【もう周りに流されない!】ぼくらの仮説が世界をつくる|佐渡島庸平

ぼくらの仮説が世界をつくる
  • 自分の仕事をしているつもりでも、誰かの仕事をさせられているんじゃないかな・・と思って、焦燥感に駆られるときってありませんか?
  • 「仮説」をしっかり持ち、世界と向き合うことが大切です。
  • 「仮説」を持つことで、世界がどうなるかを待つのではなく、世界をどうするか、という姿勢に自分を変えられます。
  • 本書では、「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」などヒット作を編集で支えた佐渡島氏が、自身が大切にしている、「仮説」を持って世の中に向き合う大切さと方法を提示してくれています。
  • 本書を読み終えれると、周囲や自分にダラダラと流されない、習慣を身につけるヒントが得られるでしょう。
佐渡島庸平
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世界は、誰かが思い描いた「仮説」でできています。

「世界がどうなるか」を心配する時間があるなら、「世界をどうするか」を考えたい

ほくらの仮説が世界をつくる

私たちが当たり前に使う、スマートフォンもインターネットもパソコンも、誰かが「こういうものが求められるのではないか」と考えて発明されてきたものだ!と、著者は語ります。

私たちは、その結果作られた世界の中で生きる中で、それが当たり前になって、そして誰かの関与を忘れてしまっています。

著者は、この誰かを「あなた」であると言い切ります。

あなたも「仮説」を思い描くことで、世界に対して関与を持つことができます。

では、どのようにして「仮説」を持てばいいのでしょうか・・。実は、よい仮説と悪い仮説があると著者は語ります。

よい仮説は、誰かの作った「情報」からは、始まらない。

前例主義というのは、「情報→仮説」という順番で物事を考えること

「仮説を立てる」の本当の意味

「仮説」はしっかりと情報を集めて準備してから、立てるものと思っていませんか?これは、NGです。
なぜなら、これでは、前例主義になってしまい、身動きが取れなくなって、自らの首をしめてしまうことになります。

大切なのは、まず「仮説」を立てること、そして、その後「情報」を集め、「仮説」を再構築することです。で、いきなり「仮説」なわけですが、何をヒントに立てるか?がポイントです。

それは、
「日常生活の中で、なんとなく集まってくる情報」
そして、
「自分の中にある価値観」
であると言います。

情報を集めるのも、価値観を育てるのも、「宇宙人的視点」が大切!?

宇宙人には、レッテルやイメージという固定観念もなければ、業種という概念もありません。よって純粋なビジネスモデル=骨格だけが浮かび上がってくるのです。

「宇宙人視点」で本質が見える

大胆な「仮説」を立てるために、著者が大切にしていることは、固定観念やバイアスの存在に意識的になるということです。

なぜなら、固定観念やバイアスから生まれる先入観から、世界を見る純粋な視野が奪われてしまうからです。でも、宇宙人は違います。些細な違いではなく、地球全体、地球人という大局観から物事を見ることができるでしょう。

例えば、著者はビジネスモデルを引き合いに出します。出版社は、出版が主な生業と思われていますが、実は、流通業であると指摘します。編集→印刷→書店→消費者に至る、書籍の流通網を築き、書籍や雑誌というソフトを流すことで収益を得ています。

このように物事の「本質」を見つめる力が重要です。

この「本質」は、例示のようなビジネスモデルだけではありません。たとえば、「人間の感性や、感情」は、人類史を振り返っても、さほど大きな変化はなくこれまで継承されてきているでしょう。

まずはかわらないもの(本質)を見つけること。そして、日々起きる変化の中で、何が対局の変化で、どれが一時的な文化や風習にすぎないかを「宇宙人視点」で見つけることです。長期的な変化が何なのか。それを予測し仮説を立てることです。

「技術」は変わっても「人」は変わらない

例えば、お金の流通形態が変わると、社会が変わると指摘しています。コインになり、紙幣になり、株式に変化を遂げる中で、人間の社会はより豊かに、発展してきました。

いま、さらなる変化としてデジタルマネーが主流になりつつありますが、おそらくこれによる社会の変化も大きなうねりとなって、訪れるでしょう。

あるいは、時間。昔は映画をヒマだから見に行くものでしたが、今は、目的的に見に行きます。わざわざ予定を作って映画館に足を運ぶ世の中になりました。

情報化社会の中で、暇な時間がどんどん細切れになっているのです。これにより、著者は、時間の節約から、時間の消費に焦点が当たる社会がやってくるのではないか?という「仮説」を見出しています。

本書「ぼくらの仮説が世界をつくる」(2015年)でも、仮説を生み出すための、「観察」の大切さは語られていました。2021年発刊の「観察力の鍛え方」ではさらに、詳しく「観察」が語られています。著者が経営者としてその後、体験されたさまざまな気付きや考えから、さらに骨太な世界との関わり方を突き詰めた書籍です。合わせて読むことで、著者の主張に新しい気づきを得られます。

まとめ

  • 世界は、誰かが思い描いた「仮説」でできています。――今ある世界を当たり前のように受け入れるのではなく、誰かが作った仮説の結果なんだという視点を持つこと、そして、誰かとは「あなた」でもあるのだと意識してみましょう。
  • よい仮説は、誰かの作った「情報」からは、始まらない。――大胆な「仮説」は、何より「日常生活の中でなんとなく集まってくる情報」や「自分の価値観」から生まれるものです。
  • 情報を集めるのも、価値観を育てるのも、「宇宙人的視点」が大切!?――自分の価値観を育てるためにも、当たり前を疑う視点を意識しましょう。変わるもの、変わらないものへの気づきも重要です。

読み終えて、著者が首尾一貫、主張したいのは、自分の感性を信じて世界と向き合うこと、なのかもしれないと思いました。自分の目でみて、耳できき、肌で感じ、仮説を生み出す。誰かの情報に振り回されることなく、世界に主体的に関与を持つ大切な心構えを教えてもらえました。ぜひ、ご一読ください。

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