- 「分析」とは何でしょうか!?
- 実は、体系的に知ることがポイントかも。
- なぜなら、分析自体が体系的にものごとを見ることだからです。
- 本書は、世界を正しく知るための「分析の技術」に関する1冊です。
- 本書を通じて、意思決定のための準備をすることができるでしょう。
分析の基本とは!?
そもそも私たちは、何のために分析をするのだろうか・・と、考えてみる・・。
それは、「正しい認識・判断」により「正しい対応」をするためである。
序章 分析とは何か
本書は、人の能力のうち「分析」という技術について網羅的に、かつ、詳細に書かれた1冊です。
分析の基本は次のように分類されます。
- 「大きさを考える」
- 「分けて考える」
- 「比較して考える」
- 「時系列を考える」
これらのバリエーションとして、
- 「バラツキを考える」
- 「プロセスを考える」
- 「ツリーで考える」
という工夫が生まれます。
また、自然科学とは異なり、「人間の問題」や社会の現象は、複雑に入り組んだ事象を含み、かつ「ファジーで不確定・不確実な要素」を積極的に取り扱っていかなければなりません。これらに対応するためには、「枠組みの工夫」などが必要になります。
「大きさ」の重要性とは!?
経営のための分析のツールとしては、このオーダー・オブ・マグニチュードを常に意識して、重要度の程度に応じて適切な関心の払い方、資源投入のあり方を考えなければならない。
大きさの程度
オーダー・オブ・マグニチュードとは、「大きさの程度」のことです。しばしば現場で見られるのは、事実や数字を完璧にそろえてロジカルに、解決のアイデアを見出してはいるものの、結局、「どれだけの儲け(大きさ)がでるのか!?」について意識が行っていないケースです。
定性的には重要な課題として認識されていたとしても、定量が伴っていないのであれば、インパクトが弱くなってしまいます。両輪でものごとをみるクセが必要です。
たとえば、スケールインパクトを考えるときに、「パレートの法則(20:80)」を意識してみることも大切でしょう。資源投入とリターンのバランスを考えながら、「総資源の配分」を考えることが問題解決のスタンスの根幹となります。
「クリティカルマス」という概念も必要です。
成果を上げるためにある一定量を超える資源投入が必要な場合、その必要量をクリティカル・マスと呼ぶ。
クリティカル・マス
クリティカルマスに満たない不十分な努力や資源の投入は、結果が期待できない無駄な投資となることに気をつけておきましょう。これは会社だけでなく、個人にも言えることかもしれません。時間、お金、人的ネットワークを含め、何を目指し、どこまで投入すれば、成果につながるのかに、アンテナを立てましょう。
「分ける」の重要性とは!?
「分析」という用語を使うのは、世の事象は諸要素が融合して渾然一体となっており、これを正しく理解するためには総体としてとらえるだけでは不十分で、「分けて、個々の要素を吟味することによって、はじめて本質を正しくとらえることができる」という経験則があるからだ。
第2章 「分けて考える」
市場を分けることを考えるならば、分けることが可能で、実務に役立つ最も有用な分け方に意識を傾けることがポイントでしょう。一般に、地域、人口密度、気候などの地理的(ジオグラフィック)な要因、年齢、性別、所得、職業などのデモグラフィックな要因、ライフスタイル、パーソナリティ、商品使用率、使用機会などのサイコグラフィックな要因が考えられます。また、これらの組み合わせも思考することが可能です。
さらに、損益を考える際にも分ける視点が有効になります。
利益=(単価-コスト)×販売量
としたときに、利益を上げるには次の分解がMECE的に見出されます。
- 単価を上げること。
- コストを下げること。
- 販売料を増加させること。
「分ける」際の鉄則は、「MECEに分ける」ことである。
MECEに考える
分けて考えることは、全体像を考えることになります。本質的には同じもの、分析の基本と言えます。
過去の投稿「【2つのコンサル技術とは!?】新版 問題解決プロフェッショナル|齋藤嘉則」と合わせてぜひ、本書をビジネススキルの基本書として、ご覧ください!!
まとめ
- 分析の基本とは!?――4つのスキルとその組み合わせで生まれる3つのスキルです。
- 「大きさ」の重要性とは!?――ROIを考えましょう。
- 「分ける」の重要性とは!?――全体を知るためにもMECEで分けることが重要です。