- どうしたら、自分を見失わずに生きられるでしょうか。
- 実は、大切なのは、言葉のピリオドかも。
- なぜなら、自分というのは意識しないと振り返られないから。
- 本書は、プロダクトデザイナーとして活躍される秋田道夫さんによる心を感じ、考えるための1冊です。
- 本書を通じて、自分の存在、他者とともにある自分という存在を考えるヒントを得ます。
出会いこそが重要?
本書の著者・秋田道夫さんは、日本のプロダクトデザイナーで、1953年6月11日に大阪府吹田市で生まれました。1977年に愛知県立芸術大学美術学部デザイン科工業デザイン専攻を卒業し、同年、第26回毎日インダストリアルデザイン賞(毎日ID賞)で最高賞の「特選1席」を受賞しました。
その後、トリオ株式会社(現・ケンウッド)やソニー株式会社で製品デザインを担当し、1988年からフリーランスのデザイナーとして活動を始めました。
秋田さんの代表的な作品には、LED式薄型信号機、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズ、GINZA SIXで導入されているセキュリティゲート、交通系ICカードのチャージ機などがあります。これらのデザインは、私たちの日常生活の中で広く利用されています。
近年、秋田さんはSNSでの発信でも注目を集めています。2021年3月からTwitterで自身の思いや感じたことを投稿し始め、そのシンプルで本質を突いた言葉が多くの人々の心を捉え、フォロワー数は10万人を超えています。 また、これらの投稿をまとめた書籍は、いずれも好評を博しています。
秋田さんのデザインや言葉は、シンプルでありながら深い洞察に満ちており、多くの人々に影響を与え続けています。
そんな秋田さんの今回の1冊は、気楽さとやさしさの倫理学という副題が語るように、自らの気持ちやスタンスについて俯瞰的な視点を提供して、考える機会を提供してくれる内容になっています。
1ページ1ページ、短い、でも、深い言葉に触れながら、忙しく目まぐるしい日常の中で、まるで栞かピリオドのようにわたしたちにちょっと立ち止まって考えるヒントを提供してくれます。
良い出会いは、
数多くのなんでもない
出会いの先にしかありません。
気楽にいきましょう。
このはじまりのページの言葉が表すように、その後、展開されるいくつもの気付きの言葉との出会いが、わたしたちに気づきの瞬間、時間を提供してくれます。
やさしさとは?
秋田さんは、人と人の関係性についてもやさしいまなざしを向けてくれます。
親しさとは、
沈黙が温かい関係のこと。
これは、本当にそのとおりだなぁと実感します。
沈黙の時間は、気遣いかもしれませんし、あるいは、互いが互いのこれまでのことを想っている時間かもしれません。でも確実にそこには2人があって、その時間を共有しているということが事実としてあります。
また、互いが一緒にいることで、一緒の時間が絶えず生成されています。
秋田さんは、プロダクトデザイナーですが、プロダクトのことではなく、むしろ人についてよりよく知り得ている必要があるということを物語ります。
人が使うということは、ものではなく、人のことをまず考えなくては、よりよいものをつくることはできないのですね。
決めつけてはいけません。
他人を。
何より自分を。
これは本書のタイトルにもなっている、とても印象的な言葉です。
人は、決めつけてしまうことをします。
なぜなら、その方が、脳が考えるエネルギーを余計に使わなくていいからです。
脳のオペレーションは、大きく2つのシステムによって支えられています。
システム1は、せっかちです。過去の経験やバイアスをフル活用して、状況やものごとを断定します。レッテルを貼るようなジャッジを絶えずして、脳の認知リソースを節約しています。
一方で、システム2は、じっくりです。このじっくりシステムは、脳の認知リソースを活用しながら、ものごとを深く考えます感情的ではなく、論理的に考えることができるようになるのです。
人は、基本システム1をどうしても運用しがちです。
なぜなら、いちいちじっくり考えていては、1日が足りなくなるからです。
でも、その弊害もあるということです。
人を決めつける、その先には、自分自身も決めつけてしまうということ。
自分には、できない。自分は、こういう人間だ。自分らしくない。そういうふうにレッテルを貼ってしまっては、可能性を閉ざしていくことになります。
私たちは、もっと自由で、もっとあいまいで、もっと不定形なものであるはず。
そう信じて、自分を大切に優しくしてあげてもいいのかもしれませんね。
「自己満足」といいますが、
「自己も満足」することは大事ですね。
自分を甘やかしてはいけませんが、
やさしくいたわってあげることは、
必要です。
なんのために、生きているのか、人生というのは、自分に何を期待しているのか?ということを考えてみる時、いまこの瞬間に、幸福を感じているか?それは持続的か?ということがとても実は重要なのではないかと思います。
つらい思いばかりしても、大変です。
せっかくの人生なのだから、楽しく、そして充足感を感じるような時間がたくさんあったほうが、それは良いです。
学びとはなにか?
よりよい時間のためには、感情的にならない!
感情的にならざるを得なくても、そういう自分を俯瞰して見つめてみる視点を忘れないことが重要です。
怒らない。
起こりたくなることからは距離をおきましょう。
「君子危うきには近寄らず」という言葉があるように、自分のネガティブな側面を引き出してしまうようなものごとや人には近づかないことが賢明です。
同じように情報についても言えることです。
「情報」ちうまく付き合うとは
「うらやましい話」を
ほどほどに受け流すことを言います。
自分を相対的にジャッジしていると、ろくなことがありません。
いいものを持ちたい、お金が欲しい、いい会社で働きたい、勝ちたい、負けたくない。
全部人と比べられることで自分を測ってしまって、結局そのことで、自分に焦りや不安を喚起しています。
でも、本当に大切なのは、そういうことではなく、時間の豊かさについて、どれだけ知ることができるか。いまここで生きているという奇跡、そして共に生きてくれている人の存在にどれだけ感謝しながら、生ききることができるかということではないでしょうか。
もちろん、ブランドにふれることとか、お金を大切にすることは大切です。
でもこれらは、道具であるはずなのです。どこまでいっても。
「学び」は、
いつも、どこにでも、あります。
なぜなら学ぶべきは
人の気持ちの機微だから。
これ、私が本書の中で、実は一番好きな言葉です。
人として生まれたからには、他者や、実は自分自身も含めて“人の心”について、考え、理解を深めて、その結果、豊かな時間を創り出す修行が人生なのではないか?と考えるからです。
また、引き続き次回も本書『決めつけてはいけません、他人を。何より自分を。–気楽さとやさしさの倫理学』のご紹介をしていきたいと思います。秋田さんの言葉から“学び”を続けましょう。
秋田道夫さんの著書は、自分に対する眼差しをアップデートしてくれます。ぜひこちらの1冊「【自分と人とを大切にするには!?】自分に語りかける時も敬語で:機嫌よく日々を送るための哲学|秋田道夫」やこちら「【それは、期待しないこと!?】機嫌のデザイン――まわりに左右されないシンプルな考え方|秋田道夫」もご覧くだい。


まとめ
- 出会いこそが重要?――他者(言葉を含む)との関係性の中でこそ、自分を認識することが可能です。
- やさしさとは?――それは、自分と他者を包むことです。
- 学びとはなにか?――人の“心”について知ることです。
