- どうしたら、自分の見失わずに生きることができるでしょうか!?
- 大切なのは、期待をしないことかも。
- なぜなら、期待をしなければ、機嫌よくいられるからです。
- 本書は、デザイナー秋田道夫さんによる言葉集です。
- 本書を通じて、日々の仕事や暮らし方を見つめるきっかけをもらえます。
機嫌を保つということは!?
秋田道夫さんは、69歳。プロダクトデザイナーです。誰もが街なかでみかけるLED式薄型信号機や、交通系ICカードのチャージ機、虎ノ門ヒルズのセキュリティゲートなど公共機関をデザインしています。それだけではなく、コーヒーメーカー、一本用ワインセラー、文房具、土鍋、ベビーソープ、カバンなど幅広く日常生活にまつわる製品のデザインにも携わられています。
2020年には世界で一番受賞が難しいとされているGerman Design AwardのGold(最優秀賞)を獲得しました。
そんな秋田道夫さんは、ツイッターを活用しながら、多くの言葉を発信されています。デザイナーとして、プロダクトでものごとを発信する傍ら、言葉を通じても、私たちに、仕事に関する考え方を伝え続けてくれています。
機嫌が本書を貫くキーワード。秋田道夫さんの思想を一貫します。
別に前向きではありません。ただ機嫌がいいだけです。
プロローグ
期待しないためには!?
機嫌をよく保つということは、つまり、「期待をしない」に相通じるのです。
機嫌をよく保つには、まわりに期待をしない。景色としての自分を美しく保つ。
自分以外の相手も含めた環境を、変えたり、作ったり、することは、なかなか難しいことですし、そもそも不可能なことなのかもしれません。相手主体ではなく、自分主体になって、自分の気持ちの置所を検討することから始めてみましょう。
たとえば、挨拶。秋田道夫さんによると、挨拶は相手との「間合い」を図る技術であるといいます。心地よい挨拶があった人とは交流が生まれる可能性がある・・。
イルカやコウモリは超音波を出して仲間との距離を測るといいますが、それと同じような感覚ですね。
機嫌をよく保つには、まわりに期待をしない。景色としての自分を美しく保つ。
ちょっと嫌だなとか、疲れるな・・と感じたらその場を離れてしまえばいいのです。いる場所は、自分で選べます。無理をして、その場にとどまったからと言って、自分の機嫌がますます損なわれていくだけです。
「気を使う」と「気が利く」の違いについても、秋田道夫さんは、興味深い考え方を示してくれています。
自分を消耗してしまうか、ちゃんと保てるかの違いです。
親切の極みは、その新設を相手に悟られないこと。
「気を使う」というのは、人からどう見られているかを気にして神経をすり減らすイメージ。一方、「気が利く」は、先回りをして相手を喜ばせるニュアンスです。「気を使う」では、相手の顔色をうかがいながら、自分の行動を決めているのに対して、「気が利く」はこちらから親切をしかけに行っている感覚ですね。
機嫌に続き、自分が主体性を持った、考えや、言動が、もしかしたらヒントなのかもしれません。
良い仕事が、よい仕事を連れてくる!?
「仕事が欲しいと言っては、仕事は来ない」。
成功することと才能があることはつながらない。能力を磨き、出会いを拡げる。
秋田道夫さんは、数多くのプロダクトを世に発信しているデザイナーです。ある時、新しい仕事をしてみたいと思い、ツイッターに「仕事をしたい」と投稿したことがあったそうですが、結局は、取材の依頼ばかりで、仕事は来なかった・・とのこと。
仕事は忙しい人を好んで集まってきます。たとえ暇ですぐにでも仕事が欲しかったとしても、「仕事をください」と表明しないほうが良いのかもしれません。
仕事を呼ぶのは、やはり仕事。自分が提供したものが実績として勝手に語ってくれて、新たな縁を導いてくれるのですね。
仕事を残せば、人からの評価ややっかみも生まれるものです。
陰で言われる悪口は
陰で言われる悪口は「褒め言葉」。気になる存在になり得た証拠。
「褒め言葉」。
気になる存在に
なり得た証拠。
人がどう感じるかは、絶対にコントロールなんてできません。ましてやどう感じるかに常に関わっていれば、当初の機嫌をよく保つということからどんどんと遠ざかっていくように感じます。
やっかみを知れば、どうでもいい存在なら、そんなこと言われないのだから、いいではないか。気になる存在になったのだ、と捉えればOKです。人の発言というのは、集団でいるのときのそれが、本心を100%表しているかと言うとそうではありません。
集団の中だとついつい口をついて、別の人格の自分が話し始めてしまうようなこと、ありませんか!?だから、集団の中で発せられた言葉に過剰に構う必要はないのです。そういう言葉こそ、自然と浄化されていくようにも感じることがあります。
秋田道夫さんの幼少期、両親も秋田道夫少年に過度の期待をしていなかったことも、よかったことだと振り返ります。
わたしが「こうしたい」といったことにまったく反対されたこともありません。思うんですが「信頼」されていたというか、子どもではなく一人の人間として認めて信頼してくれていたと思っています。
自分のカタチを決めない。ぼんやりしている様子を容認する。
そんな秋田道夫さんが、子どもと接する時にぜひ大切してほしいマインドについて次のように語ってくれます。
大事なことは子どもが「ぼんやりしている様子」を容認することではないかと思います。漠然とぼんやりとまわりを感じている感性を大切に見守ってほしいですね。わたしの願いです。
自分のカタチを決めない。ぼんやりしている様子を容認する。
まとめ
- 機嫌を保つということは!?――過度に期待しないことです。
- 期待しないためには!?――自分主体で考えや行動をしていきましょう。
- 良い仕事が、よい仕事を連れてくる!?――望むのではなく、なるのです。