【自信とは行動である!?】幸せな自信の育て方|シャルル・ペパン,児島修

幸せな自信の育て方
  • どうしたら、自分を大切に生きることができるでしょうか。
  • 実は、自信が大切かも。
  • なぜなら、自信があれば、社会の中で、積極的に生きることができるからです。
  • 本書は、哲学者シャルル・ペパンさんによる自信を見出すための1冊です。
  • 本書を通じて、軽やかに生きる秘訣を得ることができます。

自信とは何か!?

本書は、フランスの哲学者シャルル・ペパンさんによる自信とはなにか、自信を持つためにはどんな工夫が日常生活の中で求められるかを説いた1冊です。なぜ、哲学者が自信を語るのか!?それは、自信をとらえ、自信を獲得していくためには、自分を俯瞰する視点が欠かせないからです。哲学とは、自分の認知や世界を俯瞰するアプローチもとります。

自信が欠如している状態では、いきいきと生きることができません。自分を認めてあげなくては、社会に積極的に飛び出していく勇気がえられないし、社会で活動する他の人とともに働くことも困難だからです。

自信とは、次の3つの原動力を持ちます。

1)自信とは、自分以外の誰かを信頼することです。
2)自信とは、自分の能力に自信を持つことです。
3)自信とは、人生全体の肯定感を持つことでもあります。

「他者への信頼」「自分の能力への自信」「人生全体の肯定感」これらを獲得することによって、よりよい人生を積み重ねていくことが可能です。自信があれば、これらの特徴は私たちの人生の中で、何度も、形をかえて登場し、あなたを助けてくれます。

はじまりはなにか――自信に先立つものを知りましょう。

子どものような新鮮な気持ちで、自らが何に自信を持っているかも知らずに、自分を信じて物事に取り組むこと――おそらくそれが、すべての始まりになる。

自信の3つの原動力「他者への信頼」「自分の能力への自信」「人生全体の肯定感」

子どものように、なんでも好奇心をもって飛び込んでいくことです。

自信とは、見知らぬものに向かって、それをさも知っているかのように歩いていく子どものような能力である

フランスの作家――クリスチャン・ボバン

私たちは、挑戦の中で自信を獲得していきます。もともと私たちにあるのは、好奇心かも知れません。それだけをもってさまざまな挑戦をしてみて、時に失敗や成功と捉えられるようなことを繰り返して、自信を積み重ねていきます。私たちは生まれながらにして弱い存在です。他の動物に比べて不完全な状況で生まれる私たちですが、周りとの関係性の中で、助けられながら、自信を獲得し、自立していきます。

この過程を大切にしてみましょう。子どもから大人になる過程で、人は人生で必要とするありとあらゆる認知能力、そして、非認知能力を獲得します。この頃の自分を思い出してみるのが自信を再燃させていくためには、よりよいかも知れません。当時は1日1日が成長の日々だったと思います。いまでも1日1日は成長の日々なのです。

幼児の時期にいかに、安心感をえられるかもその後の人生の自信に役立つと言われています。「内なる安心感」は子どもは大人との「早熟な交流」の中で見出します。これは、精神科医ボリス・シリュルニクさんが語るものです。

過去の投稿「【ストレス対処がキー!?】成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか|ポール・タフ」でも愛着が子どもの非認知能力を高めるというレビューがありました。幼児期に十分に親と接して、愛着を互いに感じられて、信頼関係を覚えることで、安心感をもって、挑戦できる大人になります。

「自尊心」が自分の価値に対する自己評価に基づいているのに対して、「自信」は私たちの行動する能力と結びついています。自信とは、不安があるにも関わらず、リスクを取って複雑な世界に飛び込もとうする能力であると言えそうです。

現実世界で冒険する勇気を得るためには、心の内側に自信がなければならない。

自信の3つの原動力「他者への信頼」「自分の能力への自信」「人生全体の肯定感」

自信はどう育まれるか!?

自信とは内発的に生まれてくるものでしょうか!?「あの人は自信を持っている!」というふうに、まるでその人自身から湧き上がるような気迫のようなものとして自信が語られることがありますが、実は半分あっていて、半分足りません。実は、自信というのは、関係性の中で育まれるものだからです。

自信とは「人間関係への信頼」

自信は、他者があなたに与えてくれる贈り物

自信は、自分ひとりで見いだせるものではありません。一人で見いだせるのは、自分の価値観に対する自己評価である「自尊心」であり、「自信」ではありません。

自信とは他者との関係性の中で育まれ、その結果、他者に対してオープンなマインドセットを養い、さらに自信を感じ続けられるスパイラルへと自らを導くきっかけをつくってくれます。

自信を感じるためには、他者の関わりの中で自分ができることを見出すことが近道です。だから、自分の能力を磨き続け、そして行動を続けることが大切です。天才と呼ばれる人たちでさえ、自信を得るためには時間がかかることを示唆しています。自信というのは天性的なものではなく、生まれてからその後の生活の中で、磨かれ、獲得していくものです。

トーマス・エジソンの名言にもあるように1%のひらめきと、99%の努力なのです。自信が持てなくなったときは、この言葉を思い出して、自らの能力を高めるような努力と工夫に向かってみることが理想です。

「コンフォートゾーン」から抜け出してみましょう。コンフォートゾーンとは、慣れ親しんだ領域のこと。物理的な領域はもちろん、概念的な領域も含みます。いつもの家、いつもの通勤路、いつもの仕事、そういう慣れた空間から1歩踏み出すことで、自分の能力が磨かれるきっかけをえられるし、あるいは1歩踏み出したということ自体が、小さな自信を感じるきっかけをくれます。

自分を取り囲む安心の空間(物理的、概念的の両方)があるからこそ、挑戦できます。そこに安住するのではなく、飛び出して新しい自分を知りましょう。

こちらの1冊「【飛び出す、可能性!?】出島組織というやり方 はみ出して、新しい価値を生む|倉成英俊,鳥巣智行,中村直史」もコンフォートゾーンから抜け出すヒントを提供してくれるかも知れません。いきなり飛び出すのではなく、段階をもって飛び出して「常に半身で生きていく」という選択肢だって世の中には合っていいのかも知れません。

自信を養うためには!?

できるだけ、「美」にふれてみることも、自分自身の感性を養い、自分の心に耳を傾ける力を思い出させてくれるでしょう。内省したり、俯瞰したりする行動がなければ、自信を積み重ねることは難しいのです。

美にふれることは特別な体験ではありません。あなたの身の回りに美は溢れています。田舎でも、都会でも、心を開いて周りを眺めてみましょう。

美しいものはどこにでもある。それは、私たちが自由でいることと深く関わっている。

美に触れることで、物事を相対化できる

美術館を訪れてみましょう。ガイドに頼るのではなく、自分の感性で鑑賞をしてみましょう。それが自信を高めるいい方法になります。美術の知識のありなしではありません。大胆に作品と向き合い、自然に湧き上がってくる感情や思考を感じてみましょう。

そのとき、自信がうまれてくるのがわかるはずだ。

美に触れることで、物事を相対化できる

美を気軽に受け入れることができれば、自分を縛り付けているものから解放されやすくなります。誰かが定めた基準にとらわれずに、自分の判断だけで、何かを「美しい」と認めるたびに、自信は深まっていきます。そして、美しさは、私たちに生命力や勇気も与えてくれるのです。

鑑賞について、先入観をなくすためにはこちらの1冊「【本当の意味で「見る」とは!?】目の見えない白鳥さんとアートを見にいく|川内有緒」がたいへんおすすめです。ぜひご覧ください。

著者が目の見えない白鳥さんという友人と美術家を訪れて、作品を「見る」1冊です。鑑賞とはなにか、美術とはなにか、全く考えもしなかった感覚をもって、「見る」ことをともに考えてくれるすてきな読後感を提供してくれます。

自信を養うために、行動を続けましょう。

賢者は結果ではなく、自らが取った決断に注目する。

セネカ(古代ローマの哲学者)

気持ちがゆらぎ、決断ができない時、私たちは情報や知識が不足していると考えがちです。でもたいていの場合不足しているのは、自信ではないでしょうか。選択と決断が異なることを知りましょう。

選択とは、不確実性を限りなくゼロに近づけたあとで、正しいと思われる答えを論理的かつ合理的に選ぶことです。決断とは、合理的な基準のない状況下で、自分の裁量で何かを選ぶことです。

選択は、行動する前に知ることであり、決断とは知る前に行動することです。

決断をするときは、選択するときよりも自由度が高いです。その代わり、自信が必要です。議論の余地のない基準に従う義務がない代わりに、この自由にひるまないだけの心構えが必要なのです。

自信を積み重ねていくためには、不確実性を受け入れられるようにマインドセットを変えていく必要があります。不確実性を避けようと頭を働かせてばかりいると、心をオープンにして「何が起きるかわからないこと」を受け入れるのが難しくなってしまいます。

自信と行動は表裏一体です。最初の1歩を踏み出して、自信をもつスパイラルへと自らを導きましょう。

まとめ

  • 自信とは何か!?――不安があるのにもかかわらず、世界に飛び込む能力のことです。
  • 自信はどう育まれるか!?――自信とは他者との関係から見出されます。
  • 自信を養うためには!?――美に触れ、行動の1歩を踏み出し続けてみましょう。
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