の確保
- 生産性の持続的上昇
といった効果をあげています。
つまり、集中するとは「がんばること」ではなく、「自分を整えること」なのです。
一度に1つのことだけに集中すれば、もっと成果をあげられるようになる
この視点の転換こそが、現代人にとって必要な“知的余白”への入り口なのかもしれません。
ハーバード大学の研究によると、
「あたふたとせわしなく働いている社員たちは、1日に500回も注意を向けるタスクを変える」
という驚くべき事実が明かされています。
そして、もっとも生産性が高い社員たちは、タスクの切り替えが“圧倒的に少ない”のだといいます。
「もっともタスクを変えない人が、もっとも能率が高い」
つまり、忙しさの正体とは、実は「切り替え疲れ」による注意力の分散であり、
それは自分の集中力を目減りさせていく“目に見えない出費”なのです。
だからこそ、
「一点集中することが、自分を守り、生産性を守る行為になる」
という本書のメッセージは、単なる時間術を超えた、深い自己マネジメント論として受け取るべきなのかもしれません。
いま・ここを大切にするべき!?
マルチタスクは、幻想だった──
この言葉に、耳が痛くなる人もいるかもしれません。
でも、それは私たちが怠けているからではなく、脳の構造そのものが一点集中にしか適していないからなのです。
「マルチタスクなどというものは、そもそも存在しない」
この厳しい言葉は、しかし優しさでもあります。
「頑張って同時にやろうとしなくていい。ひとつのことに集中していい」
そう言われている気がしませんか?
膨大な情報の誘惑、無意識のスイッチ、切り替え疲れ。
私たちは、毎日無数の選択にさらされています。だからこそ、自覚的に選び取る「集中」の姿勢が求められているのです。
一点集中とは、結果を出すための技術であると同時に、
自分自身の精神を守り、意味ある時間を創るための態度でもあります。
「いま・ここ」にいる力。
それが、現代を生きる私たちにとって、最も価値あるスキルなのかもしれません。
自分の「集中環境」は、自分で設計できる
スマートフォン、SNS、メッセージ通知、ニュースアラート…。
私たちは日々、想像以上に多くの“外部刺激”にさらされています。
外部からの刺激に身をまかせてしまうほうがラクに決まっている
たしかに、気がつけば、手がスマホに伸びている──そんな経験は誰しもあるでしょう。
ですが、本書はこう問いかけます。
自分のデバイスをコントロールする以前に、あなたは自分の意志をコントロールしなければならない
つまり、集中できるかどうかは「環境のせい」ではなく、「環境との関わり方」の問題なのです。
そしてその関わり方を選び取るためには、自分自身がどこまでの範囲を“コントロール可能な領域”として捉えているかが鍵になります。
多すぎる要求は、脳を萎縮させる!?
ギリシアの哲人エピクテトスが語ったように、
「自分でコントロールできることに意識を集中せよ」という態度は、現代にもそのまま通用します。
けれども、現代においてコントロールすべき対象は、もはや内面だけではありません。
通知の設定、アプリの配置、作業時間帯の区切り方、デバイスとの距離──
これらもすべて、「集中を設計するための環境構築」だと言えます。
エピクテトスについては、こちらの1冊「【真の生き方とは?】2000年前からローマの哲人は知っていた 自由を手に入れる方法|エピクテトス」もご覧ください。

私たちは、無意識のうちに「多すぎる要求」にさらされると、脳が萎縮し、創造力も直感も鈍ってしまうという研究結果もあります。
脳を疲弊させる生活は、思考と感情をかき乱す
だからこそ、ただ「がんばって集中する」のではなく、集中しやすい状態をつくること。
それが、真に実践可能な「一点集中」の技術なのです。
この本が私たちに問いかけるのは、
「自分はいま、本当は何をすべきなのか?」というシンプルで深い問いです。
自分にとっていちばん大切なものは何かをよく考え、決定しよう
忙しさに流される毎日では、どうしても“楽な選択”をしてしまいがちです。
ですが、「一点集中術」が導くのは、自分にとっての“本当の優先順位”と丁寧に向き合う姿勢です。
いちばんラクな道を選ぶのではなく、大切なものを尊重する道を選ぼう
集中するとは、自分の人生の主導権を握り直すこと。
それは、自由の回復であり、誠実な生き方の選択です。
そして、その先にあるのが「フロー」と呼ばれる没入の感覚。
科学者たちの説明によれば、人は何かに専心しているときのほうが充足感を覚える
つまり、「一点集中」は、単なる仕事術ではなく、
満たされた人生を生きるための技術でもあるのです。
外部に引きずられるのではなく、自分の内側から湧き上がる意志で選び、
自らの“集中”を設計すること。
それは、現代を生きるすべての人にとっての「静かな反逆」なのかもしれません。
まとめ
- 一点集中こそがすべての近道!?――多くのことをこなそうとして、同時並行をしてはいけません。大切なのは一点集中が大切なのです。
- いま・ここを大切にするべき!?――1つのことをフォーカスすると結果的に充実した時間を過ごすことに繋がっていきます。
- 多すぎる要求は、脳を萎縮させる!?――自分のパフォーマンスを見つめることが大切です。
