これからの時代の“仕事のルール”とは!?『どこでも誰とでも働ける』尾原和啓

どこでも誰とでも働ける
  • どうしたら変化の時代を、いきいきと生きることができるでしょうか!?
  • 実は、人と場所に縛られない働き方をしてみることがいいかも。
  • なぜなら、そのほうが、波に乗るように変化をこなして生きていけるから。
  • 本書は、これからの時代を拓くための生き方を考える1冊です。
  • 本書を通じて、自分の労働観を振返り、アップデートすることができるでしょう。

変化の時代を、変化で乗りこなす!?

尾原和啓(おばら かずひろ)さんは、1970年生まれのIT批評家・著述家であり、デジタル・トランスフォーメーション(DX)や未来の働き方に関する専門家として知られています。​

尾原和啓さんは、京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座を修了し、人工知能(AI)を専門に学びました。​その後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、Google、リクルート、NTTドコモのiモード事業、楽天執行役員など、国内外の先進企業で事業立ち上げやDX推進に携わってきました。

これまでに14回の転職を経験し、プロジェクト単位で多様な企業や業界に関わる「プロジェクトワーカー」として活動しています。​近年はバリ島やシンガポールを拠点に、年間85回以上のフライトをこなしながら、リゾート地からリモートワークを実践するなど、場所にとらわれない働き方を体現しています。

そうした、人と場所に縛られない彼だからこそ、語れる新しい働き方の1冊がここにはあります。

コロナ禍が決定的になり、企業や社会は新しい働き方を導入せざるを得なくなりました。

リモートワークが代表例でしょう。

反対に、リモートワークを前提に、私たちも、仕事においてバリューを的確に提示していくことが求められていると行っても良いかもしれませんし、企業がキャリアを完全にケアしてくれるかと言うと、そこからも自由になったというのが実際のところでしょう。

ジョブ型とまではいかないものの、自らどのような仕事をしたいのか、どのようなビジョンを描くのか、もっというと個人のパーパスをいかに見出すかを起点に、仕事を捉え直すことが求められているように感じます。

こうした時代において、心構えとして、尾原和啓さんが、大切にしたいと語るのは、次の2点です。

1)どんな職場で働いたとしても、周囲から評価される人材になること。
2)世界中どこでも、好きな場所にいながら、気のあう人と巡り会って働けるということ。

こうしたマインドセットが歓迎される世の中になるのは、私たちが3つの大きな変化の只中にあることが原因です。

変化1)社会やビジネスがいっそうインターネット化している。既存の会社やバリューチェーンという繋がりだけではなく、それを超越して、フラットに繋がり、共有することができるようになりました。特に情報を取り扱うホワイトカラーにおいてこの変化は顕著です。

変化2)仕事で活躍できるのは、プロフェッショナルだけになるということ。上記のようなネット社会でシェアできるコンテンツを絶えず生成できている活動ができる人、つまりそういう人をインターネット時代のプロと言います。

常に準備をしながら、最適な場所やシチューエーションで、最適なパフォーマンスを発揮できる人が、プロフェッショナルとして、仕事上で活躍することができるようになっています。

変化3)会社と個人の関係が根底から変わろうとしています。終身雇用で、キャリアや学習なども含めて全部をバックアップする代わりに時間拘束が長い関係性から、進化して、フラットに繋がりながら、利益をシェアする関係性が主流になっています。

ずっと学び、ずっと働きながら、自分の趣味を全うする、しかも変化する時代の中で、つねに自分も変化し続けることが求められるようになります。

変化する世の中において、自分が絶えず変化していくことが重要になりそうです。

ギブをキーに!?

これからのシェア時代において、仕事を進めていくスタンスとして、重要なのが、いくつか特徴としてあります。

まず、重要なのがギブするということがインターネット時代の大前提になります。

とにかく、ギブし続けることが実は、最終的に全体を良くして、より良い環境を作っていくことになりそうです。

新しい環境や新しい関係性について悩むことがあるとしたら、もしかしたらそれは、自分が何かを持ち出すことができていないからかもしれません。

自分を成長させるギブの「わらしべ長者」は、直接的な見返り(金銭)を求めないことがうまくいくコツです。直接的な見返りがなくても、もっと大きな見返り(経験、スキル、人望、ブランド)を手に入れることができるのです。

ギブの重要性についてはこちらの1冊「【正しく、“ギバー(Giver)”になるには!?】GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代|アダム・グラント,楠木建」もぜひご覧ください。

自分が与え始めれば、きっと巡り巡っていいことが全体に波及していきます。

そうした論点では、「利他」も欠かせない視点でしょう。こちらの1冊「思いがけず利他|中島岳志」もぜひご覧ください。

自分がもつ知識は、可能な限りオープンにしてみるとよいでしょう。

インプットも重要ですが、実は、アウトプットも同じように大切です。

情報発信をすることによって、自分自身なんのためにインプットするのか?を明確にすることができるし、相手のためにもなるし、それに、情報発信をしていくことで、人が集まってくるようになります。

人が集まるところにおいては、さらなるプロジェクトが生まれたり、取り組みがスタートする可能性が担保されていきます。

知識や情報は隠すよりもオープンにしたほうが自分のためにもなり、他の人からも信頼されるから、圧倒的に得なのです。

インプットとアウトプット、そして人とともにプロジェクトを推進するということを進めていくことで、試行錯誤のPDCAを回すことができるようになるのです。

ラショネールとは!?

尾原和啓さんが強調するのは、「ラショネール」という概念です。これは、“rationale”と書きます。

グーグルで運用される概念で、「自分はなぜそれをするのか」というものです。プロジェクトにも、もしかしたら、もっともっと日常的な作業においても改めて検討してみる着眼点を得るものです。

さらには、人生というタームにおいても、「人生は自分に何を期待しているのか」を検討することもとても重要であるということを認識できるでしょう。

何か新しいことを始めるときに、「なぜそれをするのか」を合理的に説明できれば「やってよし」というのがグーグルの文化です。

パーパスと合理的な組み立てによるストーリーが満たされている必要があるということを知ります。

この論点について、自分や自分のプロジェクトを点検することで、反対に、誰からか相談されたことについて壁打ちをさせていただくときにも、そういう視点を重視しながら確認を通じたギブをすることができるようになります。

人生をある種のゲームとして捉えてみると、挑戦や最初の1歩を踏み出す調整をすることができるようになります。

例えば、クエストを続けていくときに、「議事録」を通じて目の前のプロジェクトに積極的に関わりを持っていくやり方ということもあるかもしれません。

尾原和啓さんは、3つの議事録の内容を大切にしていると言います。

1)現場視点からの議事録・・・目の前で進行している会議でのポイントをまとめていくもの。
2)ディレクター視点からの議事録・・・会議を裏側から仕切るディレクターになった気分で、キーマンの発言の裏側を繋いでいくという内容です。
3)プロデューサー視点からの議事録・・・その会議は何の目的がある会議なのか?という視点をもとに、ものごとを前に進めるための内容です。

なにかものごとを進めていくときには、どんなことでも、効果が効き出していくのに時間がかかります。ティッピング・ポイントとも言えるような、急に成果が現れだすタイミングが必ず来ることを信じながら、ただ、スジの良さを大切にしながら、プロジェクトを前に進めていくことが重要になるでしょう。

スジが良いこと、つまりラショネールがあることが前提にしながら、一生懸命な活動を続けていくことで、どこかで、成果が大きく見えるタイミングを期待しながら、やって、続けて、見直すことを実践していきましょう。

スジの良さについては、こちらの1冊「【効率化こそ、非効率!?】人生を守るための最後の時間術:「ノンビリしながら成果を出す人」はどうやって時間管理しているのか?|山口周」もぜひご覧ください。

まとめ

  • 変化の時代を、変化で乗りこなす!?――変化は、変化で自分を立ち上げていきましょう。
  • ギブをキーに!?――他者のためにあることをベースに自分のプロジェクトを進めましょう。
  • ラショネールとは!?――個人ベースのパーパスと合理的なストーリーであり、常に必要な論点です。
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