- パンデミック、モデルのない社会の中で、私たちは、立つ瀬をなくしているのかも知れません。
- 実は、自分の中に自分のリーダーを見出すことが、こんな時代には重要かも。
- なぜなら、リーダーを見出す過程は、客観性とぶれない自分を見出す行為によるものだからです。
- 本書は、作家の梨木香歩さんが、ご自身の軸であると語る『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)に対する、現代的に呼応する内容としての講演内容をまとめた1冊です。
- 梨木香歩さんらしい、やさしい筆致の中に、現代を生きる私たちにとって大切な、信念の持ち方を見いだせます。
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犬と、本能。
梨木香歩さんは、金子みすゞさんの『私と小鳥と鈴と』に収録されている、「みんなちがって、みんないい」という言葉について語ります。これ、本当でしょうか?と。案外、日常生活で生きている時に、これをそうだなぁと実感するシーンは少ないかもしれないです。みんなと、ちがう生き方はそれはそれで相当に辛いものです。
でも、この「みんなちがって、みんないい」という言葉がくれる、そこはかとない安心感というのははかりしれないものがあります。その理由を、このように梨木香歩さんは、みつめます。
この言葉がいまだにあちこちで引き合いに出されるのは、「群れの長老に優しく微笑まれ、受け入れてもらえた」ような、温もりがあるからだと思います。つまり、群れというのは、生きていくときに大切な、そういう温もりを供給できるものでもあるのですね。
「みんなちがって、みんないい」の重み
私たちは、社会という群れをつくって生きていく動物です。そんな、本能に従う時、この群れの長老にあたたかな見守りをいただく、そんな瞬間を常に期待しているのではないかと思います。
同じ、群れを作る動物に犬があります。
大切なことは、犬の幸せというのは、信頼できるリーダーのもとで安心してその命令に従うこと、だというのです。服従する、ということに、私たちはなんだから屈辱を感じ、また「負けた」ようにも感じ、飼い犬とですら、対等の友情で結ばれていると思いたいものですが、服従イコール屈辱、ということではないらしいのです。
群れの一員としての幸せ
犬は、飼い主がおどおどしていたり、不安だったり、頼りないと、自分の序列を最も高く認識して、家族以外に威嚇的になったり、あるいは、飼い主にさえも歯向かったりするらしいです。一方、穏やかに権威的なリーダーが家族の中にある!と認識すると、それに従おうとするらしいです。そして、その従っている様が、幸せの絶頂だと感じるように、みえるとも、言います。
詰まるところ、私たちも群れの動物なのです。私たちは磁石がくっつくところを探すように、だれか尊敬できるリーダーを無意識に求めている。
群れの一員としての幸せ
チーム・自分。
群れやリーダーは、外に求めがちですが、案外、最も信頼できるリーダーは、私自身なのかもしれません。
あなたの事情を誰よりもよく知っていて、あなたが、そういうことをせざるを得なかった、そうやって重ねてきた、人生の歴史について誰よりもよく知っている、そんな存在。
それはさっき私が言った、「自分のなかの目」、でもあります。
あなたの、ほんとうのリーダー
チーム・自分というのは、あなた自身のリーダーを一つの群れにしてしまう作業です。わたしとわたしの中のわたしとの、対話とリーダーシップを通じて、私たちは、手がかりを得られるのかも知れません。「モデルなき時代を生きる」ということを考える一つのヒントであると思います。
「え?そうなの?」を大切に。
チーム・自分を大切にするための合言葉「え?そうなの?」です。流さない、違和感を大切にする。
でも、「え?」と思ったことを大切にしましょう。すぐその場で反対を表明できる勇気がなくても、です。疑問に思ったこと、そして明らかにおかしいと思ったこと。それは「チーム・自分」の抱える課題となります。
あるテニスの試合で起こったこと
これによって、『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)の主題である次のことに磨きをかけられます。
大まかに言って二つ。一つは客観視と、それに伴う主体性の「揺らがなさ」にまつわること。
今、『君たちはどう生きるか』の周辺で
自分に問う訓練として、こちらの投稿の1冊が参考になるかも知れません。「【ものごとの本質的な見方とは!?】本質を見抜く「考え方」|中西輝政」ぜひあわせて、ご覧ください。
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まとめ
- 犬と、本能。――私たちは、本能に従えば、群れを求めるのです。
- チーム・自分。――自分の中にリーダーをもち、群れをなしましょう。
- 「え?そうなの?」を大切に。――モデルなき時代をいきるため、自分の中のわたしと言うリーダーを育てるために、この言葉を大切に、違和感を流さず、考えて生きていきましょう。
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