- 自分だけの「人生のルール」を持っていますか?成功している人とそうでない人の違いは、実はこの見えないルールにあるのかもしれません。
- 実は、 多くの人が他人や社会から与えられた基準で生きています。昇進、年収、ブランド品、SNSのいいね数。これらの基準で自分を測ることが当たり前だと思い込んでいるんです。
- なぜなら、 私たちは幼い頃から「みんなと同じように」「世間の常識に従って」生きることを教えられてきたからです。でも、その基準が本当に自分の幸せにつながるかどうかは、案外自ら見つけていくものですね。
- 本書は、 そんな「他人軸」から「自分軸」への転換を促す一冊です。リチャード・テンプラーが長年の観察から見つけた、シンプルだけれど効果的な人生のルールが詰まっています。
- 本書を通じて、 自分だけの基準を持つこと、人生の適切なスピードに乗ること、そして変えられることに集中することの大切さを学ぶことができます。最終的には、外部に求めるのではなく、自らの内側に幸せを見出す方法が身につくでしょう。
リチャード・テンプラーは、イギリス生まれの自己啓発作家です。企業コンサルタントとして数十年にわたり様々な組織で働く中で、成功する人と そうでない人の違いを観察し続けてきました。彼が気づいたのは、優秀な人ほど「見えないルール」を持っているということでした。
そのルールは決して複雑なものではありません。むしろ、とてもシンプルで実践的なものばかりです。テンプラーは、そうした「人生を豊かにする知恵」を体系化し、誰もが実践できる形で世に送り出しました。
『できる人の人生のルール』は、彼の代表作の一つです。
単なる成功本ではなく、どのように生きれば充実した人生を送れるのかという根本的な問いに答えようとした一冊です。テンプラーの温かくも現実的な視点が、読者の心に深く響く理由がここにあります。
自らの基準を持つということ
私たちは案外、自分の基準を持っていないものです。気づかないうちに、世の中から与えられた価値観で生きている。それが当たり前だと思い込んでいる。
「幸せで成功している人は、自分があるルールを守っていることに気づいていない。彼らは、生まれながらの『人生のルール』の実践者なのだ」
テンプラーのこの指摘は、まさに核心を突いています。成功している人は、無意識のうちに自分なりの基準を持っている。一方で、多くの人は他人や社会が決めた基準で自分を測ろうとしてしまうんです。
でも、考えてみてください。あなたが本当に大切だと思うことは何でしょうか。お金でしょうか、地位でしょうか、それとも家族との時間でしょうか。
答えは人それぞれ違うはずです。にもかかわらず、なぜ私たちは同じような基準で競争しようとするのでしょうか。
他人の基準から自分軸へ
世間が用意した基準で生きることの最大の問題は、それが自分に合っているとは限らないということです。むしろ、合わないことの方が多い。なぜなら、その基準はあなたのために作られたものではないからです。
「基準こそ、あれば、道に迷っても正しい場所に帰ってこられる。自分が進歩しているかどうかも判断することができる」
この「基準」こそが、人生における羅針盤なんです。でも、その羅針盤が他人のものだったらどうでしょうか。目指す方角が違えば、どんなに頑張って歩いても、自分が本当に行きたい場所にはたどり着けません。
私がこの本を読んで特に印象的だったのは、テンプラーが「今より成長できる選択をする」という基準を提示していることです。これはとてもシンプルですが、同時に革命的でもあります。
なぜなら、この基準に従えば、失敗も成功も、すべてが学びの機会になるからです。昇進できなかった時、「自分はダメだ」と落ち込むのではなく、「この経験から何を学べるだろうか」と考えることができる。恋人にフラれた時も、「なぜうまくいかなかったのか」を冷静に分析し、次に活かすことができる。
「人生で『本当に大切なこと』と『どうでもいいこと』を見極めて、大切なことに集中して取り組むこと」
この選択の技術こそ、自分軸を持つということの実践的な側面です。
世の中には本当にたくさんのことがありますが、そのすべてに等しく力を注ぐ必要はありません。いえ、むしろ注いではいけない。
大切なことを見極める力、それが自分だけの基準を持つということなんです。
人生の適切なスピードに乗る
テンプラーが提示するもう一つの重要な概念が、「人生のスピード感」です。これは本当にユニークな視点だと思います。
「年を取ると、むしろ時間の流れはさらに速くなる。私はときどき、これは離陸、つまりあの世に向かうためのスピードなのではないかと思うことがある。しかし、実りの大きい人生を送るなら、このスピードに乗るしかないのだろうか」
この表現、最初は少し戸惑うかもしれません。でも、よく考えてみると深い洞察があります。時間の流れに抗うのではなく、その流れと協調して生きるという発想です。
これは実は、2000年以上前にストア派の哲学者たちが教えていたことと通じるものがあります。エピクテトスは「自分でコントロールできることと、できないことを区別せよ」と説きました。時間の流れは、明らかに私たちがコントロールできないものです。
であれば、その流れに逆らって疲弊するのではなく、流れを活用して前に進む方が賢明です。川の流れに逆らって泳ぐのは疲れるけれど、流れを利用すれば楽に速く進めるのと同じです。
「あてもなくさまようのではなく、目標を決め、そこに向かって努力する」
ここでテンプラーが言っているのは、ただ流されるのではなく、意図を持って流れを活用するということです。毎日を漫然と過ごすのではなく、明確な方向性を持って進む。
そして、その実践として「毎日、少しだけ勇気のいることをする」ことを勧めています。これは本当に素晴らしいアドバイスです。
大きな変化を一度に求めるのではなく、小さな勇気を積み重ねていく。この継続的な成長こそが、適切なスピードということなんです。
マルクス・アウレリウスも『自省録』の中で、「今この瞬間に集中し、理性的に行動せよ」と書いています。
過去の後悔や未来の不安にとらわれるのではなく、今できることに集中する。これこそが、時間の流れと協調する生き方です。
変えられることに集中する
そして、この「適切なスピード」で生きるために最も重要なのが、「自分が変えられることに集中する」という選択です。
「自分がしていることの中で、本当に大切なものは何か考えてみよう。そして、もっと大切なことに集中してみよう」
この問いかけは、実は私たちの注意とエネルギーの使い方を根本的に変える力があります。多くの人は、変えられないことに悩み、イライラし、エネルギーを消耗しています。
上司の性格、経済の動向、他人の評価、過去の失敗。これらはすべて、私たちがコントロールできないものです。でも、私たちはしばしば、こうしたことに心を奪われてしまいます。
一方で、私たちが確実にコントロールできるものもあります。自分の考え方、行動、学習する内容、付き合う人、時間の使い方。こうしたことに集中すれば、確実に人生は変わります。
「理解できないことを受け入れる」
テンプラーのこの言葉も印象的です。世の中には、どうしても理解できないこと、納得できないことがあります。それを無理に理解しようとするのではなく、「そういうものだ」として受け入れる。
これは諦めとは違います。
むしろ、理解できないことに時間とエネルギーを費やすのをやめて、自分が変えられることに注力するための智恵です。
「休憩空間を広げると、自分自身を好きになる効果がある。未知のものに挑戦することで、自信を深めることができるからだ」
この「休憩空間を広げる」という表現も興味深いものです。私たちは往々にして、忙しさの中に自分を見失ってしまいます。でも、意図的に余白を作り、新しいことに挑戦する時間を確保する。これが自信につながり、さらに成長を促進するという好循環を生み出します。
幸せを自らの中に積極的に見出す
そして、これらすべての実践の結果として得られるのが、「幸せは自分の中から生まれる」という実感です。
「幸せは自分の中から生まれる」
テンプラーのこの結論は、決して精神論ではありません。自分の基準を持ち、適切なスピードで生き、変えられることに集中してきた結果として、自然に湧き上がってくる感覚なんです。
外部の状況が理想的でなくても、自分の内側に基準があれば、そこに平安を見出すことができます。他人の評価に左右されることなく、自分が成長しているかどうかで充実感を測ることができます。
「つい出来事に感謝する」
この「つい」という表現が絶妙です。意識的に感謝しようと努力するのではなく、自然と感謝の気持ちが湧いてくる状態。これこそが、内側から生まれる幸せの証拠です。
雨が降らない世界では、雨の日の特別な美しさを味わうことはできません。困難がない人生では、それを乗り越えた時の成長の実感を得ることはできません。すべてが順調な関係では、相手への深い愛情を確認する機会もないでしょう。
つまり、人生のあらゆる出来事が、私たちの成長と幸せに寄与しているということです。この視点を持てれば、どんな状況でも学びと感謝を見つけることができます。
人生にはコントロールできないことがたくさんあります。でも、それらの出来事をどう解釈し、どう活用するかは、完全に私たち次第です。この選択の自由こそが、内側から生まれる幸せの源泉なんです。
テンプラーの「人生のルール」は、決して複雑なものではありません。
むしろ、とてもシンプルです。
自分の基準を持つこと、適切なスピードで生きること、変えられることに集中すること。
そして、その結果として得られる内なる幸せを大切にすること。
これらの実践を通じて、私たちは外部の状況に振り回されることなく、安定した充実感を得ることができるようになります。それこそが、真に「できる人」の生き方なのかもしれません。
引き続き次回の投稿でも、こちらの今回の1冊を取り上げさせていただきましょう。子どもとの接し方に関するレビューを進めてみたいと思います。
自らルールを持って、生活をゼロベースで立ち上げていくこともとても重要なことです。こちらの1冊「時間とお金の調和を!?『生活をデザインする。:自分の人生を生きるための実践的方法』なにおれ」もぜひご覧ください。

まとめ
- 自らの基準を持つということ――過去の後悔や未来の不安にとらわれるのではなく、今できることに集中してみましょう。
- 変えられることに集中する――自分が変えられることに注力するための智恵を持ちましょう。
- 幸せを自らの中に積極的に見出す――自分の基準を持つこと、適切なスピードで生きること、変えられることに集中すること、それを大切にしながら、内なる幸せを見出しましょう。
