【自分の考えの深め方とは!?】考える教室|若松英輔

考える教室
  • 生き方が問われる時代と言われるけれど、何をしたらいいの?なんとなく、哲学について知りたいけど、難しそう!って思うことありませんか。
  • 実は、NHK出版 学びのきほんシリーズ『考える教室』がおすすめです。
  • なぜなら、東工大リベラルアーツ研究教育院教授であり、吉本隆明さんとも交流のあった若松英輔さんが、4人の哲学者のお話を通して、考えることへの入り口を語ってくれているからです。
  • 本書では、単に哲学者の言葉を鵜呑みのするのではなく、あくまで「言葉」と言うのは、本当のことが書ききれていないという前提で、原典にあたり「対話」をすることで、考える機会としての完成を目指すいざないが紹介されます。
  • 本書を読み終えると、単に哲学的な知識を得るということではなく、考えることへのヒントを哲学の角度から得ることができるでしょう。

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若松英輔
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哲学者との「対話」の機会を持とう!

「読む」とは、言葉を扉にした書き手と読み手の対話です。

第1章 「対話する」ことについて――プラトン『ソクラテスの弁明』

哲学的な知識をたくさん得るのではなくて、自分のいまここにある状況やこれからの人生について考えるきっかけを得るための読書をしましょう。

言葉をうのみにするのではなく、その背後に隠れた意図や本当を探りましょう。

また、たくさんの読書をするとどうしても遠くへ行ってしまい、自分とは離れた世界の話に終止してしまいがちですが、あくまで、「いまここ」を考えるスタンスを忘れてはいけません。

原典をあたりましょう!

一方、どう言うか、ということは、要約ができません。つまりその人の「語り口」は要約できない、置き換えが不可能なものです。そういった、要約したり代替したりすることができないものの中に、「ほんとう」のことを見出していくことが大事なのだと、ソクラテスは考えているのです。

第1章 「対話する」ことについて――プラトン『ソクラテスの弁明』

何が語られたかということは、要約にできます。しかし、それがどう語られたかについては、要約ができません。だから、原典が大事なのです。なぜなら、どう語られたかを体感し、考えだけではなく、身体全体を通して考えることが大事だからです。これこそが、対話なのだと思います。

頭で考える機会が過多になっている現代において、もっと身体を通じて考えなくてはいけません。

ソクラテスは、対話を通じて、真理を追求しようとしたといいます。

生きた場をどれだけ共有できるか?が、考えるヒントにつながるのかもしれませんね。

人生を通じて考え続けましょう!

早く分かることを美徳とする現代人は、この一節を再三読み直してよいと思います。事実を確認するのは簡単だ、しかし、それを生きるのはじつにむずかしい。頭で分かることと、それを血肉化することはまったく異なる、というのです。

第2章 「考える」ことについて――ルネ・デカルト『方法序説』

「わかりやすい」というふうな、褒め言葉が、まったく褒め言葉に聞こえないことが多々あります。わかりやすさとはなんなのか?これを意識して、この「わかりやすい」という言葉を使っている人はどれだけいるでしょうか。どうも、縁を切っていくような言葉で、とても寂しい気持ちになるのです。そもそも分かるとは、分けるという言葉の派生で、線を引くことです。ただし、言葉を含む表現で伝えラることは限界があり、分かった!と思う感覚はただしかもしれませんが、他者が意図したことではないことも多々あります。安易に「分かった」と思うことで、溝がさらに深まってしまうことだってあるでしょう。

分かるのではなく、考え続ける態度しか、究極的にはできないのではないでしょうか。

とはいえ、人は、区切りを付けて行動をしなければならないので、多少の赦しは請いながらちょっとのわかったで日常生活を送らなければならないのも、「分かる」のですが、どうも、この「わかりやすさ」が氾濫しているように感じます。

人生を通した、「問い」が持てるかどうか?を著者は大切にしているようです。哲学者の人たちもそうでした、答えが出ているのならば、哲学者や哲学はもう不要でしょう。なぜ生きるのか、いかに生きるのか、よりよく生きるとはどういうことなのか、考え続ける必要がある。と、これまでの哲学者の考え続ける姿勢から感じるのです。

勉強をすることは、もちろん素晴らしいことです。でも、どれだけ勉強しても私たちはそこから、人から教えられたことしか学ぶことができません。自分で探さなければならないことは、自分で探すしかない。デカルトはそのことに気がついた。真の学びとは、勉強の外に自分が出会うべきものを見つけることなのではないか。デカルトは、こう考え始めるのです。

第2章 「考える」ことについて――ルネ・デカルト『方法序説』

頭だけではなくて、体をつかって、心身ともに考える体験が必要でしょう。これは、難しい。ついつい、頭だけで考えてしまう。そもそもどうしたら心身ともに考えるという体験ができるのかもよくわからない。

デカルトは旅に出たといいます。でも、現代の旅とはきっと違うでしょう。目的地に行って、ガイドブックに書かれている内容の「確認」をする旅を旅と言っていいものなのか・・。デカルトの旅とはどんなものだったのか、こういう興味の糊代から考える世界に入り込むこともまた、楽しそうです。

まとめ

  • 哲学者との「対話」の機会を持とう!――学習ではなくて、対話をすることに意義があります。そのためにも言葉をうのみにするのではなく、真意について触れ、それについて考えを持ってみましょう。
  • 原典をあたりましょう!――何を語ったかはようやくできても、どう語ったか(HOW)は要約できません。対話をするにはこのHOWの部分を身体的に感じる経験も必要です。
  • 人生を通じて考え続けましょう!――人生を通じて考え続ける必要がある「問い」を持つことが、哲学です。自分の哲学を持ちましょう。

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