どうしたら、目の前に常にあるチャンスの芽を活かせるのか!?『縁』永松茂久

『縁』永松茂久の書影と手描きアイキャッチ
  • 同じような出会いがあっても、人生が大きく動く人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか?
  • 実は、その違いは「縁」に気づけるかどうか、そして気づいた縁を生かせるかどうかにあるんです。
  • なぜなら、私たちの周りには日々無数の出会いがあるのに、多くの人はそれを「ただの偶然」として見過ごしてしまうから。
  • 本書は、たこ焼き行商から始めて口コミだけで県外から年間1万人を集める店をつくり、現在は講演累計80万人、著書累計470万部という実績を持つ永松茂久さんが、人生を動かす「縁」の本質と、その活かし方を体系的に語った一冊です。
  • 本書を通じて、縁とは「社会資本」であり、それを受けとる準備と習慣を持つことで、私たちは変わり続ける可能性を手にできることに気づかされます。
永松茂久
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永松茂久さんは、大分県中津市生まれの実業家であり、「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして知られています。

2001年、わずか3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング「陽なた家」は、広告を一切出さず口コミだけで県外から毎年1万人を集める大繁盛店となりました。

この経験をもとに体系化した「一流の人材を集めるのではなく、いまいる人間を一流にする」というユニークな人材育成法は多くの支持を得ており、全国での講演累計動員数は80万人にのぼります。

2016年より拠点を東京に移し、執筆活動だけでなく、次世代の著者育成、出版コンサルティング、経営コンサルティングなど、数々の事業を展開しています。

2022年には『人は話し方が9割』がビジネス書ランキングで史上初の3年連続日本一を達成し、日本のすべての書籍ランキングで令和No.1のベストセラーとなりました。

著書累計発行部数は470万部を突破し、また著者プロデュース業でも100名を超える著者を輩出するなど、多方面で活躍されています。

縁を「受けとる器」をつくる――日常の中で気づく習慣

多くの人は「いい縁に恵まれたい」と願うものの、実際には目の前にある縁に気づけていないんです。

永松さんは本書の冒頭で、こう指摘しています。

人生を動かす出会いというのは、劇的であったり、強烈な印象だったり、というものばかりではありません。むしろなにげない日常の中で静かに始まっていることがほとんどです。

私たちはつい「運命的な出会い」を期待してしまいますが、実際に人生を変える縁の多くは、日常の何気ない会話や、ふとした瞬間に生まれているんです。

問題は、その小さな縁に気づけるかどうか。

そして気づいた縁を、実際に生かせるかどうかなんです。

永松さんは武士の名門・柳生家に伝わる家訓を引用して、この違いを鮮やかに描き出しています。

小才は縁に出会って縁に気づかず。 中才は縁に気づいて縁を生かさず。 大才は袖すり合った縁をも生かす。

「小才」は縁に出会っても、それが縁だと気づかない。目の前で誰かが差し出してくれているチャンスを、ただの日常として見過ごしてしまうんです。

「中才」は縁に気づくものの、それを生かすための行動を起こさない。「いつか」「そのうち」と先延ばしにして、結局何もしないまま縁を逃してしまいます。

一方「大才」は、袖がすり合っただけの些細な接点さえも縁として生かす。つまり、どんな小さな出会いも見逃さず、そこから何かを得ようとする姿勢を持っているんです。

では、どうすれば縁を生かせる「大才」になれるのか。

永松さんは、それは特別な才能ではなく、日々の習慣の問題だと言います。

人の話をスルーせずに、最後まできちんと聞いてみること。 そうすればなにげない一言の中に、いまの自分に必要なヒントが見つかることもあるでしょう。 ふと浮かんだ人に連絡をしてみること。 こういったアクションも素敵なチャンスになるかもしれません。 なぜか気になる。ふと耳に入った。ふと思い出す。 大切なのは、こうした自分の中での直感に耳を傾ける姿勢であり、目の前にある小さなことに対して「もしかしたら」と受けとめるアンテナを立てることなのです。

縁を生かすというのは、決して特別な行動ではありません。

人の話を最後まで聞く、ふと思い浮かんだ人に連絡してみる、なぜか気になることに素直に従ってみる――こうした小さな行動の積み重ねなんです。

私たちは日々、無意識のうちに多くの情報をスルーしています。

「忙しいから」「今は関係ないから」と、目の前の人の話を聞き流し、ふと浮かんだアイデアを忘れ、直感的に「何かある」と感じた相手との接点を深めようとしません。

でも、縁というのは往々にして、そうした「なんとなく」の中に潜んでいるんです。

永松さんは「縁に恵まれない人などいません。縁に気づける人と気づけない人がいるだけ」と断言しています。

この言葉は、縁というものの本質を突いています。

私たちは「運がいい人」「縁に恵まれている人」を特別視しがちですが、実際には彼らは日常の中で縁を見つける習慣を持っているだけなんです。

そして永松さんは、もうひとつ重要な指摘をしています。

それは「縁とは人であり、自分とは器である」という視点です。

まずはその縁を受けとるに相応しい器を持った自分になること。

どれだけ素晴らしい出会いがあっても、それを受けとめる準備ができていなければ、縁は生かされません。

具体的には、目の前の人を大切にすること、感謝を形にすること、人を喜ばせることを習慣にすること。

こうした日々の積み重ねが、縁を受けとる器を大きくしていくんです。

縁を生かす人は、実は「とりあえず言ってみる人」だと永松さんは語ります。

縁は「とりあえず言ってみる人」のもとにやってきます。 縁は自ら動いた人のもとに訪れるものです。

完璧な準備が整うまで待つのではなく、不完全でも一歩踏み出してみる。

その勇気が、新しい縁を引き寄せるんです。

成長のために縁を変える勇気――コンフォートゾーンの外へ

縁を生かす習慣を身につけても、それだけでは不十分です。

なぜなら、いつも同じ人たちとばかりいると、人生は停滞してしまうからなんです。

永松さんは「人生を停滞させる3つの理由」を挙げています。

1つめの理由は、同じ意識レベルの人たちばかりとつながっていると、新しい挑戦や刺激が少なくなること。

居心地のいい環境にいると、私たちは自然と現状維持を選んでしまいます。

同じような考え方の人たちと話していると安心できますが、その代償として、新しい視点や発想に触れる機会が減ってしまうんです。

2つめの理由は、いつも同じ場所に浸りすぎてしまうと、挑戦する人を「自分たちの環境をおびやかす存在」として見がちになること。

これは組織でもよく見られる現象です。

何か新しいことを始めようとする人が現れると、「余計なことをするな」「波風を立てるな」という空気が生まれてしまう。

成長よりも安定を優先する集団では、チャレンジする人が疎まれてしまうんです。

3つめの理由は、いつも同じ人ばかりといると、気づかぬうちに価値観が固定化してしまうこと。

私たちは無意識のうちに、周囲の人たちの価値観に染まっていきます。

「これが普通だ」「これが常識だ」という感覚が固まってしまうと、それ以外の可能性に目を向けられなくなってしまうんです。

永松さんは、この状況を打破するために「成長を選ぶとき、縁は変わる」と述べています。

変化はいつも自分のコンフォートゾーン、つまり自分にとって居心地のいい世界の外からやってきます。 成長の道を選ぶのであれば、そういった人たちがいる世界に意識的に飛び込む勇気を持つことが大切になります。

これは決して「今の仲間を捨てろ」という意味ではありません。

むしろ、今の関係を大切にしながらも、自分を成長させてくれる新しい縁にも開かれているべきだということです。

興味深いのは、永松さんが「縁は広げるものではなく、深めるもの」とも述べている点です。

一見矛盾するようですが、これは縁の本質を表しています。

名刺交換を増やしたり、SNSのフォロワーを増やしたりすることが縁を広げることではありません。

本当の縁とは、お互いの準備が整ったときにつながり、そして時間をかけて深めていくものなんです。

だからこそ、新しい環境に飛び込むときも、そこで出会った人たちと表面的な関係を増やすのではなく、本当に心が通う関係を築いていくことが重要になります。

永松さんは「仲間」についてこう語っています。

仲間とは、結果や立場でつながる関係ではありません。価値観や方向性、信頼や想いで結ばれる関係です。 たとえどれだけ忙しくても、どれだけ距離が離れていても、心のどこかで、「一緒に歩いている」「あの人もがんばっているはずだ」、そう思える仲間がいるだけで、人は不思議ともう一歩前へと進むことができるようになります。

こうした深い縁は、一朝一夕には築けません。

時間をかけて、お互いの価値観を理解し、信頼を積み重ねていく必要があります。

でも、だからこそ、そうした仲間の存在は私たちに大きな力を与えてくれるんです。

ここで重要なのは、縁を変えるということは、単に新しい人と出会うことではないということです。

自分自身が成長し、変化することで、自然と引き寄せられる縁も変わってくる。

永松さんは「縁はお互いの準備が整ったときにつながる」と述べていますが、これはまさにその通りなんです。

私たちが何かを学び、新しい挑戦を始め、自分の器を大きくしていくと、それに見合った縁が自然と引き寄せられてきます。

逆に言えば、自分が変わらなければ、出会う人も変わらない。

成長するためには、まず自分が一歩踏み出す必要があるんです。

また、永松さんは「縁をつくってくれた人のおかげで、いまの縁がある」という視点も提示しています。

私たちが今持っている縁の多くは、誰かが紹介してくれたり、場をつくってくれたりしたおかげで生まれたものです。

その「つなぎ目」となってくれた人への感謝を忘れず、自分もまた誰かのために縁をつなぐ存在になる。

そうした循環が、豊かな人間関係を育んでいくんです。

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縁が花開く生き方の軸――「人を大切にする」を軸にする

では、どうすれば継続的に良い縁に恵まれるのか。

永松さんは「いい縁に恵まれる人の共通点」として、いくつかの習慣を挙げています。

まず、感謝を形にする人に、縁は集まります。

よくよく見渡してみると、私たちは誰かがつくってくれたものに囲まれて生きています。私たちの日常は、直接は会ったことのない「おかげさま」との縁によってできているのです。

この視点は重要です。

私たちは普段、目の前にあるものを「当たり前」として受けとめがちです。

でも、実際には誰かが時間をかけて作ってくれたもの、誰かが考えて用意してくれたもので溢れています。

そうした「見えない縁」に気づき、感謝を形にする習慣を持つ人には、自然と人が集まってくるんです。

次に、喜び上手な人に、縁は集まります。

誰かが何かしてくれたとき、素直に喜べる人。

小さなことにも「ありがとう」「嬉しい」と表現できる人。

そういう人と一緒にいると、周りの人も「また何かしてあげたい」と思うようになります。

喜びを表現するということは、相手の行動を肯定し、価値を認めることです。

それが相手の自己肯定感を高め、関係性を深めていくんです。

そして、楽しい未来を語る人に、縁は集まります。

純度の高い「誰かのために」が人を動かす

永松さんは、自分のためだけではなく、誰かのために何かをしようとする姿勢の重要性を説いています。

楽しい未来を語る人というのは、自分だけが良ければいいと考えているのではなく、周りの人も一緒に幸せになれる未来を描いている人です。

そうした「純度の高い想い」は、人の心を動かします。

打算ではなく、本当に相手のことを思って行動する。

その姿勢が、深い信頼関係を生み出していくんです。

また、目の前の人を大切にする人に、縁は集まります。

これは当たり前のように聞こえますが、実際にはなかなか難しいことです。

私たちはつい、「もっと有名な人」「もっと影響力のある人」に目を向けてしまいがちです。

でも、本当に大切なのは、今目の前にいる人を大切にすること。

地位や肩書きに関係なく、一人ひとりと誠実に向き合う姿勢が、長期的には最も強い縁を生み出すんです。

永松さんは「人を大切にすることを生き方の軸にしている」人について、こう述べています。

そういう人たちは、まるで「縁の磁石」のようにどんどん素敵な人を引き寄せていき、その輪はやがて、気がつけば多くの人たちの未来を動かす原動力になっていくのです。

これは、縁というものの本質を表しています。

縁は一方的に「もらう」ものではなく、自分が人を大切にすることで「引き寄せる」ものなんです。

そして、そうして築かれた縁の輪は、自分一人の人生だけでなく、周りの人たちの人生にも良い影響を与えていきます。

永松さん自身の経験も、このことを裏付けています。

わずか3坪のたこ焼き行商から始めて、広告を一切出さずに口コミだけで県外から年間1万人を集める店をつくることができたのは、まさに「人を大切にする」という軸を持ち続けたからでしょう。

一人ひとりのお客さんを大切にし、喜んでもらうことを第一に考える。

その姿勢が口コミを生み、新しい縁を呼び、さらにその縁が次の縁を生んでいく。

そうした好循環が、人生を大きく動かしていったんです。

最後に、永松さんは「場」の重要性についても語っています。

本当の縁は、そこに集う人以上に、そうした場所をつくる人のもとに自然と集まってくるものなのだ、と感じています。

この視点は、縁の活用法として最も高度なものでかつ、とても本質的だと思います。

人はお金やものをプレゼントされても喜びますが、最終的に一番幸せなのは、自分の人生を豊かにしてくれる人との出会いをもらえることなのではないでしょうか。 人と人との新しい関係が生まれるきっかけは、「場」にあります。その関係を生み出すのは、他の誰でもなく、その場所をつくった人ということになります。その人がいなければ、そもそも出会いは生まれていなかったでしょう。

自分が良い縁に恵まれるだけでなく、他の人同士の縁を生み出す「場」をつくる。

それは、自分の器がさらに大きくなった証であり、また多くの人の人生に貢献する生き方でもあります。

永松さん自身も、講演やセミナー、出版支援などを通じて、多くの人の出会いの場をつくり続けています。

そうした活動が、さらに多くの縁を生み、多くの人の人生を動かしているんです。

縁というのは、受け取るだけでなく、循環させていくもの。

自分が受けた恩を次の人に渡し、自分も誰かのために場をつくり、縁をつなぐ。

そうした循環の中で、私たちの人生は豊かになっていくんです。

松永茂久さんの著書についてはこちら「【目の前の人のために、自分を活かせているか?】君は誰と生きるか|永松茂久」もぜひご覧ください!!

まとめ

  • 縁を「受けとる器」をつくる――日常の中で気づく習慣――縁に恵まれない人はいない。縁に気づける人と気づけない人がいるだけです。柳生家の家訓が示すように、大才は袖すり合った縁をも生かします。人の話を最後まで聞く、ふと思い浮かんだ人に連絡してみる、直感に従ってみる――こうした小さな習慣が、縁を受けとる器を大きくしていきます。
  • 成長のために縁を変える勇気――コンフォートゾーンの外へ――同じ人ばかりといると、人生は停滞します。新しい挑戦や刺激が少なくなり、価値観が固定化してしまうからです。成長を選ぶなら、コンフォートゾーンの外に飛び込む勇気が必要です。ただし、縁は広げるものではなく深めるもの。価値観や方向性、信頼で結ばれた仲間との深い関係こそが、私たちを前に進ませてくれます。
  • 縁が花開く生き方の軸――「人を大切にする」を軸にする――感謝を形にする、喜び上手になる、楽しい未来を語る、目の前の人を大切にする――こうした習慣を持つ人に、縁は集まります。特に「人を大切にすること」を生き方の軸にする人は、縁の磁石のように素敵な人を引き寄せ、その輪は多くの人の未来を動かす原動力になります。さらに、人と人をつなぐ「場」をつくることで、縁は循環し、さらに豊かになっていきます。
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