【「波」をヒントに!?】ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代|ダニエル・ピンク,大前研一

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
  • どうしたら、新しい時代を作る人材を目指すことができるでしょうか!?
  • 実は、大切なのは、これまでの社会を疑うマインドセットと行動力です。
  • なぜなら、これからの時代は全時代のルールが適用されず、それを作る人が活躍するためです。
  • 本書は、ダニエル・ピンクさんによる新時代の指南書です。
  • 本書を通じて、自らの生き方について再検討する視点を得られます。

ハイ・コンセプトとはつまり!?

前回の投稿「【これからの生き方とは!?】ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代|ダニエル・ピンク,大前研一」に続き、今回もダニエル・ピンクさん著(大前研一さん訳)の本書『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』を取り上げて、レビューさせていただきたいと思います。前回は、「ハイ・コンセプト」という生き方が求められる社会背景と、具体的な生き方のベクトルについて見てきました。

今回は、さらに一歩踏み込んで、どのようなスキル、能力をもった人材が歓迎されうるのかについて、考えていきたいと思います。

これまでの時代のルールを疑いながら、新しいルールを作っていく発想が求められます。そのうえで、AIとの協働作業をいかに成り立たせるか、同じ志をもった人とのチーミングをいかに達成するかを検討するべきです。

ハイ・コンセプトとは、そういうマインドセットを持ちながら、左脳だけではなく、右脳も。理論だけではなく、直感も。データだけではなく、フィジカルも。個別バラバラにする分析だけでなく、全体観も。大切にする思想です。

「コンセプトの時代」に成功したいのなら、一見バラバラで多様な秩序の間にある関連性を理解しなければならない。

「これから成功する可能性大」の3タイプ

人ができうることに、最大限フォーカスする生き方と言っても良いかもしれません。

バウンダリースパニングせよ!?

どうしたら「ハイ・コンセプト」な生き方に近づけるでしょうか!?

常識を疑う視点を養い、自らルールや概念を作って(コンセプト)いける力を養うための活動がキーです。

まずもって大切なのは、「境界をいかに超えられるか!?」ということでしょう。すでに安定関係を築いたコミュニティから一歩飛び出し、既存のコミュニティと他のコミュニティのハブになることで、自動に情報が集まり、そして、人々の交流が促されることになります。そのことで、全体として繋がりが活性化するため、よりよいアイディアが生まれて、社会全体の活動が活性化します。そのハブ機能を果たすことで、自らの信頼を蓄積することに繋がり、新しいビジョンを持った時に、仲間を集めチーミングを図ることが可能になります。

こうした存在を「バウンダリースパナー」と呼びます。バウンダリースパナーとは、企業や組織同士の関係が複雑化していく中で、境界を越えて組織や個人をつなぎ、組織行動に影響を及ぼす人々を指します。

境界を超えることに関しては、一方でこちらの投稿「【越境人材は、2度死ぬから、生きる!?】越境学習入門|石山恒貴,伊達洋駆」もご参考にいただけると思います。ぜひご覧ください。

今の時代、もっとも普及していて、いちばん大事であろう接頭語はなんだろう?
それは、「マルチ」だ。

「境界」を自分で超えていく人

何も、会社の際(きわ)だけが、境界ではありません。これは、会社の中で考えてもこれはとても大切なことです。たたとえば、既存の組織の壁をいかに超えて、本質的な価値提供を志向することができるか!?は、顧客のことを考える上でも、会社や自分の成長を見いだすためにも、特に重要なことであると思われます。

たとえば、「営業」「マーケ」「クリエイティブ」と名前がつけられても、それは、会社の都合で決められたことです。たしかにまずは、足元の仕事と役割をまっとうすることが大切ですが、大切なのは、その「まっとう」は手段であるということです。本来の顧客貢献や、社会に対してバリューを提供することに近い「目的」を見失うことなく、自分の仕事や役割を絶えず再定義していくことが、とても大切です。その時には、チーム全体を俯瞰して、何が不足しているかを常に問い続ける視点も求められるでしょう。

できることをどんどん増やしながら、越境を続けていくと、きっといいことがあります。

直感を鍛える!?

そして、ものごとを自由に発想する力も養い続けましょう。何かを「発明」する能力を磨くのです。何も発明といっても、新しくiPhoneや、ウォークマンを発明せよ!ということではありません。

大切なのは、概念と概念を結合させて、関連付けられるか、ということです。身近なものごとでよいのです。たとえば、上司部下の1オン1でとても効果が発揮されたら、それはきっと同僚同士での1オン1も必要なのではないか?という視点を持ちながら、実際にトライして、効果を検証するとか、製造業のQCサークル活動の重要性になぞらえて、人材育成のプログラムを開発してみるとか、そういう身の回りの「創意工夫」のことを言います。

直感的で創意に富んだ関連づけを行える能力は、右脳の機能である。

何か「発明」できる人

新しい組み合わせに絶えずチャレンジして、インスピレーションの力を信じ、多くの失敗を再解釈しながら、ものごとを進めていく力と着眼点が必要です。そんなマインドセットを育むためには、こちらの1冊「【「手中の鳥」を探せ!?】エフェクチュエーション|吉田満梨,中村龍太」もとても興味深い示唆をくれます。ぜひご覧ください。

むしろ人生とは迷路の上を歩くのに似ている。そこでは旅すること自体が、目的なのだ。

「迷路」があなたをもっと自由にする

揺れ動くことで存在し続ける「波」のようなものなのかもしれません。
人間の存在や、あるいは、新しいコンセプトメイクというものは――。

まとめ

  • ハイ・コンセプトとはつまり!?――概念を取り扱い、生み出すことができるマインドセットです。
  • バウンダリースパニングせよ!?――越境しながら自らの力を鍛えていきましょう。
  • 直感を鍛える!?――ものごととものごとを関連付けられる力を養いましょう。
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