運は今もここにある!?『「運のいい人」の科学 強運をつかむ最高の習慣』ニック・トレントン

「運のいい人」の科学 強運をつかむ最高の習慣
  • 運のいい人って、確かにいるけど、再現性ってあるのでしょうか!?
  • 実は、あるんです!!
  • なぜなら、運のいい人は、そもそもの生き方が異なる結果、運が良くなっているように見えるのです。
  • 本書は、どうしたら運を味方につけることができるのかを考える1冊です。
  • 本書を通じて、技術としての運を身につけるヒントを得ることができます。
ニック・トレントン,桜田直美
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運がいいとはなにか!?

ニック・トレントン(Nick Trenton)さんは、自己啓発や心理学の分野で数々のベストセラーを持つアメリカの著述家です。
彼の著作は、日々の習慣や思考法を通じて、より良い人生を築くための具体的なアプローチを提案しており、世界中の読者から支持を集めています。

心理学のバックグラウンドを持つ彼の文章は、科学的根拠と実践的知見のバランスに優れ、特に“行動習慣が運命を変える”という視点に特徴があります。

本書『「運のいい人」の科学』においても、「運は偶然ではなく、日々の選択と行動の積み重ねによって生み出されるものである」という、希望に満ちたメッセージが語られています。

成功には常に、個人の資質では説明ができないような要素も関係しています。

個人の収入額の50%は、生まれた国と、その国で富がどのように分配されているかで決まるし、政治や社会、経済のメカニズムが運に深く関わっていることがわかり始めています。

私たちは、運の良さをまったくのランダムなものだとして結論付けてしまうことが多々あります。

でも、実際には、幸運に恵まれるコツはあります。そして、重要なのはその幸運に巡り合った時に、それを幸運かもしれないと見極めて、突き詰めて行動してみるということなのです。

では、どうすれば運のいい人になれるのでしょうか?

本書の中でニック・トレントン氏は、「幸運に見える人たち」は単に運がいいのではなく、運を呼び込む“行動習慣”を実践していると語ります。
そのために著者が提案するのが、「運のいい人が持つ7つの習慣」です。

たとえば――

  • チャンスを察知するための“好奇心”を磨くこと
  • 出会いをチャンスに変える“他者志向”を持つこと
  • たまたま訪れた偶然を最大化する“行動力”を持つこと

いずれも、特殊なスキルではなく、誰にでも実践できる習慣ばかりです。
けれど、それを「毎日の中で継続的に行えるかどうか」が、いわゆる“運の差”になるのだと著者は言います。

興味深いのは、「運をコントロールする」というよりも、「運に気づける状態でいられること」が重要だとされている点です。

つまり、運のいい人とは、“日々の選択肢に対して目が開いている人”であり、偶然を偶然で終わらせない人。
そのために必要なのが、メンタルの柔軟性、そして環境との関係性に対する感受性なのです。

幸運に恵まれるコツは、自分の利益になるような状況を遠ざけないことです。

まず自分は、運が良い!と感じる人の多くは、出来事をポジティブに解釈しようとする特徴があります。

解釈によって、出来事そのものの事実が変わることはありませんが、それを捉える自分自身のマインドセットをアップデートして、感じ方やそれにもとづく行動を変えていくことは可能です。

偶然に対する態度!?

大切なのは、「態度や考え方」であることを知ります。

それらがある種の行動につながり、そしてその行動が、偶発的に発生するチャンスと最適な関係を築く基盤になるのです。

本書を読んであらためて思うのは、「運」は神様のような存在でも、人生を振り回す得体のしれない力でもない、ということです。

むしろ、日常のささやかな偶然をチャンスに変えられるかどうか――
その違いこそが、運の“本当の正体”なのかもしれません。

幸運な出来事を引き寄せる人は、たいていの場合、その前段階で「何かしらの行動」を起こしています。
たとえば、一歩踏み出す。人に相談してみる。いつもと違う道を通ってみる。
小さな選択肢を積み重ねる中で、運は少しずつ姿を現していくのです。

「私は運がいい」と思うこと自体が、自分の中の視界を開く行為であり、
“運を運んでくる自分”をつくっていく第一歩なのかもしれません。

運に関する公式をまず理解しましょう。

それは、以下のようなものです。

運 = 準備 + チャンス

運を構成する要素は、2つあります。準備とチャンスです。

偶然のチャンスをコントロールすることは残念ながらできません。しかし、自分自身をコントロールすることならできるはずです。ポジティブでオープンな態度、リラックスした精神、積極的な行動を身につければ、今あるチャンスの芽を最大化して、そのことで、さらなるチャンスを引き込むことだってできるようになるでしょう。

上記に上げた通り、そういうチャンスを活かせるマインドセットは、以下のようなものがあります。

  • ポジティブにものごとと向き合うことができる。
  • ポジティブにものごとを解釈することができる。
  • なにごとにもオープンな態度で接することができる。
  • リラックスした、自然体の自分でいられることを知っている。

そして、準備です。私たちは、自分自身で自分の行動や習慣を創っていくことができます。

何らかの努力や、学習でも、なんでも良いのですが、そうしたことを続けている人は、チャンスが訪れた際に、そのチャンスをものするために最適な行動をすることができます。

でもそのためには、準備を絶えずしていることが欠かせませんね。気づくこと、そしてそれを掴むために、適切に行動できることが、運を味方にできる人の行動原理であるということです。

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セレンディピティ・マインドセット!?

いくつかのタスクで、運を味方につけるスタンスを整理してみましょう。

まず重要なのが、努力をするということです。

これは上述の公式で見てきた「準備」に関わることです。努力をして、自分を鍛えておけば、運を引き寄せるための力を常に養っているということになるでしょう。

一度幸運に恵まれると、その幸運を徹底的に活用する。

自分自身が目指しているものがなんであれ、とにかく時間をおしまずに、努力を続けるということです。

また、「運の表面積セオリー」というものがあります。

運の表面積 = 行動する × 人に話す

運とは、情熱に向けて行動するということと、それを他者に発信し続けることで訪れます。

なぜなら、行動がチャンスとの出会いを促し、そして、人がチャンスをもたらすからです。

自分を社会のネットワークに組み込まれているノードであるかのように捉えてみましょう。ノードとノードを連結するパスの上を、絶えずチャンスは行ったり来たり、生まれたり消えたりしているイメージを持ってみるのです。

自分自身のパスが太く多ければ、そのチャンスは訪れやすくなるでしょうし、パスを新しく生み出し、成長させるためには、行動がキーになることは明白ですね。

偶然のチャンスを呼び込む方法は以下のとおりです。

1.運を向上させたいと思っている領域についてよく考えてみること。
2.「話す」&「行動する」を意識してみること。
3.それぞれできていることを把握してみること。
4.3でわかったことを元に、運の表面積を増やすためにできることを考えること。
5.4の結果を注意深く観察して、効果があった方法をさらに試してみること。

運の表面積セオリーでわかるのは、運は行動であり、それと同時に運は人間関係でもあるということです。

さらに、視覚化アファーメーションも重要です。

運のいい人たちは、ただ偶然を待つのではなく、自分の望む未来や目標を“すでにそこにあるもの”として心に描いています。
これが視覚化(イメージトレーニング)の力です。

たとえば、目標を達成したときの自分の姿や、そのときに感じている喜び、関わっている人々とのやりとりをリアルに想像することで、
脳は“それに向かうための選択”を無意識に優先するようになります。

同じく、アファーメーション(肯定的自己宣言)も有効です。
「私はツイている」「私はチャンスを引き寄せている」「私は大切な出会いに恵まれる」——
このような前向きな言葉を、自分自身に対して繰り返すことで、自己効力感が高まり、チャンスへのアンテナが自然と敏感になります。

自分を信じるとは、自分は運がよかったと考えるのではなく、自分には能力があると考えることです。

科学的にも、脳は言葉に強く影響されることがわかっています。
だからこそ、自分自身の中にポジティブなストーリーを語ることが、運を味方につけるための“内なる準備”なのです。

「セレンディピティ・マインドセット」を大切にするという切り口もご紹介します。

運と読んできたものは、実は、「セレンディピティ」と呼んでもいいのかもしれません。

セレンディピティとは、
「偶然をきっかけにして、価値あるものを発見する力」
あるいは
「探していたものとは違うが、思いがけず重要な何かに出会うこと」
を意味します。

つまり、単なる“ラッキー”とは違い、そこには「気づき」と「解釈」、そして「行動」が含まれているのです。

セレンディピティ・マインドセットとは、そうした“思いがけない出会いや出来事”を、前向きにとらえ、価値を見出すための心のあり方を指します。

たとえば——

  • 電車で隣り合わせた人との雑談から、新しい仕事のヒントを得る
  • 予定外のトラブルから、思いがけない学びや縁が生まれる
  • 探していたものとは違う情報に触れて、新しい問いが立ち上がる

こうした瞬間に出会えるかどうかは、運ではなく、「自分の解釈と構え」によって決まってくるのです。

偶然の価値に“気づく力”を高めておくこと、
そしてその偶然を“育てる行動”をとること。
この2つが揃ってはじめて、セレンディピティは私たちに微笑みます。

だからこそ、「これはきっと意味がある出来事だ」と一歩引いてとらえる視点、
そして「この偶然を活かすとしたら何ができるか?」と問う習慣が、
運を高める土壌を育てるのです。

セレンディピティ――点をつなぐ力』の著者であり、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのクリスチャン・ブッシュ博士は、
セレンディピティとは「ただの幸運」ではなく、自ら意味づけし、価値を創り出す力だと説いています。

ブッシュ博士は、セレンディピティを成立させる要素として、主に以下の3つを挙げています。

意味づけ・つなぐ力(Connecting the Dots)
 一見すると無関係な出来事に、自分なりの文脈や目的を見出し、別の何かと結びつけること。
 この“解釈”こそが、セレンディピティの中核にあります。

偶然性(Chance)
 予期せぬ出会いや出来事。これは私たちにはコントロールできない要素です。

トリガー(Trigger)
 偶然の中に「気づき」をもたらすきっかけ。
 それは誰かの一言かもしれないし、本の一節、通りすがりの会話、突発的なトラブルかもしれません。

残念ながらものごとの発展や発達というのは、たいていの場合、予期することはできず、そして理解することすらできないことがほとんどでしょう。しかし全てを自然任せにするのではなく、その半分は自分のちからでセレンディピティ的に引き寄せることだってできるのも事実です。

自分のマインドセットを少し調整することができれば、ほんの小さな出会いかもしれない、チャンスを確実に捉えて、人生を好転させていく、きっかけとすることができるのです。

全ては、心構えと行動と努力であると言っても良いかもしれませんね。

チャンスはいつでもそこにある――ただし、そのチャンスをつかまえるには、正しい態度が必要なのです。

何が起こるかわからない時代だからこそ、
「変化を味方につける力」=セレンディピティ・マインドセットを持つことは、
新しい時代を生きるうえでの、大きな武器になるのではないでしょうか。

まとめ

  • 運がいいとはなにか!?――偶然の訪れを、好機として活かすことです。
  • 偶然に対する態度!?――突発的なできごとをいかに解釈し、ものにできるかがキーです。
  • セレンディピティ・マインドセット!?――正しい態度を身に着けておきましょう。
ニック・トレントン,桜田直美
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