- どうしたら逆境を超えて、よりよい人生を構築することができるでしょうか。
- 実は、ものごとに対して意義意味をどのように見出すかによるものかもしれません。
- なぜなら、世の中の認識は、自分次第だからです。
- 本書は、逆境を超えて、よりよく生きる人生を説く1冊です。
- 本書を通じて、人生というのは大いなるなにかに導かれるものであるということの実感を作れます。

逆境を超えるには?
大切なのは、単に逆境を逆境として捉えて不安にさいなまれることではなく、それにどのように向かっていくことができるのかというマインドセットを作れるか?であると考えることができるでしょう。
なぜなら、結果や状況ということを積極的に選ぶことができません。自分がコントロールできないことについて、一生懸命に操作しようとしても、それは不都合を生み出し続けていきます。
あなたの心の奥深くから、その「逆境」を超えていくための力と叡智が湧き上がってきます。
いま人生を分ける帰路にあなたが立たされているとするのであれば、自分の人生は大いなるなにかに導かれると心中で唱えていくことがキーです。
その帰路に対してどのようなマインドセットで、どのような対応をしていくかを、よく考えてみること、そして、自分の中にある賢者の心で、状況を分析してみることが実はとても大切なことです。
真に重要なのは、「私たちがそうした状況において、どのような心の姿勢」を持てるかどうかです。
田坂広志さんは、そうした観点をベースに次のような言葉で、人生観を説いてくれています。
人生で起こること、すべて良きこと。
逆境を超える、究極の言葉にほかなりません。
「人生で起きること」に対して、意味を見出すことができれば、「道は拓ける」のです。
そして、何事にも、「意義や意味があるのである」と捉えることがなによりも大切なことではないか、ということが重要なのです。
この心を、田坂広志さんは、「正対」といいます。これは、真正面から向き合うということです。
逆境に直面とした時、「なぜこんなことになったのか・・・」と嘆き悲しむことに時間や力を割くのではなく、そこから受け取れるだけのメッセージを理解して、前に進んでみることも含めて、選択肢の中にあるのかもしれない、ということに私たちは気づくことができるのか。
これは、覚悟なのかもしれません。
成長をまず糧に?
田坂広志さんは、「人生において、成功は約束されていない」とも言います。
これは、冷厳なる真実です。
この事実を直視することができるか、そうした覚悟を持つことができるか?ということに心の軸足をおくことが私たちができるかどうかで、人生というものが変わってきます。
もし、最大限の努力を尽くしたのにもかかわらず、その目標が達成できず、成功が逃げていったとき、それでもなお、自分を支えるものを持っているか?
成功は約束されていない時、私たちは何を頼りにして、生きていくことが良いのでしょうか。
自暴自棄にならなくても大丈夫。
私たちに約束されていることがあります。それは、「成長」です。
人生において、何らかの目標を持ち、その達成を目指して、思い込み、その力を尽くして歩むことができるのならば、私たちは、必ず「成長」をしていくことができるはずです。
あくまで「成功」という視点とともに「成長」をめざして歩むことができれば、どれほどの失敗であっても、どれほどの逆境であっても、人生に対して正しく向かっていくことができるはずです。
成長という可能性、自分が手にすることができる何を信じて歩んでいくことを選んでみましょう。
人生において、「成功」は約束されていない
しかし人生において、「成長」は約束されている
つまり、逆境や失敗というのは、実は、素晴らしい「成長の機会」と捉えることができるということですね。

正しい解釈とは?
大切なことは、解釈です。
事実は変わりません。でも自分自身で、積極的にそのものごとをどのように解釈するかを選ぶことはできます。
自分の成長を加速させるためのヒント取られられるか?あるいは、自分を縛る取り返しのつかない後悔の対象ととらえるか?それは、自分の意志次第です。
すなわち、人生で起こったことを「解釈」する力、「解釈力」。
それあ、我々の人生の分かれ道で、真に「運命」を分けるのですね。
ついつい、思い悩んでしまうことや、不安になることがあっても、それさえもどうしたら糧になるのかという視点で見つめてみてもいいかもしれません。
「高い理想イメージを持つ人」は、どうしても理想と現実とのギャップに悩んでしまうものです。
でも重要なのは、高い理想を持つということ。それがなければ、よりよい人生というものを描き、向かっていく力を持つことだって不可能だからです。
そうしたギャップを埋めていく「成長」という手応えを絶えず感じながら、少しずつでもいいから、理想の自分に近づく感覚を自分自身の中で評価してみましょう。
やはり、田坂広志さんの言葉にふれると、とても晴れ晴れしい気持ちになります。そして今日1日1日を丁寧に暮らしていきたいという気持ちにさせてくださいます。
次回も本書『人生で起こること すべて良きこと』の後半部分のレビューを続けながら、よく生きるということについて、解像度を上げてみたいと思います。
田坂広志さんのその他のご著書については、こちら「【偶然に意志をぶつけよ?】まず、戦略思考を変えよ:戦略マネジャー 8つの心得|田坂広志」やこちら「【時間は、密度である!?】なぜ、時間を生かせないのか|田坂広志」もぜひご覧ください。


まとめ
- 逆境を超えるには?――いかに「ものごとをとらえるか」です。
- 成長をまず糧に?――成功は約束されていないのですが、成長はえられるものです。
- 正しい解釈とは?――それは、解釈こそ自分自身による世界観だということです。
