- なぜ、同じように努力しているのに、結果を出せる人と出せない人がいるのでしょうか?
- 実は、その違いは能力の差ではなく、「結果に動かされる環境」に身を置いているかどうかなんです。
- なぜなら、どれだけ頑張っても、努力そのものが評価される環境にいる限り、本当の成果を生み出す力は身につかないからです。
- 本書は、人材サービス業界で数々のベンチャー企業を立ち上げ、成長させてきた著者が、「結果がすべて」の世界で通用する仕事の作法を5つにまとめた一冊です。
- 本書を通じて、ベンチャーという看板の裏側にある、あらゆる組織で成果を出し続けるための普遍的な原則が見えてきます。
高野秀敏さんは、人材サービス業界で複数のベンチャー企業を立ち上げ、成長させてきた連続起業家です。
著者がキャリアの中で一貫して向き合ってきたのは、「結果を出せる人材とは何か」という問いです。数多くの企業の成長過程を見てきた中で、組織の規模や業種を問わず、成果を出し続ける人には共通する行動原則があることに気づきました。
本書は、そうした実践知を「ベンチャーの作法」として体系化したものです。しかし、著者自身が強調するように、これは決してベンチャー企業だけの話ではありません。成長途上の会社も、大手企業も、すべてがピラミッド型組織である以上、求められる本質は同じなのです。
「結果がすべて」という厳しい世界で、どう生き残り、成長していくか。その答えを、著者は自らの経験と、数多くの「結果を出す人」の観察から導き出しました。
「結果」だけが意味を持つ世界の真実
「努力は報われる」と信じて働いている人は多いんです。
でも、現実は違います。
何時間働いたとしても。組織のためだと思ってやったことであっても。それが「結果」につながらなければ意味はない。
この言葉は、多くの人にとって残酷に聞こえるかもしれません。
しかし、これこそが成長途上の企業が求めているものの本質なんです。
ベンチャー企業では、主体性のない指示待ち人間、すぐ行動しない頭でっかち、理想論を語るだけの評論家、模範的に見える行動も、成長途上の企業では完全に無視されます。
そして、不要な存在だと思われてしまうんです。
なぜか。
それは、成長途上の企業が求めていることが明確だからです。
結果だけを求めている。
つまり求められる人材は、結果を出せるやつだけなんです。
結果に動かされる環境に身を置く
ここで重要なのは、「結果がすべて」という価値観を、単なる厳しさとして受け取らないことです。
むしろ、これは自分を成長させる最高の環境を示しているんです。
あなたには、自分が出したと胸を張って言えるような結果があるだろうか?
この問いに即座に答えられる人は、すでに結果に動かされる環境に身を置いています。
逆に、答えに詰まる人は、まだ「努力」や「プロセス」が評価される世界にいるのかもしれません。
大切なのは、本当に大切なこと――つまり結果――に動かされてしまう環境を、自ら得られるかどうかなんです。
会社が大きくなっていくと、仕事にもしだいに「型」ができてきます。
そうなると今度は、素直な人が求められます。
主張が強すぎる人は、会社から「成長の阻害因子」と見られるようになりました。
これは組織の成長段階によって求められる人材が変わることを示しています。
でも、共通しているのは、どの段階でも「結果を出す力」が前提になっているということです。
PDCAではなくDDDDDCA
ベンチャーの世界では、計画に時間をかけることは許されません。
PDCAをつねに回し続ける必要があります。というよりも、DDDDDDCAぐらいのイメージです。
この「D」の連続は、行動の圧倒的な量を表しています。
Plan(計画)に時間をかけるのではなく、Do(実行)を繰り返しながら学んでいく。
これが結果を出すための最短ルートなんです。
多くの人は、「求めるべき『結果』や、そのための『手段』において、経営者と働く人の間で認識のミスマッチが起こっている」状態に陥っています。
その理由は、経営者が求める結果の定義と、働く人が考える成果の定義がズレているからです。
経営者は「顧客にとっての価値」を求めているのに、働く人は「上司にとっての評価」を求めてしまう。
この認識のズレこそが、努力が報われない最大の原因なんです。
俗に言う「ぬるいホワイト企業」が増えているのは、この認識のミスマッチを放置した結果とも言えます。
努力は評価される。でも結果は出ない。
そんな環境にいると、本当の意味で成長する機会を失ってしまうんです。
自分で動く人だけが生き残る
「セカンドペンギン」が群れを導く、という言葉があります。
最初に飛び込むペンギンではなく、2番目に飛び込むペンギンが重要だという意味です。
でも、ベンチャーの世界では、この考え方すら生ぬるいんです。
なぜなら、行動する「2人目」が必要だからです。
1人目が動いても、誰もついてこなければ、何も変わりません。
2人目がいて初めて、流れが生まれるんです。
セカンドペンギンについては、こちらのTEDの講演「TED日本語 – デレク・シヴァーズ: 社会運動はどうやって起こすか」もぜひご覧ください。
「自分でやる」という決断
仕事の遂行においては、「自分でやる」「すぐにやる」「たくさんやる」という3つの側面があります。
この中で最も重要なのが「自分でやる」という決断です。
「自分でやる」「すぐにやる」に続いて大事なのが「たくさんやる」です。そんなときにも「残業はしない主義なので」「このあと、予定があるので」と主張すれば、上司や経営者はなんと言うでしょうか。……おそらく、何も言いません。それはいいのか、それはよくないのかでいうと、「やれ」とは言えない時代なのです。
これは、現代の働き方の矛盾を突いています。
残業を強制できない時代になりました。
でも、結果を出すためには、時に大量の行動が必要なんです。
この矛盾の中で、「自分でやる」と決められる人だけが、結果を手にします。
誰かに言われたからやる、のではなく、自分から「やる」と決める。
この主体性こそが、ベンチャーに転職した人がもっともまず最初につまずくポイントだったりするんです。
自分で「自分」に厳しくできるか
結果を出せるのは、ときに自分に厳しくなれる人です。
これは精神論ではありません。
「定時なのはわかるけど、今が大事なときだとわかったら気持ちが終われる気がしないな」「次の重要な仕事は、別の人に頼むようにしよう」これが組織を抜擢にした感情です。
誰も「やれ」とは言えない時代だからこそ、自分で自分を動かせる人の価値が上がっているんです。
みんな「見えないところ」で努力しています。
結果を出す人は皆、隠れて努力しているんです。
星をこなさないと「質」は上がりません。
この言葉が示すのは、量が質を生むという真実です。
最初から完璧を目指すのではなく、まず大量に行動する。
その中で、質が自然と上がっていくんです。
経営者が人を評価するときも、「やり抜く人かどうか」を見ています。
結果が出るまでやり抜いてくれるかどうか。
それが最も重視される点なんです。
「やり抜く」ことを重視するのには、理由があります。
最後に勝つのは、「やり抜いた」人や企業だからです。
途中でやめてしまえば、それまでの努力はすべて水の泡になります。
でも、やり抜けば、必ず何かが残るんです。
経営者視点で見る・示す・拾う
「顧客」より「経営者」を見ろ、というアドバイスがあります。
一見すると、これは顧客志向に反する考え方に思えます。
でも、実はこれこそが、本当の顧客価値を生み出す鍵なんです。
経営者が決めた方法で顧客のためになる仕事をする
ベンチャーでも、経営者は「顧客を大切にしましょう」と言っているはずです。
でも、言葉の内容をそのまま受け取ってはいけません。
経営者がこの発言をするとき、その発想を支える「経営者としての思考」が隠れています。
「顧客を大切にしろ」という、私の言葉をしっかり守れ。
これが本当の意味なんです。
つまり、顧客を大切にする「方法」は、経営者が決めているということです。
現場には届き得ないさまざまな情報をもとに柔軟に判断しているだけなのです。
経営者には、現場が知らない情報があります。
市場の動き、競合の状況、会社の財務状態。
そうした情報を踏まえて、経営者は「今、何を優先すべきか」を判断しているんです。
だからこそ、経営者の視点で物事を見ることが重要になります。
「指示対応」ではなく「提案」をする
経営者にしか見えていない景色があります。
「ステークホルダーからの視線」です。
投資家、株主、取引先、そして社会。
さまざまなステークホルダーが、会社を見ています。
経営者は常に、その視線を意識しながら意思決定をしているんです。
水脈のない場所で井戸を掘り続けても、水は出てきません。早く諦めて別の場所を探したほうが賢明です。ビジネスは想いが大事と言われますが、捨てることも大事なわけです。ですから社員も、経営者のこの新三転する姿勢について行く必要があります。
これは、経営者の意思決定の本質を示しています。
状況が変われば、方針も変わる。
それについていける柔軟性が求められるんです。
経営者に「説明」を求めてはいけません。
「正解なのか?」ではなく「正解にする」のが仕事
この違いは決定的です。
正解を待つのではなく、自分で正解を作り出す。
それが、結果を出す人の姿勢なんです。
「無茶」に応えるのも立派なスキルです。
経営者の不満を吐き出すような人は、「他責思考」と言わざるを得ません。
環境のせいにするのではなく、その環境で結果を出す方法を考える。
それが、プロフェッショナルの仕事なんです。
落ちているボールを拾う
仕事なんて結局は「なんとかする」こと、という言葉があります。
「反対意見」ではなく、相手の意向を汲まえた「別案」として提案します。
これは、単なる否定ではなく、建設的な提案をするということです。
経営者の意図を理解した上で、より良い選択肢を示す。
それが、信頼される人の仕事の仕方なんです。
宿題を締め切りギリギリにやって済ませられるのは学生までです。
理想は、締め切りの数日前には8割ぐらいは完了しておくことです。
この余裕が、質を高めるための時間を生み出します。
締め切り当日に慌てて仕上げたものと、数日前に完成させて見直したもの。
どちらが質が高いかは明白なんです。
「自分の仕事」しかしない人は扱いに困る
これは厳しい言葉ですが、真実です。
三役、四役が当たり前なのです。
1つの役割だけをこなす人ではなく、複数の役割を担える人が求められています。
むしろ、「それもやっていいんですか?」と思える人が評価されます。
曖味な仕事はある意味で「チャンス」なんです。
誰の仕事かわからない、境界線上の仕事。
そこに飛び込める人が、次のステージに進めるんです。
「管理職のプロ」は必要とされない
今の時代、「ただ管理するだけの人」は不要だからです。
大事なのは、あくまで落ちているボールを拾うことです。
他者が持っているボールを奪ってはいけません。
落ちているボール――つまり、誰も拾っていない仕事を見つけて、それを拾う。
いかなる場合も「筋を通す」ことは必要
どんなに忙しくても、どんなに結果を急いでも、筋を通すことだけは譲れません。
「会社の壁」を越えるということも大切です。
「企画者」だけが手にするもの、という言葉があります。
人はどういうときに動いてくれるのか、どういう声のかけ方をしたら良いのかと、さまざまな学びを得られます。
企画する立場に立つと、人を動かす力が身につきます。
これは、指示を待つだけでは絶対に得られない学びなんです。
自ら手を動かす。
これが、ベンチャーに転職した人がもっともまず最初につまずくポイントだったりします。
でも、言い換えれば、ここを乗り越えられれば、どんな環境でも結果を出せる人になれるということなんです。
スタートアップ的に動くことについて、人生にフィードバックしたい方はこちらの1冊「【誰しもが、本来起業家マインドを持ちうる!?】スタートアップ的人生(キャリア)戦略|リード・ホフマン,ベン・カスノーカ」もぜひご覧ください。

まとめ
- 「結果」だけが意味を持つ世界の真実――努力やプロセスではなく、結果だけが評価される環境。それは厳しさではなく、本当に大切なことに動かされる環境を自ら得るチャンスです。PDCAではなくDDDDDCAの行動量が、結果への最短ルートを示しています。
- 自分で動く人だけが生き残る――「自分でやる」「すぐにやる」「たくさんやる」という3つの行動原則。特に「自分でやる」という決断が、結果を分ける最大の要因です。誰も「やれ」と言えない時代だからこそ、自分で自分を動かせる人の価値が高まっています。
- 経営者視点で見る・示す・拾う――顧客より経営者を見るとは、経営者が決めた方法で顧客価値を生み出すということ。指示対応ではなく提案をし、落ちているボールを拾う姿勢が、組織で信頼される人の条件です。筋を通しながら、複数の役割を担える人が求められています。
