- どうしたら、変化の時代において、しなやかな組織を作れるでしょうか!?
- 実は、対話にキーがあります。
- なぜなら、対話はひとりひとりの可能性を引き出し、チームを作るからです。
- 本書は、1オン1システムを提供するベンチャーKAKEAI創業者本田英貴さんによる1冊です。
- 本書を通じて、1オン1の可能性と重要性について触れることができるでしょう。
対話が組織の可能性を引き出す!?
「対話」こそが、人のポテンシャルを引き出します。
職場で寡黙なあの人が、新しい事業アイディアを胸に秘めている可能性がありますし、互いに会話のなかったメンバー同士が語り合う中で、状況を打破するようなアイディアを共有できる可能性だってあります。
人は独りでするものではなく、常に、他者の存在が必要です。そもそも価値の提供は、独りではなく、受け手である相手があって成り立ちます。そうして拡大解釈をしていくと、「対話」こそが仕事の原点であると言っても過言ではないかもしれません。
時代は移ろぎ、新しいマインドセットとスキルセットをもって、組織づくりを行う必要が見えてきています。
「この時代、リーダーに求められるのは『管理』ではなく、『スピード感のある仮説検証』なのです」
リーダーが自身を持ってみんなに進むべき方向を示した時代は去った
そのためには、一人ひとりの人材が自らと組織のミッションとビジョンをすり合わせながら、内発的に活動を創り続けることが求められています。
そのために必要なのは、まず自らのミッションとビジョンを想定することにほかなりません。ただし、これは、とても難しいことを要求していることになります。なぜなら、自らの思想を客観的に捉える必要があるからです。どうしても自分のことだと盲目的になってしまうのが、人間ですし、そもそも日々の忙しい業務の中で、冷静に自分を振り返ることも時間的にも難しいでしょう。
当然、誰しもが「いい仕事」をしたいという潜在的な気持ちを、持っています。この気持ちを表に出すことができるか、あるいは、その気持に素直になって、よりよい活動を紡ぐことができるかが、組織の力を最大限に引き出す重要なアクションなのです。
そのためには、まず言葉にしてみること。言葉にして、自分の言葉を自分で客観的になることが大切です。そして、その言葉を他者と分かち合い、互いに触れ合うのりしろを常に見出し続けていく活動が、もしかしたら仕事であると言い切ってもいいのかもしれません。
リーダー(いわゆる上司)と言われる人々の運営難易度も上がっています。たとえば本田英貴さんは、次のような5つの現実をあげてくれます。
1)自身のプレイヤー業務との両立をする必要がある(マネジメントだけに集中させてもらえない)
2)ハラスメントの意識も常に持っている必要がある(時代の要請を受け止めなければならない)
3)企業の液状化と、従業員の顧客化の同時進行がある(上意下達では、ますます人は動かない)
4)世代間の意識ギャップ。介護や育児など部下の状況の多様化がある
5)企業と従業員の物理的・心理的距離が拡大している
こうした状況においても、袖触れ合う仲となったメンバーと共に、変化に対応しながら、可能性を追求していくマインドセットとスキルセットが必要なのです。
リーダーとマネジャーの違いについては、こちらの投稿「【自分の中にリーダーシップを育てよう!!】起業家のように企業で働く 令和版|小杉俊哉」もぜひご覧ください。
また、リーダーシップとマネジメントの解像度をさらに上げていくためには、こちらの1冊「【5つのポイントにフォーカスせよ!?】リーダーの仮面 ーー 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法|安藤広大」も大変おすすめです。
1オン1の可能性とは!?
会社に所属するということは、会社の見えざる意思を受けながら、チーミングをして働くということです。すべて自分の意思や願いが叶えられるわけではありません。よって、チームを持ったり、部を任されたり、あるいは、メンバーの立場で、チームや部に所属したりすることは、自分のコントロールできることではありません。
たまたま出会った関係である上司と部下はそもそもお互いのことをきちんと知らない
たまたま出会った関係である上司と部下はそもそもお互いのことをきちんと知らない
偶然の出会いを資産にするには、それを活かすためのアクションが不可欠です。上司と部下は互いに偶然を活かすために、「対話」を活用する必要があります。これを1オン1という形で定期的に行っていくことに、ヒントがあります。
コミュニケーションというと、どうしても話し方や話す内容にフォーカスが当たってしまいがちですが、本当に大切なのは、いかに自己開示の上で、相手のことを聴くことができるか、ということです。
もし部下に自分の話を聴いてもらいたいなら、まずは先に上司の側から、部下の話に関心を持って耳を傾けることが、とても有効な一歩になるのです。
コミュニケーションスキルの習得より大事なのは「部下がどう感じているか」を理解すること
相手は自分が開示した情報までを開示するという法則があります。自分自身の情報を相手にオープンになって話すことを呼び水に、相手の言っていることに本当に耳を傾け、聴くことを続けていきましょう。
また、インサイトとは、必ずしも言葉にならないものです。言葉の表面をそのまま受け取るのではなく、その奥行に意識を巡らせることが大切です。
本当に伝えたいことは何か、本当に感じていることは何か、本当の願望は何なのか、彼・彼女が見えている世界は何か、相手と同じものごとを見て、考える時間を持つことが大切です。
対話とは、権限や立場と関係なく誰にでも、自分の中に相手を見いだすこと、相手の中に自分を見いだすことで、双方向にお互いを受け入れ合っていくことを意味します。
埼玉大学経済経営系大学院准教授 宇田川元一氏
聴くことについては、こちらの1冊「【自分の中の「肯定的意図」を見つめよう!?】まず、ちゃんと聴く。|櫻井将」もぜひご拝読ください。肯定的意図という概念を知り、これを元手に相手の立場に立つスタンスを強化してくれます。
理想的なメンバーシップとは!?
1オン1という対話を通じて、次のような6つの環境設計を行うことをリーダーとして引き受けましょう。
また、「対話」の実践として、さまざまな経験をリーダーとメンバーが積み上げながら、互いに良くなっていけるように、1オン1の機会を活かしてみましょう。
- 部下が「話したいこと」を、気兼ねなく話せる状態がつくられている。
- 「期待する対応」という、「部下にとっては、直接はっきりとは言いにくいこと」を遠慮なく伝えることができ、「上司にとっては、表面的な部下の様子からはつかむのが非常に難しいこと」をしっかりと把握できる状態がつくられている。
- 上司は、いつも通りの対応でよいテーマか(「トピック」と「期待する対応」)、何か対応の工夫をしなければいけないテーマか、工夫が必要だとすればどのようなことを意識すればいいのかを知った上で 1 on 1を迎えられる状態がつくられている。
- お互いが 1 on 1の場を具体的にイメージできているからこそ、 1 on 1が始まった時点で、スムーズさや、高い質を生み出せる状態がすでに整っている。
- 必要に応じてメモや約束事を残し合い、さらに質を高め、対話を積み上げられる状態がつくられている。
- 部下の匿名性を担保しながら、上司の自律的な行動改善を促す状態がつくられている。
本書をご執筆の本田英貴さんが、上げられた1オン1支援ツールはこちらのサイトをぜひご覧ください。
最初の一歩を踏み出すのは、上司の側です。
コミュニケーションスキルの習得より大事なのは「部下がどう感じているか」を理解すること
まとめ
- 対話が組織の可能性を引き出す!?――考えは言葉にすることが大切です。
- 1オン1の可能性とは!?――メンバーの考えていることを知ります。
- 理想的なメンバーシップとは!?――6つのポイントを重視ながら、1オン1という対話を運営しましょう。