人生を経営するという発想 ~自分モードと他者モード、その使い分けの可能性~

人生を経営するという発想 ~自分モードと他者モード、その使い分けの可能性~の手描きアイキャッチ

増田みはらし書店・店主の増田浩一です。

突然ですが、あなたは今まで何問ぐらいのテストを解いてきたでしょうか?

小学校から大学まで、おそらく数千、数万の問題に答えてきたはずです。

そして社会に出てからも「顧客の要望にどう応えるか」「上司の指示をどう実行するか」といった、誰かが用意した問いを解くことの連続なんです。

もちろん、これらの能力は大切です。

でも気づいてみると、私たちは「与えられた問いに答える」ことにばかり慣れてしまって、肝心の「自分の問い」を立てる経験がほとんどないまま大人になってしまっているんですよね。

本当に必要な問いは、誰も与えてくれない

会社でも「問いが大切だ」「本質を考えよう」とよく言われます。
でもよく見てみると、それって結局はプロジェクトの成功や顧客満足のための問いなんです。

「どうすれば売上が上がるか?」 「どうすればお客様に喜んでもらえるか?」

これらは確かに重要な問いです。

でも、もっと根源的な問い──「自分はどう生きたいのか?」「何を信じて進んでいくのか?」──は、誰も用意してくれません。

この問いを立てられないと、人生のストーリーがいつの間にか「外注」されてしまうんです。気がつくと、誰かの期待に応えることばかりに忙しくて、自分が何者なのかよくわからなくなってしまう。

2つのモードで世界は変わる

ここで、私が最近考えている「2つのモード」についてお話しさせてください。

他者モード:外からの要請に応える生き方。安心や安定をもたらしてくれるけれど、自分が空洞化しやすい。
自分モード:自分の価値観に根ざした問いを立てる生き方。不安定で難しいけれど、人生に物語を与えてくれる。

実は、どちらか一方だけでは危ういんです。

他者モードばかりだと「誰かのために働いているけれど、自分がいない」状態になる。逆に自分モードに固執すると「独善的で、社会と断絶した孤立」に陥ってしまう。

だから本当に必要なのは、この2つを自在に行き来する「ハイブリッドモード」なんです。信じる根源がどちらにあるかで、考え方が変わり、行動が変わり、言葉が変わり、やがて成果も変わっていく。

でも現実には、この往復運動がなかなかできません。
なぜなら、教育も仕事の仕組みも、基本的に他者モードを前提に作られているからです。

「株式会社自分」という見立て

そこで提案したいのが、「株式会社自分」という見立てです。

「自分を会社に見立てるって、なんだかビジネス的すぎない?」と思われるかもしれませんね。でも株式会社って、よく考えてみると「内と外を往復させる制度」なんです。

内部の意思を「定款」として定めて、外部から資本を受け入れて、取引や投資を繰り返しながら成長していく。これを自分自身に当てはめてみると、驚くほど整理がつくんです。

  • ミッション・ビジョン・バリュー = 自分モードの根源的な問い(自分は何を信じ、なぜ存在するのか)
  • 資本政策 = 時間・知識・人間関係という資源をどこに投じるか
  • 株主総会 = 家族や仲間、社会からのフィードバックをどう受け止めるか

こう考えると、人生の資源配分や意思決定が見えてきませんか?「株式会社自分」という見立てを通じて、他者モードと自分モードの往復が自然に整理されるんです。

見立ての力で現実が変わる

子どもが棒切れを剣に見立てて遊ぶように、見立ては単なる比喩ではありません。

現実を変える想像力の装置だと思うんです。

普段は「今日も会社に行って、言われたことをやって、疲れて帰ってくる」という毎日でも、「株式会社自分の資本政策を実行している」と見立てると、全く違う景色が見えてきます。

通勤時間に本を読むのは「研究開発費」かもしれない。
同僚との雑談は「外部ネットワークへの投資」かもしれない。
家族との時間は「株主総会での重要な対話」かもしれない。

こんなふうに見立てることで、日々の選択に主体性が戻ってくるんです。

あなたの定款は、誰が書いていますか?

成果は、モードを切り替える力から生まれます。

会社では他者モードで最大限のパフォーマンスを発揮する。

でも家に帰ったら自分モードに切り替えて、「株式会社自分」のミッション・ビジョン・バリューを見直してみる。そんな往復運動ができるようになると、人生のハンドルを自分で握っている実感が湧いてきます。

その起点にあるのは「株式会社自分」のミッション・ビジョン・バリュー──つまり、自分自身が書き下ろす人生の問いです。

「あなたの株式会社自分のミッション・ビジョン・バリューは、誰が書いているのでしょうか?」

この問いを、今週の宿題にしてみませんか?難しく考える必要はありません。

まずは「自分が大切にしたいことって、なんだろう?」から始めてみてください。

それでは、また来週お会いしましょう。

2つの一見相反するモードを統合するかのうせいについては、こちらの投稿「【両立には「パーパス」が不可欠!?】両立思考|ウェンディ・スミス,マリアンヌ・ルイス」もぜひご覧ください。

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