思考は他者とともに育てるものである!?『壁打ちは最強の思考術である』伊藤羊一

壁打ちは最強の思考術である
  • どうしたら、自らの思考を深めていくことができるでしょうか!?
  • 実は、「壁打ち」が最強かもしれません。
  • なぜなら、思考とは他者とともに磨き上げられるものだからです。
  • 本書は、「壁打ち」という方法論に関する1冊です。
  • 本書を通じて、そもそも思考とはなにか?について改めて検討し、今後の活動を創り続けていくヒントを得ます。
伊藤羊一
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モヤモヤの言語化からはじめよう!?

伊藤羊一(いとう・よういち)さんは、「壁打ち」の達人であり、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部長、Musashino Valley代表、Voicyパーソナリティとして、多方面で活躍しています。

アントレプレナーシップを抱き、世界をより良くするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリストです。2021年には武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を開設し、学部長に就任。2023年6月にはスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープンさせ、「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援しています。

また、ウェイウェイ代表として次世代リーダー開発を行い、代表作『1分で話せ』は67万部を超えるベストセラーとなりました。

ホワイトカラーの生産性を高める源泉は、突き詰めれば「思考」にあります。
著者もこう述べています。

行動の前にあるもの、それはズバリ、「思考」です。それもスッキリと整った思考があることで、行動が重層されていくのだと思います。

思考が整っていれば、次の行動に迷いがなくなります。しかし、この「思考の整理」は、ひとりで机に向かっているだけではなかなか進みません。なぜなら、頭の中にある“モヤモヤ”は、そのままでは形を持たず、曖昧なまま漂い続けるからです。

そこで著者が提案するのが、「材料は頭の中にあるモヤモヤだけでOK」というスタンス。まずは、このモヤモヤを口に出してみることが出発点になります。

この過程のファーストステップになるのが、モヤモヤをとにかく言葉にしてみること。曖昧なままでも口から外に出して、誰かに話してみる。

つまり、黙っていても思考やアイデアは深まりません。大切なのは、未完成のままでも外に出し、他者に聞いてもらうこと。そのやり取りの中で、形が生まれ、さらに磨かれていく──これこそが「壁打ち」の価値です。

話すことは、頭の中の「構造化されていない情報」を、少しずつ形にしていくプロセスです。
だから、話すことを恐れなくていい。うまく言えなくたっていいし、途中で詰まってもかまいません。否定されることを怖がる必要もありません。

むしろ、「うまく言えないこと」や「詰まること」自体が、新たな気づきのきっかけになります。そうした瞬間こそが、あなたの思考が進化している証です。

壁打ちは、その“未完成のままの思考”を外に出し、相手の反応を受けて育てていくための場。

話すという行為そのものが、思考を深めるための最高の練習台になるのです。

会議と雑談と1on1のすべてを兼ね備えたコミュニケーション術

著者は、壁打ちを「会議」と「雑談」と「1on1」のすべてを兼ね備えた、実践的なコミュニケーション術として評価しています。
では、その違いはどこにあるのか──鍵になるのは「問いかけ」です。

雑談やブレストは、テーマに沿って自由に意見やアイデアを交換する場です。参加者は対等で、共通のイシューに向かって発想を出し合います。イシューが主役であり、進行はその場の流れに委ねられます。

一方で壁打ちは、最初のサーブを打ち込む人が主役です。自分の中にあるモヤモヤや問いを投げかけ、それに対する相手の返しを受けて、さらに打ち返していく。

そのやり取りを通じて、目的(WHY)や定義(WHAT)、方法(HOW)が徐々に明確になっていきます。つまり、問いかけが壁打ちの起点であり、そこから展開されるやり取りが、思考を深めてくれるのです。

著者が「壁打ちは自分起点の思考術」と呼ぶのは、まさにこの点にあります。誰かから与えられた議題ではなく、自分の内側から生まれた問いやアイデアをベースに動き出す。

そのプロセスの中で、思考が構造化され、行動のための具体的なネクストアクションが見えてくるのです。

こうして見ると、壁打ちは単なる意見交換や雑談ではありません。それは「問いかけ」を中心に据え、自らの思考を外に開きながら、相手とのやり取りで磨き上げていく、極めて能動的なコミュニケーションの場なのです。

壁打ちはメリットを相互にもたらす!?

そもそも、話し言葉には特別な力があります。
書き言葉は、相手に届ける前に推敲でき、後から修正もできる「やり直し」のきく世界です。いったん書いてから「やっぱりこう表現しよう」と整えることも容易です。

一方で、話し言葉は一度口から出た瞬間に消えてしまい、元には戻れません。著者はこう表現しています。

話し言葉は一度口から出たら消せない、つまり不可逆なんです。この不可逆性によって、「瞬間のホンモノ」がジュッと出てくる。

この「瞬間のホンモノ」こそが、壁打ちの醍醐味です。準備された言葉ではなく、その時、その場でしか生まれない素の言葉。そこには、飾られた文章以上の生々しさや本質が宿ります。

さらに、話し言葉は相手の反応と混ざり合いながら変化していきます。相手が驚いた表情を見せれば、さらに説明を加えたくなる。うなずきを受ければ、もっと踏み込んで話したくなる。その双方向の即興性が、書き言葉にはない速度と深さで思考を進化させてくれるのです。

壁打ちは、この即興性と不可逆性を味方につける場。安全に整えられた言葉ではたどり着けない、自分の本音や未発見のアイデアに出会える瞬間が、そこにはあるのです。

壁打ちは、打ち返される側だけでなく、実は打つ側にとっても大きなメリットがあります。
それは、相手から圧倒的な「生の情報」を得られることです。自分とは立場も視点も異なる相手が、今何を考え、何にモヤモヤしているのか──そうしたやり取りを通して、文字では表しきれない空気感や感情の機微まで感じ取ることができます。

私自身も中小企業診断士として経営支援の現場に立つと、言葉以上に経営者の表情や声のトーン、沈黙の間から多くの情報を受け取ります。まさに、フェイス・トゥ・フェイスのリアルなコミュニケーションの中でしか得られない宝物のような情報です。

著者は、壁打ちの相手として「聞き上手」を推奨しています。相手の話を全身で受け止め、評価や否定をせずに耳を傾ける。

そうすることで、話し手が安心してモヤモヤを外に出しやすくなり、やり取りの質もぐっと深まります。

さらに、壁打ちがユニークなのは、互いに「余白」を持ち寄りながら進められる点です。すべてを完成させて持ち込む必要はありません。

むしろ、「ここについてはノーアイデア」と余白をオープンにしておくことで、後から新しい発想や選択肢が生まれるチャンスが広がります。

著者もこう述べています。

「壁打ちなので」がいい意味で言い訳になることがあります。

この「言い訳」が、安心して未完成のままの思考を外に出せる土台になります。そうして生まれた余白は、単なる未来予測ではなく、「これからどう動くか」を前向きに描くフィードフォワードの感覚とも重なります。

過去の反省だけでなく、これからの一歩を一緒に形づくる。その共同作業が、壁打ちの最大の魅力の一つと言えるでしょう。

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OPENになろう!?

壁打ちが成り立つための土台は、互いがオープンであることです。
著者はこう述べています。

オープンであるとは「完璧である」という意味ではありません。むしろ、「悩んでいる」「迷っている」「うまくいかないかも」といった等身大の姿を隠さずに見せられることが、周囲の人に安心感を与えます。

つまり、弱さや迷いを見せることは、相手を巻き込みやすくする力でもあります。壁打ちは、決して一方的に意見を浴びせる場ではありません。お互いが未完成のままの考えや感情を持ち寄り、「どうすればいいだろう?」と共に考える場です。

特に、相手の話を聞く側になるとき、自分がまずオープンであることが重要です。安心して思考を外に出せる空気をつくれば、相手はより本音に近い言葉を出しやすくなります。そしてその本音こそが、壁打ちを通じて新しい発想や行動につながる源泉になるのです。

互いがオープンである──それは単なる心構えではなく、壁打ちを戦略的に成功させる条件でもあります。

壁打ちをすることは、仲間になることです。

同じ物事を同じ方向から見て、互いに自分ごととして受け止めながら、前に進む力を共有する。人は一人では生きられません。だからこそ、チームをつくり、その中で触発し合いながら生きていく。その媒介としての壁打ちは、大きな価値を持っています。

著者はこう語ります。

誰かに「ちょっと壁になってもらえる?」──そういう風景が、あちこちに生まれていくこと。それが、僕がこの本で描きたかった世界です。

壁打ちは特別な人だけの技ではなく、日常の中で誰もが使える「思考の共創の場」です。問いかけ、迷い、また問いかけながら進む。その営みの中で、私たちは少しずつ構造化された思考を育み、同時に他者との信頼を積み重ねていきます。

そして何より、壁打ちは孤独な思考を解きほぐし、仲間とともに未来を形づくるための手段です。

問いを持ち寄り、余白を残し、互いに打ち返し合う──その過程こそが、私たちが前に進み続けるための力になるのです。

伊藤羊一さんのご著書、こちら「【フラットでないと生き残れない!?】「僕たちのチーム」のつくりかた メンバーの強みを活かしきるリーダーシップ|伊藤羊一」も大変おすすめです!ぜひお手にとってみてください。

まとめ

  • モヤモヤの言語化からはじめよう!?――思考は言葉にすることから、初めて磨かれていくものです。
  • 壁打ちはメリットを相互にもたらす!?――とんでもない情報量の中で、互いの思考や感性が磨かれる時間になります。
  • OPENになろう!?――互いにOPENになって、打ち明けられること、雑談できることが、未来を共に切り開いていく力になります。
伊藤羊一
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