【問いの”ずらし”にヒントあり!?】そもそも解決すべきは本当にその問題なのか|トーマス・ウェデル

そもそも解決すべきは本当にその問題なのか
  • 仕事をしているとさまざまな問題が噴出しますよね。再発防止や、解決策提示に躍起になっていませんか!?
  • 実は、そもそもの視点でその問題の設定自体を疑ってみるのもの大切かも。
  • なぜなら、問題の定義の仕方によっては、全く異なる解決策で、より効果的な方法が見つかれるかもしれないからです。
  • 本書は、そんな問題提議を「リフレーミング」で再定義する方法を提示します。
  • 本書を通じて、”そもそも、、?”と訴えかける勇気をもらえるでしょう。

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トーマス・ウェデル
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問題と解決策、どっちが大切!?

あなたがいま、仕事で重視しているのは、問題とそれとも解決策のどちらですか!?あるいは、どちらに関して時間を使っていますか?問題の発見?それとも、解決策の計画・実行?おそらく多くの人が、問題を解く解決策の方に、時間とエネルギーを割いているのではないでしょうか。

これは企業人として正しい姿です。なぜなら、多くの産業にとってこの解決策を提示し、実行することが、対価・報酬の源泉となっているからです。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。本当に、今解いている問題は、その設定自体間違いがない!とはっきり言えるでしょうか!?

多くの企業が自社の問題解決能力にはそれなりに自身を持っている。それに対して、解くべき問題を見極めること、すなわち問題診断は苦手としている。

そもそも解決すべきは本当にその問題なのか

企業は、実は、問題の洗い出しに苦労しているのです。これは発見です。案外、ここに真剣に取り組むだけで、ハッピーな世界線が見えてくるかもしれません!

エレベータ早くこない!問題に立ち向かえ!?

問い)あなたはオフィスビルの所有者です。テナントから、エレベータについて苦情を訴えられました。古くてのろい待ち時間が長いエレベータをなんとかして!と。さて、どうしましょう!?

これに対して、問題定義を次のようにしたとしましょう。
「エレベータがなかなか来ない」
すると、解決策としては次のようなリストが完成するでしょう。
「エレベータの速度を上げる」
  ▽
・新しいエレベータを設置する
・高性能のモータに交換する
・アルゴリズムを改良する

でも、じつは、問題定義はこれだけにとどまらないのです。次をご覧ください。

新しい問題定義
「待つのにイライラする」
新しい解決策
「待ち時間を短く感じさせる」
  ▽
・鏡を取りつける
・音楽を流す
・ハンド・サニタイザーをつける

このように、問題定義の視点・領域・確度によっては、より効果的でコストが掛からず短時間で対応可能な、有効な解決策に行き着くことも可能なのです。

より単純な問題診断法もある。根本原因の分析や、それに関連する「なぜなぜ五回」(5 Whys)のテクニックなどだ。ただし、それらを使った場合でも、新たな診断が導き出せるのではなく、定義済みの問題を深掘りしているだけだと気づくことが多い。たしかに、それをするとうまくいく場合もある。ところが創造的な解決策は、ほぼ必ずといってよいほど、問題を新たに定義することが出発点になっているのだ。

問題の再定義が創造的な解決策を生む

リフレーミングと7つのコツとは!?

こうしたエレベータ問題の事例とした、軸ずらしをリフレーミングといいます。そしてトーマス・ウェデルさんは、7つのリフレーミングのコツを見出してくれています。順番に見てみましょう。

1)正統性を示す

リフレーミングは、多くの場合、チームや幹部クラスが複数人で取り組む場合があります。この時、誰か一人がリフレーミングを信じていて、他の人が信じていないのであれば、ワークが前に進みません。まずは、みんなの意識を統一をしましょう。たとえば、上述のエレベータ問題を引き合いに、いかにリフレーミングが重要かを説明するのもポイントかも知れません。

2)第三者を話し合いに同席させる

日々のカイゼン改良業務の中で、既存の着眼点や視点に縛られていることが多々あります。こうした固定化した視野では、新たなフレームを見出すことに苦労します。ポイントは、あなたのことを知っているけれど、直接の関与者ではない人、たとえば、秘書や事務員などを打ち合わせに参加させ、率直に意見を言ってもらうことです。あくまで、解決策ではなく、現状の問題に関して客観的な意見を言ってもらうというのがポイントです。大切なのは、解決策よりもインプットです。

3)問題の定義を書き出させる

1晩寝れば、ものごとを忘れてしまうように、チームミーティングでのセッションの中で、そもそも自分が抱えていた視点を手放したり、あるいは、前回の話の内容をわすれてしまったりするものです。大切なのは、事前に自分の考えをメモにして集め、事務局はそのサマリーを匿名で作っておくことです。これに対して意見を補充していくのが良いでしょう。まずは、サマリーを見ながら、思いついたことを補充し、さらに足りない視点がないかを検討していくことで、網羅性を担保でき、かつ、自分の意見をわすれない工夫も施せるのです。

4)何が抜け落ちているかを尋ねる

3の過程でも重要なことですが、問題を記述したものだけではなく、気付いてはいながらも、そこに書かれなかったことに注意を払うことも大切です。案外、拾ったものの中だけではなく、捨てたものの中にも、大切な切り口はあるものです。

5)複数のカテゴリーを検討する

エレベータ問題では、エレベータ自体に視点を向ける問いと、待つ人の心理に視点を向ける問いの両方が検討されました。このように複数のフレームに存在する問題を定義するのがポイントです。このためには、世の中の構造や社会の成り立ち、仕組みなどを客観的に知っておくことも有効かもしれません。たとえば、利益は、売上-コストを知っておくことで、売上を上げる視点と、コストを下げる視点で、分けて考えられるようになります。

6)よい意味で例外を分析する

問題の枠組みを見直すための刺激剤として、問題が起こらなかったケースに着目するのも良いです。その状況はどこが違っていたのか、を知ることで、新たな切り口を得られます。ダメなときだけではなく、良いときにも注目すれば、チームの士気も上がりますね。

7)目的を問い直す

当事者たちの目的をしっかり聞いたり、確認するのも大切です。
面白い話があります。2人が窓をあけるか、あけないか、口論になっています。一人は、部屋を換気したい。もう一人は、冷気が入るのがいやだ。と「思っています」。ここに第三者がやってきて、それぞれの目的を確認しました。結論、隣の部屋の窓を開けました。
こんな風に、それぞれの目的をきちんと理解できれば、新たな解決策が見いだせるものだったりもします。二項対立でスタックしてしまっている見せかけの問題についても応用がききそうです。

世の中の問題はかなり複雑です。だから二項対立などでスタックしているときにはとっても注意が必要です。本質はその対立構造の外にあることがほとんどだからです。たとえば、会社を辞めるのか or 独立するのか。とか、マネージャを目指すのか or スペシャリストを目指すのか。とか、ほんとうにどっちかだけ!?って、冷静になれる視点を持ちたいものです。

そんな視点をくれる良書が過去の投稿「【生きるための知恵の身につけ方とは!?】勉強するのは何のため?|苫野一徳」にあります。ぜひご覧ください!

「一般化のワナ」や「問い方のマジック」など、苫野一徳さんの視点も、問いかけのヒントになります!!

まとめ

  • 問題と解決策、どっちが大切!?――案外問題提議の方がおざなりになっているかもしれません!
  • エレベータ早くこない!問題に立ち向かえ!?――視点を変えることで、問題も代わり、解決策も異なります!
  • リフレーミングと7つのコツとは!?――チームメンバー全員で、視点をずらす意識と場を持ちましょう!

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