【走りながらマーケティングせよ!?】未来をつくるグロースマーケティング|櫻庭誠司

未来をつくるグロースマーケティング
  • 顧客創出活動は、製品やサービスができた後でしょうか!?
  • 実は、製品やサービス自体を作りながら顧客創出戦略を展開するのが最も効率的かもしれません。
  • データドリブンがこれを推進してくれます。
  • 本書は、「グロースマーケティング」と称して、本質的なマーケティング活動の推進として利益創出を根底に据え、グロースハックの考え方で4Pを連動させて同時にイシューを解決してくモデルを提唱しています。
  • 本書を通じて、経営とデータをいかに融合させ、毎日の事業運営に展開していくのか視点を得られるでしょう。
櫻庭誠司
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グロースマーケティングとはなにか!?

グロースマーケティングとはなんでしょうか。

一言で表すなら「事業の持続的な成長を実現するための概念、及び諸活動」です。

持続的な成長を実現する「グロースマーケティング」

著者である櫻庭誠司さんは、グロースハックになぞらえます。

グロースハックでは、製品やサービスの開発を並行してマーケティング活動に取り組んでいきます。その分析結果をいかし、製品やサービス自体に、成長の仕組みを埋め込んでいくというのが最大の特徴と言えます。

事例として理解しやすいのが、DROPBOXです。DROPBOXがサービスローンチを開始したとき、お友達紹介制度が話題になり、瞬く間にユーザーが増えました。1人紹介すると、DROPBOX内の容量がもらえる仕組みとなっていました。これにより、広告や販促活動を行わずとも、アーリーアダプター→マジョリティまでを獲得することができて、ユーザー自身の行動によってサービス拡大が進んでいったのです。と、同時に大量のユーザーデータに基づき、サービス(プロダクト)の精度を向上させることで、デファクトスタンダードを狙っていきました。

グロースハックが対象とするのがあくまで特定の製品やサービスであるのに対し、グロースマーケティングでは、製品やサービスの持続的な成長はもちろん、企業自体の持続的な成長を目指し、そのための仕組みづくりをおこなっていきます。

従来型のマーケティングと比較しながら、特徴を見出してみましょう。

従来型のマーケティングの重視点

  • KPIだけを重視
  • 部分最適
  • 施策ありきの広告出稿
  • 部署単位の利害で決まる
  • 実行者の感覚だより

グロースマーケティング

  • 徹底した利益重視
  • 全体最適
  • 戦略に合わせた広告出稿
  • ビジネスとしての利益で決める
  • すべてデータに基づいて判断

ご覧頂くようにデータ活用が根底ありながら、4Pすべてを同時に改善改良していく仕組みであることが、おわかりいただけると思います。そして、重視すべきはKPIではなく、企業のKGIである「利益」であるという点も、忘れてはいけません。

利益を重視することの本質については、こちらの投稿「【ヒントは、職人から経営者へ!】どんぶり勘定だからこそ、あなたの会社はこれから伸びる! ~小規模事業者革命~|立石裕明」もあわせてご確認ください。定常社会において、持続可能性を追求するために、大変参考になる視点だらけです!

グロースマーケティングを支えるデータとは!?

あらゆる経営、事業フェーズにおいてデータを活用して最適解を出し、最終利益へとつなげていくという点では、グロースマーケティングとは「経営改善」とニア・イコールだととらえてもいいでしょう。

とある運送業者では、ドライブレコーダーがキーになりました。数百台のトラックからデータがリアルタイムに送信され、蓄積、活用することができます。たとえば、標識無視やスピード違反の監視だけではなく、ヒヤリハットの検出などによる、啓発活動などの安全対策にもつながりますし、もちろん混雑状況の把握や最適ルートの検出など、生産性向上にかかわる指標としても活用できます。

先端技術による多角的な情報収集に基づいた、データドリブン。
これがグロースマーケティングを前に進めるための土台になります。

グロースマーケティングの原則「データドリブン」

大手保険会社で、いち早くデータドリブンに舵を切ったのが、住友生命保険です。「Vitality」を2018年に発売。これは、顧客のデータを、ウェアラブルデバイスや、IoTデバイス、SNS、医療系のデータまで含めて幅広く取り入れた上で、一人ひとりに最適なサービスを届ける仕組みをつくるという思想のもと展開しているサービスです。

グロースマーケティングを展開するための3つのフェーズとは!?

グロースマーケティングの原則は、「利益」にあるといいました。ですから、「利益」を目標設定した後、イシューとしてKPIを算出し、これの実行にデータ活用の要素を入れていくというのが要になります。

  • 1)目的の明確化
  • 2)データ化とデータ連携
  • 3)ボトルネックの解消

このような流れでグロースマーケティングを設計していきましょう。また、同時に重要なのが、システムや仕組みを導入したとしても、最終的には、「人」が運用し、学習しないことには、組織定着には及ばなないということです。

組織レベルでのデータドリブンの推進を行う場合に求められるのが、支援ツールの有効活用でしょう。

システム化をしただけで、満足してはいけない

ですから、導入企業側では、システム開発だけではなく、実行力のある運用体制の構築が求められられますし、導入支援のコンサルタント側には、こうした体制整備まで並走していくハンズオン支援が求められるのです。

まとめ

  • グロースマーケティングとはなにか!?――事業フェーズにおいてデータを活用して最適解を出し、最終利益へとつなげていく経営改善活動です。
  • グロースマーケティングを支えるデータとは!?――従業員や顧客との接点から得られる大量の現場データとその活用を行える支援ツール一式です。
  • グロースマーケティングを展開するための3つのフェーズとは!?――「利益目標」を起点に、「データ活用」「ボトルネックの解消」を目指しましょう。
櫻庭誠司
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