【AI時代に大切な学びとは!?】知性の核心は知覚にある|安宅和人

知性の核心は知覚にある
  • AI時代に求められる知性とは何でしょうか!?
  • 実は、知覚によって促される知識体系かも。
  • なぜなら、AIには五感がないので知覚をすることができないからです。
  • 本書は、そんな知覚と知性に関する論文です。
  • 本書を通じて、AI時代の人の可能性について触れられます。
安宅和人
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これから求められることとは!?

人の思考とは入力された情報を単に処理することに留まらず、そもそも人が何を「知覚」するかこそ、知性の核心である。

知性の核心は知覚にある

人の思考がますます求められる時代になります。AIが人の思考のパートナーとして活躍する時代に、相対的に、人が考えることの重要性は増します。

社会において普遍的に、次のような一連の思考が必要です。これはAI時代になっても変わりません。

イシュー1)課題の性質を見極めながら
イシュー2)大枠のイシューを見極め
イシュー3)課題を腑分けし
イシュー4)そこに対して答えを出すアプローチを見極め
イシュー5)さらに分析的に答えを出し
イシュー6)これを統合する


AIやビッグデータがあれば、これらの思考は代替されるかというと、そうではありません。不完全な情報の中で問いを立てるということ自体が、AIには困難だからです。仮にイシューが見極められたとしても、構造化や切り分けなどの問題のフレーミングは、難しいのです。

AIができることと、人ができることの可能性については、こちらの投稿「【人類 vs AIは、古典!?】温かいテクノロジー AIの見え方が変わる 人類のこれからが知れる 22世紀への知的冒険|林要」もぜひご覧ください。おすすめです。

人は「知覚」を通じて対象の意味を理解します。知覚というのは、過去の学習、情報処理過程、そこから得た知恵の集積そのものを表したものです。人は価値(意味)を理解していることしか、知覚できません。近くできる範囲は、その人の理解力が限度になります。

学ぶべきものごととは!?

知覚が広がれば、課題発見や課題解決の視点を見出しやすくなります。そのためには、

1)知的経験の深さ、
2)人的な経験の深さ、
3)思索の深さそのもの

がポイントになります。

こうした経験の幅を担保しながら、私たちは何を特に学べば良いでしょうか!?

その場で起きている問題を総合的に理解するには、「知的体系」が不可欠です。目の前の状況をこれまでの自分の経験に照らすからです。たとえAIやデータの力を使い倒せたとしても、自分の頭の中で、概念が統合的に理解できなければ、問題や課題の本質に迫ることができません。

ここを理解するには、もしかしたらシステム思考について、理解を深めていくことが足がかりになるかもしれません。こちらの投稿「【システム思考×対話がポイント!?】ダイアローグ 価値を生み出す組織に変わる対話の技術|熊平美香」をぜひご覧ください。

体系的な知識がなければ、どのような問いに価値があるのか、どのようなアウトプットに価値があるのかも判断できない。

AI時代に学ぶべきものとは

私たちに残されていく、最大の仕事は、「正しい問いを正しい相手に正しいタイミングで投げ込む」ことです。これは、AIにはできないし、あるいは、これをするためには、自分の中に一定以上の知識体系が備わっている必要があります。

加えて、過去の課題に対して人がどのように向き合い問いを立て、どのように答えを出してきたのか、というコンテキストも欠かせません。文脈なくして学べることの方が少ないと言っても過言ではないかもしれません。

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大切にするべきこととは!?

「知覚」を鍛え、自分の中に「知識体系」を形成していくために、2つのマインドセットを大切にしましょう。

1)hands-on, first-handを大切にするマインドセット
伝聞から知覚を高めるのは不可能です。

「百聞は一見にしかず」なのだ。

知覚を鍛える2つのマインドセット

人から聞いたことを鵜呑みにせず、自ら確認すること、明らかに間違っていること以外は自分で試してみて、手と足を動かして確認してみること、などが大切です。加えて、人の感想を気にしないことです。自分がどう考えるのか、どう感じるのかを大切することが、知覚を高めていく秘訣となります。

2)非言語領域を大切にするマインドセット
世界には、言葉や数値になっていない領域が大半であることを知りましょう。仮にされているとしても、それはものごとのすべてを表せているかというと、そんなことはありません。だから、まずは感じることを大切にして、あらゆることを幅広く受入れるマインドセットを育てていきましょう。

知覚によって、知識体系を増やしていくことによって、「アナロジー」で考えることが可能になります。類似性、関連性の有無を見出して、より深く理解するヒントを得ることができます。

知覚できる領域を増やすとは、言い換えるならば、体感的に理解できる領域、価値を感じられる(appreciateできる)領域を増やすことを意味している。

知覚を鍛える2つのマインドセット

まとめ

  • これから求められることとは!?――人の「思考」と「問い」がますます求められます。
  • 学ぶべきものごととは!?――知的経験を深め知的体系をより豊かにしましょう。
  • 大切にするべきこととは!?――自ら経験するため2つのマインドセットを大切にしましょう。
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