【実は大切な「教わり方」とは!?】すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。|牧田幸裕

すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。
  • どうしたらよりよい学習を続けることができるでしょうか!?
  • 実は、「教わり方」を習得することが欠かせないかも。
  • なぜなら、学習もコミュニケーションだから。受け手の感度も大切なのです。
  • 本書は、あまり注目されない「教わり方」を説く1冊です。
  • 本書を通じて、自分の学習感度を向上させるヒントを得ます。

受信者の力量が試される!?

世の中には、「教える」本や「教える」ためのトレーニング方法が溢れています。コミュニケーション力というテーマをとっても、発信者が主役で、「いかに喋るか」「いかに伝えるか」が論点の中心にあることに気づきます。発信者の力量は向上してきました。でも、実は「受け手」の力量も大切なのです。

なぜなら、教えることは、すなわち教わることとセットで、互いが相互作用するコミュニケーションだからです。

そもそも、「教える/教わる」行為は、コミュニケーションである。

まえがき

先生や講師、先輩や上司が、「教える力」を磨き続けることで、もしかしたら、他者の「教わる力」が削がれていることも考えられるかも知れません。本書では、いかに「教わるか」という点について、方法論の全体を俯瞰し、どうしたら鍛えられるかを説いています。

本書を通じて、学校では教えてくれない「教わり方」を習得できます。

教わるはナビゲーション!?

「教わる力」とは、ナビゲーションを設定できることである

「教わる力」とは、ナビゲーションを設定できることである

と、説明できます。

ナビゲーションとは何か?それは、自身の学習の必要性と内容・方法について、以下の5つの点を俯瞰し、考慮できることです。

1.現在地の確認
2.目的地の設定
3.ルート候補の設定
4.ルート候補の選択
5.ルートの決定

自分が今どこにいるのかが、常に起点になります。自分がどのような力量を持っているのか、それを正しく判断することができなければ、目標とのギャップも認識することができません。

自分は何ができて、何ができなくて、何が足りないのか、すらすら言える人はどのくらいいるだろうか。

「教わる力」とは、ナビゲーションを設定できることである

また、目標の設定(目的地)も重要です。学習とは目的地と現在地のギャップを埋めることです。また、この「目的地」を考えるには、「そもそも何が自分に求められているのか」、市場ニーズ、顧客ニーズ、上司ニーズから考える視点が欠かせません。

このように、「教わる力」を養う原点には、キャリアビジョンと現在地とのギャップを見つめ続ける視点が必要になるのです。

いかにナビゲーションで「教わる力」を鍛えるか!?

ナビゲーションを設定するには、上述の通り現在地と目的地が起点になります。その上で、複数のルートからひとつのルートを選定することになります。でもこれが案外難しい。いまでは、情報化社会で、世の中に多くの情報が溢れていて、多くの選択肢があります。その中から、自分にとっての最適ルート・方法を選ぶのは、至難の業です。

どうしたら、自分らしい唯一のルートを見つけられるか、そのためには、「自分の判断軸」が必要です。「自分の判断軸」がなければ、「他人の判断軸」に翻弄させることになります。

次回の投稿では、いかに「自分の判断軸」を鍛えるかについてご紹介していきます。

その前に、多くのルートから一つを選択するそもそもの力量について検討してみましょう。たった一つのルートを選択するには、「捨てる勇気」が必要です。人間ができることには限りがあります。時間・お金などのリソースが当然限られるからです。何も捨てずに、何かを得ることなど到底難しいものです。

捨てるためには、次の2つのスキルを習得する必要があります。

1)クリティカル・シンキング
2)サンクコストに振り回されない最低限の知識と実践

クリティカル・シンキングとは、問題を構造化して、その中に重要な要素を選び出すことです。ツリー構造で物事を俯瞰して捉え、考えられる能力のことです。

サンクコストとは、これまで投じてきたコスト(時間・お金など)に振り回されて、未来に向けた正しい判断ができないことです。

あるルートを選ぶということは、残りのルートを捨てるということだ。そのためには「自分の判断軸」を持たなければならない。

真面目で完璧主義であるがゆえに、クリティカル・シンキングができない

教わり方を鍛えることができれば、学習効率を爆発的に高めることができます。その理由は、自分が何を目指していくために何が不足しているのかを、俯瞰することができるからです。加えて、「自分の判断軸」を鍛えることによって、自分の頭で考えジャッジすることができ、情報に翻弄される時間が極端に減ります。

実は、学校でも職場でもなかなか教えてくれない、「教わり方」が重要なのです。

いろいろな本を読んでいると、学校や会社で教えてくれていないことに出会うことがたくさんあって、驚きます。例えば、書くこと・喋ることよりも、聞くことの方が大切だ!と説いた本はそこまで多くなくて、2年位前に注目されたこちらの1冊「LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる|ケイト・マーフィ」で、注目されました。今回の1冊も、教える方ではなく、教わる方のスキルに焦点を当てていて、でもこれは、やはり学校ではなかなか教えてくれない・・。どうも私たちは、発信者としてのスキルを高めることが好きみたいですね。

そうやって考えていくと、発信者だらけの時代に、極めて受け手に特化したスキルを持ち合わせている人の方が、重宝されるのでは・・と思いました。逆説的に発想していくことの大切さも感じます。

まとめ

  • 受信者の力量が試される!?――教える・教わるは、コミュニケーションです。
  • 教わるはナビゲーション!?――現在地と目的地とルートの選択が重要です。
  • いかにナビを活かすか!?――クリティカル・シンキングを身に着け、サンクコストに翻弄されないようにしましょう。その上で「自分の判断軸」を持ちましょう。
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