信頼こそが資本!?『信頼経営 仕事人として、人として何よりも大切なこと』鎌倉達郎

『信頼経営 仕事人として、人として何よりも大切なこと』鎌倉達郎の書影と手描きアイキャッチ
  • 部下や同僚から本当に信頼されていると胸を張って言えるでしょうか?
  • 実は、多くのビジネスパーソンが技術力や専門知識の向上には熱心でも、最も重要な「信頼関係の構築」については体系的に学ぶ機会がないまま仕事を続けています。
  • なぜなら、信頼というものは目に見えない抽象的な概念であり、具体的にどう築いていけばいいのか、実践的な方法論が明確でないからです。
  • 本書は、生命に関わる医療現場で長年組織運営に携わってきた鎌倉達郎さんが、実体験を通じて見つけ出した「信頼経営」の実践法を余すことなく語った貴重な一冊です。
  • 本書を通じて、表面的な人間関係を超えた、本当に強固で持続可能な信頼関係を築くための具体的なアプローチを学ぶことができるでしょう。
鎌倉達郎
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鎌倉達郎さんは、医療法人の理事長として長年にわたって医療現場の最前線で活動されている経営者です。医師という専門職でありながら、組織運営においても独自の哲学を持たれており、特に「信頼」を軸とした経営スタイルを確立されています。

本書では、生命に関わる医療現場で培われた、人と人との深い信頼関係の構築方法が語られています。

技術や設備の進歩が目覚ましい現代においても、最終的に組織や事業を支えるのは人と人との信頼関係であるという信念のもと、実体験に基づいた貴重な洞察を共有してくださっています。

医療という特殊な分野の話でありながら、どの業界のビジネスパーソンにも応用できる普遍的な原理が込められた一冊となっています。

医療現場が教えてくれる、本物の信頼経営とは何か

医療現場ほど信頼が重要な職場はないかもしれません。

患者さんの生命を預かる現場では、技術や知識だけでは不十分で、何よりも「信頼」という見えない力がすべての基盤になるんです。

「医師という職業において、患者様との信頼関係は欠かせないものです。」

鎌倉さんがこの本で語られているのは、まさにこの点です。私たちは往々にして、スキルアップや最新の技術習得に目が向きがちですが、実は組織運営で最も大切なのは人と人との信頼関係なんですね。

医療法人という組織を率いる鎌倉さんの経験から学べるのは、信頼というものが一朝一夕には築けないということです。

そして何より、信頼は自分一人だけのものではなく、チーム全体、組織全体で築き上げていくものだという視点が印象的でした。

「自分への信頼は自分だけのものではない」

この言葉は、私たち一人ひとりが背負っている責任の重さを改めて感じさせてくれます。特に管理職や経営者の立場にいる方には、深く響く言葉ではないでしょうか。

現代のビジネス環境では、AIやデジタル技術の進歩によって多くの業務が効率化されていますが、それでも最終的には人と人との関係性が事業の成否を分けるんです。

鎌倉さんの「信頼経営」というコンセプトは、まさに時代を超えて重要な経営哲学だと感じています。

チームの力を最大化するコミュニケーション術

鎌倉さんが本書で語られているコミュニケーションの考え方で、特に印象的だったのがチームスポーツの例えでした。

「体育会系というと、上下関係がすごく厳しいというイメージがあります。しかし、大学生だったときに経験したバスケットボールでは、そこで強いチームにした人がここで強いチームにしたのが、全国制覇を目指している わけでもなければ、プロを目指している選手がいるわけでもありません。さっちり練習をして、力が、チームワークが身についた時が楽しいということを感じた時がありました。」

個人のスキルがいくら高くても、チーム全体の連携が取れていなければ本当の力は発揮できません。これは医療現場でも、一般的なビジネス現場でも全く同じことが言えるんじゃないでしょうか。

特に興味深かったのは、スタンドプレーではなく「先を読んだ」チーム作りの重要性について語られている部分です。

目先の成果や個人の評価にとらわれすぎると、本当に大切なチーム全体の成長や長期的な信頼関係の構築を見失ってしまいがちです。

現代の職場環境では、リモートワークや分散型チームが増えている中で、物理的な距離があってもチームとしての一体感を保つことがより重要になっています。

そんな時代だからこそ、鎌倉さんが提唱する「信頼を軸としたチーム作り」の価値は一層高まっているのではないでしょうか。

コミュニケーションの根源は、相手を思いやる気持ちと、チーム全体の成功を願う姿勢にあります。これは医療現場特有の話ではなく、どんな業界、どんな職種でも応用できる普遍的な原理だと思うんです。

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相手の真の成功を願うからこそ、時には厳しいことも伝える勇気

この本で最も印象深かったのは、真の信頼関係とは何かについて語られた部分でした。

「厳しい意見を述べることもありますが、私たちは疑問に思ったことや商品の安全性、とのような改善が必要かなど、率直な意見をお伝えしています。結果的にそういった態度がメーカーさんサイドとの信頼につながっているのだと思います。」

これは本当に深い洞察だと感じました。私たちはよく、相手に嫌われたくない、関係を悪化させたくないという思いから、言うべきことを言わずに済ませてしまうことがあります。でも、それは本当の信頼関係とは言えないんですね。

鎌倉さんが営業担当者との関係について語られている例も印象的でした。

単なる「はい、分かりました」という受け身の対応ではなく、「こういうのがあったらもっといいのに」という建設的な提案をする。

そして、その提案を真摯に受け止めてくれるメーカーとの関係を大切にする。

「私たちが『対応不可でした』『調べてお答えします』と言って対応してくれる営業担当者の方は、その後も良好な関係を築くことができているように思います。」

この姿勢は、どんな業界の関係構築にも応用できると思うんです。お客様や取引先、そして社内のメンバーとの関係においても、表面的な付き合いではなく、相手の本当の成功や成長を願うからこそ、時には耳の痛いことも伝える勇気を持つ。

しかし、重要なのはその伝え方です。鎌倉さんの例を見ると、批判のための批判ではなく、建設的で前向きな提案として伝えられています。相手の立場を理解し、共に成長していこうという姿勢が根底にあるからこそ、厳しい意見も信頼関係の強化につながるのでしょう。

「私心を捨てれば、信頼はあとからついてくる」

最終的に、信頼経営の本質は「私心を捨てる」ことなのかもしれません。自分の利益や都合を最優先にするのではなく、相手の、そしてチーム全体の真の成功を願う姿勢。これこそが、持続可能で強固な信頼関係を築く秘訣なんじゃないでしょうか。

現代のビジネス環境では、短期的な成果や効率性が重視されがちですが、長期的な視点で見れば、やはり信頼に基づいた関係性こそが最も価値のある資産になります。

鎌倉さんの「信頼経営」は、そんな本質的な価値を改めて気づかせてくれる貴重な一冊だと感じています。

信頼を構築するためのリーダーシップについては、こちらの1冊「【信頼とスピードが命!?】生き残る組織に変えるリーダーシップ|フランシス・フライ,他」もぜひご覧ください。

まとめ

  • 医療現場が教えてくれる、本物の信頼経営とは何か――「信頼経営」というコンセプトは、まさに時代を超えて重要な経営哲学です。
  • チームの力を最大化するコミュニケーション術――「信頼を軸としたチーム作り」の価値は、組織全体が信頼たるものとして評価されるために不可欠なアプローチです。
  • 相手の真の成功を願うからこそ、時には厳しいことも伝える勇気――長期的な視点で見れば、やはり信頼に基づいた関係性こそが最も価値のある資産になります。
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