【経営の基礎をおさえたい方必見!】新しい経営学|三谷宏治

新しい経営学
  • なぜ、経営はわかりにくいのか?
  • 実は、足りない視点は、「現場」かも。
  • なぜなら、分野も横断的だし、大学の授業は実務と離れた、論文をベースにしていることが多くあるからです。
  • 本書は、そんな領域があまりにも広く、難解に思われる経営学の俯瞰書です。
  • 本書を通じて、何を考えていくことが、経営なのかの全体感を得ることができるでしょう。

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三谷宏治
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経営学とは、6分野の専門領域の寄せ集め!?

経営学は主に6分野の専門領域の寄せ集めなので、その「基礎」も専門分野の基礎の集合体に過ぎない。

02|経営学は6分野×2レベルの寄せ集め

経営は取り扱う領域が非常に多岐にわたりますが、基本的な分野は6つであるといいます。

1)経営戦略
企業としてどういう存在になりたいか(ビジョン)、どの戦場(ドメイン)で戦うのかを定め、そこで何をウリにするのか(基本戦略)、どう取り組むのか(M&A)を立案すること。
企業が複数の事業が保つ場合には、事業ごとにこれらを行うことがポイントです。

2)マーケティング
それぞれの事業で市場や顧客・競合を分析することで、誰に対してどんな価値を売り込むのか(STP)、それをどうやったら実現できるのか(4P)を組み合わせて立案すること。

3)アカウンティング
企業が儲かったのか、資金繰りはどうかを把握するための財務会計と、この状況を分析する管理会計に大別されます。

4)ファイナンス
株式や債権発行、銀行借入、自己資金など多岐にわたる資金調達手法を最適化し、かつ各事業に分配する、そのためのさまざまな事業・投資価値評価(NPVやIRR)を運用します。

5)人・組織論
人をどうやってモチベートし、教育し、評価するのか、そして、組織をどのような塊で運用していくのかを考えます。

6)オペレーション
商品・サービスの提供のために必要な仕組みをどのように構築するのか?を考えます。調達、生産、物流、販売、サービスのすべてにわたります。

これらの基礎的な知識を身につけることがポイントです。そのうえで、この6つを目的に応じて連携させていくことです。目的とは、ビジネスモデルを構築すること、そしてその状況を確認して、運用していくことです。ビジネスモデルは次にあげる4つの要素でできています。

ちなみに、これらの要素は「全社」「事業」レイヤーの2つでいずれも運用されます。すべての6つの基礎がそれぞれのレイヤーで活きてきますが、若干配分が異なります。まず、経営を学ぶには「事業」レイヤーから始めると考えやすくなるでしょう。

複雑な会社・事業の単純化がポイント!?

この本では究極の単純化として4つの要素でビジネスを語ることにしましょう。

03|事業経営の中核はビジネスモデルの理解と構築

ビジネスモデルは、実態の単純化です。単純化してより取り扱いやすいようにします。

①ターゲット(狙うべき相手)
事業には必ず、提供する相手先があります。これがターゲット(顧客)です。それぞれの事業で、どこにどんな人が、どれだけいるのかを把握することがまず重要となります。ターゲットというのは、つまり、利用者、支払者とも言うことができるでしょう。

②バリュー(ターゲットに提供する価値)
商品やサービスが、なぜ使用してもらえるのか?!は、バリューが提供されているからです。これは、企業や事業主体が自ら訴えるものではなく、顧客と共有するということがポイントです。

③ケイパビリティ(バリューをターゲットにどう提供するか)
商品やサービスを開発したら、それについて、営業・販促をかけて受注し、部材を調達、生産・配送して、最後は集金、アフターサービスまでを行う必要があります。多くの人や設備に支えられた、膨大な仕組みを構築していくことになります。
また、同時に研究開発も重要です。これらを一元的に把握し、運用していくノウハウも経営には求められているのです。

④収益モデル(対価とコストは見合っているか)
①②③が揃っても、コスト以上の対価を得られなければ、事業は永続しません。この算段をするのが収益モデルとなります。

これら上記4つの要素(目的)を達成するために、6つの基礎能力を活用していくのです。つまり、次のように言うことができるでしょう。

  • ターゲットやバリューを定めるために、経営戦略論とマーケティング論を学び
  • ケイパビリティの設計とその実現のために、人・組織論とオペレーション論を学び
  • 収益モデルをつくり上げていくために、アカウンティング論をさらに学ぶ

これらの目的を意識して、軸を持つことで、経営の基礎知識が活かされるのです。

学びに大切な意識とは!?

経営を学ぶことは、事業に関わる全ての人にとって有用です。

過去の投稿「【目標とビジョンの違いとは!?】数値で管理すべきは結果よりプロセスである|星野佳路」を思い出します。かの有名な星野リゾートは、「リゾート運営のスペシャリスト」を目指すために、従業員を多能工化(いろいろな業務を行えるようにすること)しています。これによるメリットは多く、よりお客様への提案性が増すだけでなく、コスト圧縮につながるといいます。

まさに今回取り上げている本書の内容が、この多能工化のヒントになるのではないかなと、私は思います。いち従業員であっても、多か

多かれ少なかれの経営にとってのメンバーであるはずです。小さなチームや事業、会社にとってはその傾向はさらに強くなります。だから、ひとりひとりが、専門職家していくベクトルと、ジェネラリストとして経営視点を持つこと、のバランスの中を考えてくことが重要かもしれません。

今回の著者である三谷宏治さんも言います。

学ぶ目的を忘れないこと。問題意識を持つことで、学びは自ずと深くなります。

05|この本での経営学の学び方

まとめ

  • 経営学とは、6分野の専門領域の寄せ集め!?――経営には6つの基礎的な領域があります。
  • 複雑な会社・事業の単純化がポイント!?――4つの要素が、6つの専門分野を串刺しにする目的になります。
  • 学びに大切な意識とは!?――大切なのは自分がなぜ学ぶのかということです。

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