【人生のできごとは、すべて学びの機会?】すべては「前向き質問」でうまくいく|マリリー・G・アダムス

【人生のできごとは、すべて学びの機会?】すべては「前向き質問」でうまくいく|マリリー・G・アダムス
  • どうしたら、ものごととよりよく向き合うことができるでしょうか!?
  • 実は、人は膨大な質問を絶えず自分自身に投げかけて、毎日を過ごしています。
  • なぜなら、人生は質問と選択の積み重ねだからです。
  • 本書は、より良い質問で人生を組み立てる発想の1冊です。
  • 本書を通じて、質問の底力について知り、活用のヒントを得ることができるでしょう。
マリリー・G・アダムス
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質問のちからとは?

人は、毎日多くの質問を自ら投げかけています。なんと、1日あたり約4万回という数字が報告されています。

この数字は、米国の心理学者であるフレッド・ルーサンスの研究に基づいています。ルーサンスは、平均的な人が1日に約6万回の思考をし、そのうちの約60〜70%、つまり約4万回が自己対話(self-talk)であると推定しました。

つまり、1日に4万回もの問いを自らに立てて、その結果、言動を見出しているのです。

例えば、「明日の出張は気が重いなぁ」というただの独り言に見えるつぶやきも、実はその直前に「明日からの出張はどんなふうだろう?」という質問が存在しているのです。

最初の質問を意図して、以下のような問いに変更をしてみることで何が見えてくるでしょうか?

  • 「明日からの出張で、どんな成果を自分はあげたいだろうか?」
  • 「明日からの出張で、効率よく結果を出すためにはどんな準備が必要だろうか?」
  • 「明日からの出張で、自分は何を眩ことができるだろうか?」

これらの質問によって、明日からの出張は憂鬱な業務ではなく、自らを高め、学びの機会に変える特別な時間にすることだってできるのです。

質問の内容を検討することで、自らの考えやそれに基づく言動を、より良い方向へと導くきっかけにすることができるのです。

世の中には、どんな状況に置かれても「どうしたらこのことから学べるだろうか」とつねに自分に質問をしている人と、「どうしてこうなったんだ?」と批判的に質問している人がいるということです。

名著『夜と霧』でも問いについて非常に深い内容が紹介されてます。本書は、精神科医ヴィクトール・E・フランクルによる、ナチス強制収容所での体験と洞察を綴った作品です。極限状況下での人間の尊厳と生きる意味を探求し、どんな状況でも人生には意味があると説きます。

フランクルは、苦しみの中でも態度を選択する自由があると主張し、「人生が私たちに何を求めているか」を問うことの重要性を強調。この経験から生まれたロゴセラピー(意味療法)は、現代の心理療法に大きな影響を与えました。人間の強さと可能性を信じる、深い洞察に満ちた1冊です。

明日が保証されていない強制収容所という極限の状況で、どうしたら希望を持ち続けることができるか。そのためには、毎日の自己対話にどのような問いを用いるのかによって、異なるものになります。

  • 「人生に何を求めるのか?」(What do I expect from life?) この問いは、多くの人が自然に抱く疑問です。私たちの欲求、希望、目標に焦点を当てています。
  • 「人生は私に何を求めるのか?」(What does life expect from me?) 著者フランクルが特に強調したのがこの問いです。これは視点を逆転させ、人生が私たちに求めているものは何かを考えさせます。

2番目の問い「人生は私に何を求めるのか?」がより本質的だと考えました。彼の哲学によれば、人生の意味は、私たちが何を得るかではなく、どのように応答するかにあります。つまり、与えられた状況に対して、私たちがどのように責任を持って行動するかが重要だとしています。

これらの問いは、以下のような重要なインサイトをもたらします:

  • 人生の意味は普遍的なものではなく、個人的で状況依存的である
  • 私たちには常に選択の自由がある(態度の自由を含む)
  • 苦しみの中にも意味を見出すことができる
  • 責任を引き受けることが、人生の意味を見出すカギとなる

フランクルのこのアプローチは、受動的に人生から何かを期待するのではなく、能動的に人生に応答することの重要性を強調しています。

人生という誰にでも期限付きで与えられている状況において、主体的にそれに関わりどのような学びを得て成長をしていくのか?という問いを持つことで、自分自身に責任を持つ行動を重ねていくことが可能になります。

Q・Tを鍛えよ?

クエスチョン・シンキング(Q・T)のスキルがこれまで以上に重要なものになっています。QTとは、「反射的」にではなく、「対象にしっかり意識を向けて」考えることに繋がります。問題を解決する一番の方法は、より良い質問を考え出すことです。

人を正しい道に導くのは答えではなく、質問だ

QTのようなスキルを身につけることで、私たちの人生における大志を単なる願望や夢に留まらせず、具体的な毎日の行動が、ありたい姿を着実に実現させます。

QTを高めるために基礎的な考え方は、自分自身に対する見立てです。自分がどんな思考の癖を持つのかを知ることから始めてみましょう。しっかり自分を観察することで、変化を望む方向への心構えが自らに備わっているのかを注意深く観察して検証することです。

われわれは人生のどんな瞬間にも、地図に描かれた2つの道、『学ぶ人の道』と『批判する人の道』のあいだで選択を迫られている。

「学ぶ人の考え方」を選べば、新しい可能性を見つけることができます。一方で、「批判する人の考え方」にはまると、泥沼から抜け出せなくなってしまいます。

自分の中にどんな考え方があるのか?次のような問いを自らに投げかけてみましょう。

  • 今、何がいったい起こっているのだろうか?
  • 私はいま、どんな状況にいるんだろうか?
  • 私は「批判する人」になっているのか、それとも「学ぶ人」になっているのか?
  • 私は何を求めているのだろうか?

残念ながら「批判する人の立場」で人を助けることは誰にもできません。他者に対してクローズしたマインドセットでは、他者の状況や考えを知ることは不可能です。また、これは自らに対しても、意識をクローズしてしまうことにも繋がります。他者を批判する視点や指摘は、いつしか必ず自分に向かってきます。他者を注意していたとしても、自分はどうなんだ、ということにいつの日にか気づいてしまい、自己矛盾を抱えてしまう可能性が十分にあります。人は自己矛盾の中で生きていけるほど、器用ではありません。

批判ばかりしていれば、他者のことだけに注目していればいいので、短期的には生きやすいかもしれません。でも中長期的には、自己矛盾に陥り、また、それまでの学びの積み重ねも不足しているので、そのままで生きていくことに辛さを覚えてしまうことだってあるでしょう。長い目で見ても、「いかに『学ぶ人』でいられるか?」ということは非常に重要な問いであると思われます。

問題は人生でなにが起きるかではない。大事なのは、きみが次になにをするかだ。

人生において選択できることと、そうでないことを見極めて、自分にできることにベストをつくしていくことがポイントです。人生で何が起きるかは正直だれにも予測がつかないし、例えいくらよりよい行動を積み重ねていても、いろいろな出来事がおこるのが人生というものです。「だから、運だけを信じればいいのか」というとそうでもありません。

先の『夜と霧』のように、なんらかの出来事に対して積極的に向き合うための問いは必ず存在するからです。特定の事件や事象は、自分に対して何を期待しているのか?ここからなにを学ぶことができるのか?という問いを投げかけることができれば、「学ぶ人」としてよりよい人生を積み重ねていくベクトルへと自分を向かわせることができます。

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無意識を意識下に?

1日に4万回もの質問を自分自身に投げかけているなぁ!と実感がある人はどれだけいるでしょうか。誰もがそんな数の質問をしているなんて思いもしないでしょう。つまり、自分自身に対する質問や問いとは、無意識に行われてしまっているということがわかります。

人はたいてい無意識のうちに、心のなかで自分自身や他人に質問をしている。

だからこそ、意識的に自分が「学ぶ人」なのか「批判する人」なのかを知ることが大切です。

<批判する人のマインドセット>

  • 自分自身・他人・事実を批判する。
  • 反射的で習慣的
  • あら探しが好き・非建設的
  • 心が狭い
  • 知ったかぶりで人の話を聞かない・ひとりよがり
  • 「だれの責任か」をさぐる
  • 自分の視点のみ
  • 融通が利かない・頑固
  • AかBのどちらか
  • 思いこみにこだわる
  • ミスは悪いこと
  • 不足していると考える
  • 不可能には限界があると考える
  • 基本的なスタンス:防御的・心配性

<学ぶ人のマインドセット>

  • 自分自身・他人・事実を受け入れる
  • 反応する・思慮深い
  • 真価がわかる・謙虚さをそなえる
  • 心が開放的
  • 知らないということを気楽に受け入れる
  • 「なにに対しての責任か」をさぐる
  • 多角的な視点をもつ
  • 順応性・適応性・創造性がある
  • AもBもどちらも
  • 思いこみを疑ってみる
  • ミスはそこから学ぶもの
  • 充足していると考える
  • 可能性には限界がないと考える
  • 基本的なスタンス:好奇心が強い・開放的

上記の2つのタイプは、ひとりひとりをぱきっと分ける視点ではなく、誰しも持っている要素です。人生のタイミングや状況に応じて、どちらかのタイプが強くあるいは、時に弱く出てくるというものです。

「学ぶ人」に注目をすることができれば、新しい可能性に心を開くことができます。一方で「批判する人」に注目すれば、必ず衝突に遭遇することになるでしょう。

「学ぶ人」を目指していくためには、何事にも好奇心をもって、自分はそこから何を学ぶことができるのかを考えてみることが何より大切かもしれません。そうしたマインドセットを持つことで、人生のあらゆる出来事、出会い、すべてを学びの機会に変えて、とても楽しい時間を持つことが可能になります。

「学ぶ人」にとっての人生とは、素晴らしい先生であり、コーチであり、メンターであるのです。

まとめ

  • 質問のちからとは?――主体的に人生に関わる視点により、積極的な言動を選択し続けられます。
  • Q・Tを鍛えよ?――マインドセットしだいで質問が変わります。
  • 無意識を意識下に?――人生の機会をよりよい先生、コーチ、メンターにしていきましょう。
マリリー・G・アダムス
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