【変化を武器に「個」を活かそう!】「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと|ウスビ・サコ

「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと
  • 多様性の時代と言われますが、どのような考え方が大切になるのでしょうか。
  • 実は、外(他者)にその根源をもとめるのではなく、自分自身との向き合いが大切かもしれません。
  • なぜなら、多様性の時代とは、多様な価値観と価値観がぶつかって新たな価値を生み出す時代であるからです。そんな時代には、自分は「個」として、どう考えるのか?何に重きを置くのか?などの自分のスタンスが極めて需要なのです。
  • 本書では、京都精華大学学長であるウスビ・サコさんが、特に若者に向かってこれからの時代を生きるヒントを語ってくれます。
  • 本書を読み終えると、ウスビ・サコさんのこれまでの半生に触れながら、あらゆるものごとから「学び」、変化し続けていく生き方について触れることができるでしょう。

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ウスビ・サコ
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多様性の時代に、大切にしたいのは「個」

多様性(ダイバーシティ)にも注目が集まっています。「多様性」は性別、人種、国籍、宗教、年齢、職歴といった多様性を活用するという文脈で使われている言葉です。ポイントとなるのは「個」であり、個と個がいかにして違いを認めて共生していくかが問われています。

【はじめに】

多様性の時代というと、どうしても他者に意識がいきがちです。多様性という言葉には、いろんな他者が存在しているというニュアンスがすでに込められているからだと思います。そこには、なぜか自分が不在ではないでしょうか。

そうではなくて、ウスビ・サコさんが言いたいことは、多様な時代なのだからこそ、自分の魅力というのもオンリーワンが活きるはず、だから、自分の「個」を磨きなさいということなのだと思います。

でも、個を磨くってどういうことでしょうか!?

学習ではなく、学びが必要。何事も学びだという姿勢を忘れずに

「学び」……自発的に行動を起こす。人間性の向上。
「学習」……一方的に誰かから教えてもらう。反復行為によるスキルアップ。

第2章 多角的でブレない価値観を築く「学び」

ウスビ・サコさんによると、「学び」と「学習」は異なると言います。「学び」はどこか、人生に直結しているようなイメージでしょうか。

そういえば、この2つを比べて、「生涯学習」という言葉を思い出しました。生涯と学習という言葉の連なりですが、なんだか、私たちが生涯を通じて学びたいこととは少し距離がありそうな気がしました。新しい言葉が必要なのかもしれないですね。「リカレント教育」とも言われますが、少し分野が違うかな・・いずれにしても100年時代の学びをもう少しステキな言葉で語ってみたいものです。

多様性の時代には、「個」を磨くことが大切で、その時、「学び」が必要です。著者は、アフリカのマリという国で生まれ、国費での留学によって、中国そして日本で学びました。いまでは、京都精華大学の学長をつとめていらっしゃいます。

国をまたぎ、文化を超えて、いろいろなご経験をされたのだと思います。あらゆることが「学び」なのであるという言葉に非常に重量感を感じます。

ところで、国や文化とは簡単に言ったものですが、そういうボーダーでものごとや世界を定義するということも、これからの時代は少しずつナンセンスになっていくかもしれません。もちろんそういう区別をしてものごとを考えることは大切かもしれませんが、自分の目や耳で感じたことに対してバイアスを働かせかねないということにも、意識的になるべきでしょう。

著者は肌の色のせいで、日本に帰国するときに、いろいろ面倒があると言っています。それも個性といえば個性なのですが、どうしても同じ国や文化にある人とそうでない人に差を見出してしまいがちだと自戒します。それよりも、もっともっと違いがあるのが、「個」と「個」なのかもしれないです。

同じ言葉をはなしていても、本当に意思疎通が図られているのか・・苦しくなったことがある人もいるでしょう。反対に、全く言葉を介さなくても、なんとなく気持ちが伝わった暖かな経験を持つ人もあるでしょう。だから、既存のカテゴリーやジャンルでくくらなくてもいいんです。「個」と「個」として、互いがどう感じ、どういう場をつくるのか、に集中をしてみることも大切です。

そして、「個」である私自身を、不変的なものとしてとらえないのも重要です。

世界は絶えず時々刻々と変化しています。その中の一部である私たちも変化し続けていく存在です。

特に強調したいキーワードがあります。私が人文学部の学部長時代にも使った言葉で、学部執行部が学生たちを外国のフィールドプログラムに送り出すために重視し、指標にもしていた考えです。

それは「メタモルフォーゼ」、日本語に訳せば「変身」「変化」です。私なりの言葉にするならば、
「核となる自分自身を保ったまま、社会に適応した自分をつくっていく」
「中身を維持したまま、外側を変化させていく」
というように表現できるものです。

メタモルフォーゼは、私自身の大きな核となる言葉でもあります。

【はじめに】

変化していく世界の中で、「メタモルフォーゼ」という言葉を意識して、自分を変え続けていけるかどうか?毎日、一瞬一瞬が挑戦なのかもしれません。

私たちを自由にすることとは?

現代は誰かが誰かの自由を奪う時代ではなく、自分の行動によって自由が奪われてしまう時代、自分で自分を縛る時代です。

第1章 不確実で多様化する世界で、どう生きるか?

人間は、「言葉」や「社会」など、自分たちで作ったものごとで、自分を縛っています。とくに、これまでの人類の歴史の中でも超最近作られた、働き方や人生観のせいで、相当な苦しみを強いられています。

この状況を少し俯瞰して客観的になることがこれからの時代を生きるために必要なことでしょう。

まとめ

  • 多様性の時代に、大切にしたいのは「個」――自分という「個」と向き合い、変わりつづけていくことに挑戦していきましょう。
  • 学習ではなく、学びが必要。何事も学びだという姿勢を忘れずに――人生を通じて、あらゆる経験から「学び」があるのだというスタンスを忘れずに行きましょう。
  • 私たちを自由にすることとは?――自分の作った価値観で苦しみを生んでいます。自分を縛るものから解放してくれるのは、自分の考え方次第です。

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