【目の前の人のために、自分を活かせているか?】君は誰と生きるか|永松茂久

君は誰と生きるか
  • よりよい人生のために大切にしたいことは、何でしょうか!?
  • 実は、目の前の人といかに関係性を築くかということかもしれません。
  • なぜなら、身近な人との縁を大切にすることから豊かさはあふれるからです。
  • 本書は、人との繋がり方を量ではなく、質で考える1冊です。
  • 本書を通じて、自分がどのように周囲を見ているのか、視点を得ることができるでしょう。
永松茂久
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人脈は限りなく狭く!?

本書は、ベストセラー『人は話し方が9割』などの執筆で有名な、永松茂久さんによる生き方に関する1冊です。永松茂久さんは、次世代の著者育成、出版コンサルティング、経営コンサルティング、出版支援オフィス、講演、セミナーなど、数々の事業を展開する実業家です。わずか3坪のたこ焼きの行商からはじめ、2003年に開店したダイニング陽なた家は、口コミだけで県外から毎年1万人を集める大繁盛店にした後、自身の経験をもとに、「一流の人材を集めるのではなく、いまいる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施しています。

本書は、永松茂久さんが、ダイニング陽なた家をオープンしたころに出会った師匠との掛け合いを元にした1冊です。そのころ永松茂久さんは、とにかく人脈を数多く築こうと奮闘していました。どんな場所にも出向き、色んな人にあっていました。とにかく、ビジネスに繋がる人脈づくりにひたすらいそしんでいた時に、人脈の本質、人と人の関係性の本質について気づきを得ます。

世間一般に流れている人脈神話からあなたを解き放つこと。

当時、師匠との出会いによって、永松茂久さんも、「より多く、より広く人脈を持っておいたほうがいいのではないか」という一般的な解釈から解放されたように、本書を通じて、人脈に対する見立てを変えることができるでしょう。

人脈は、狭ければ狭いほどいい。

上記の論点で、本書のテーマは貫かれます。

人脈は狭く、そして、そのかわり、つながっている人の深さは、できる限り深いほうが良いというものです。

自利ではなく、利他で?

人とのつながりを考えるときに、自分のメリットや利点を考えているようでは、それは本物のつながりになりにくいものです。誰もがそんな自分勝手な発想をしていれば、縁というのは切れ切れになってしまいます。

大切なことは、相手に対して自分は何ができるのか?という問いかけです。

相手を想い、目の前の相手のためになることを続けていくと、次第に縁というのは素直に広がっていくものだといいます。特に大切なのは、いきなり外側に目を向けて、無理やり繋がりを広げていくのではないということです。大切なのは、目の前の人たち、つまり家庭や職場、サークル、なんでもいいですが、すでに所属しているチームや組織の人たちに対して、何ができるのかをまず考えてみることが大切ということです。

「大切な人が何より満足して、自分を温かく外に送り出してくれる状態かどうか、ってことが必須条件なんだよ。そうじゃなくて、もし今、無理をして出歩いているとしたら、君にはまだやるべきことが他にあるってことなんじゃないかな?」

すでにつながっている関係性が充実してくると、その人たちが、自然にあなたを外の世界に送り込んでくれるようになります。その時のために、今、最善を尽くせているのかを点検することから始めてみましょう。

大切なことは、足元にあります。

実はね、君はもうすでに手の中に最高の人脈を持っているんだよ。でもそれに気づかないまま、外に行っているんだ。

目の前の人たちとの縁を大切にしてみましょう。そのために、当たり前のように感じてしまっているかもしれない、目の前の人との関係をもう一度見つめてみましょう。もっとできることはないか、もっと考えることはできないか。

目の前の人とは、生身の人間だけではありません。実は、書籍についても縁であるといいます。

本はいいよ。本との出会いが、人との出会い以上に人生に大きな喜びを連れてきてくれることだって往々にしてあり得ることだ。どれだけメディアが進化したって、本は世界最高峰のツールだと、私はそう思っている。

本は、自分が能動的に情報を取りに行くことで、一定の負荷がかかります。著者が何を述べようとしているのかを積極的な関わりの中で、読み取ろうとする時、自分の思考も刺激されます。同意できることもあれば、あるいは、反論したくなるようなこともあるかもしれません。大切なのは、そうした対話の効果によって、自分の感性や感覚が刺激されて、ものごとを見つめる視野視点を養えるということです。

私たちが重きを置きたいのは、いざ人との出会いの際に、いかに対等に向き合うことのできる姿勢を作り出して置けるか、ということです。これは、肩書や名声ということではなく、「日頃、何をしているのか」という行動の連続でしか、得ることはできないものです。

自分のやっていることに誇りを持てるかどうか、自分の感性に嘘をつかないで、突き詰めて行けているかを見直してみるといいかもしれません。そうした時、身近な人との関係性が支えになってくれます。彼らのために、私は何ができてういるのか?そこに結果的に自信を持つことができるでしょうか。

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自然体を大切に?

「規模」や「地位」に過剰に惑わされることはありません。

人は、有名人だろうと、多くの名声を持っている人だろうと、人は人です。誰も同じようなことで悩み、苦労して、それでも人生というものごとになにかの意味を見出そうと、生きている人たちです。みな同じという視点にたてば、上下ではなくフラットな関係性を作り出していくヒントになります。

世の中を俯瞰して見ていると、多くの人がその先入観に左右されていることがわかる。

自分がどんな先入観やバイアスを日ごろ頼りにしているかについても、意識してみることが大切でしょう。肩書や属性などを判断基準にしているのでは?

でも、大切なことは、人と人の本質同士のつながりです。結果的に社会が付与したフィルターを超えて、相対できる気持ちとそのための自分を丸裸にしても、恥ずかしくないような日々の取り組みが欠かせないのかもしれません。

人って不思議な生き物でね、油断すると楽をしたくなる反面、がんばっている人を見ると、なぜか感動して応援したくなるんだよ。

結論がどうであれ、自分でできることを、そして目の前の人のためになることについて、一生懸命に考えてみること、行動してみることを続けるということです。すると、なにか良いことがあるかもしれません。

逆に自分のできることを全力でやっている人を見落とすほど、世の中は厳しくもないんだよ。

本物は、本物を見抜く力があります。なぜなら、本物の人は自らが、それまでさまざまな努力と経験を蓄積しているからです。自らと同じようなものごとの視点を持つか、それに対して素直な行動ができるだけの心構えを持ち、実際に行動を続けてきているか、それらを敏感に感じ取って、付き合い方を変えています。

成功のビジョンに向けて目の前のことに全力を尽くす。努力している人にはそれなりのオーラや目の輝きを放ち、成功者はそれを見逃さない。

人は不思議なもので、「人の助けなんかいらない!」って思って自力を出している人ほど、応援したくなるものなんです。「ひとりでもやってのける」という、その覚悟に人が集まってくるものなのです。

つまり、ここで最初の論点に再度戻っていくのですが、一番大きな問題というのは、いい出会いがないことではなく、自分にとって大切な人が誰なのかを知り得ているかということになります。

大切な人が見えていれば、その人のために、懸命な活動を積み上げて、継続することができるはずです。しかも、息を吸うかのごとく、自然に。そうして自然に活動ができるようなスパイラルに入ることができれば、自然と、人脈だって広がるでしょうし、結果的に、色んな人たちといろんな活動を積み重ねていくことだってできるでしょう。

近くの人が喜べば、遠くから人が来る

「近悦遠来」という言葉を胸に、目の前の人との活動に重きをおいて、1日1日を丁寧に生き抜いていきましょう。本当の進化は、外からもたらされるのではなく、限りなく、内側にある潜在的な力によって引き出されていくものなのかもしれないのです。

誰とするかという視点がとても重要であるという論点についてはこちらの1冊「【学校で教えてくれないWHOの話とは!?】WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」|ダン・サリヴァン,ベンジャミン・ハーディ,森由美子」もぜひご覧ください。とてもおすすめです。

まとめ

  • 人脈は限りなく狭く!?――その代わり、深くです。
  • 自利ではなく、利他で?――身近な人のために、考え、行動をしてみることです。
  • 自然体を大切に?――自然体のまま付き合える人のために行動を尽くしましょう。
永松茂久
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