【新しい社会を俯瞰してみると・・!】テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる|伊藤穰一

テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる
  • WEB3、メタバース、NFT、いろいろなトレンドワードが出ていて混乱する!って、思いませんか。
  • 実は、これらの登場によってどんな社会が実現するのか!?を見ておくことが重要かも。
  • なぜなら、これらの技術は、よりよい社会を作るためにあるからです。
  • 本書は、元MITメディアラボ所長の伊藤穰一さんによる未来俯瞰の書です。
  • 本書を通じて、新たな技術を活用した未来社会の可能性について触れられるでしょう。

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ウェブ3と社会のアウフヘーベンを見極めよう!

過去の投稿「【アウフヘーベンしようぜ?】直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~|阪原淳」では、新たな社会というのは、技術と社会が交互に融合しあって、新しい意味を創り出しながら、変遷していくと説かれてしました。この過程こそが、弁証法のアウフヘーベンとしてとらえられます。「テーゼ」と「アンチテーゼ」が融合し、新たな「ジンテーゼ」を生み出します。

ついつい、新たな技術が着目されると、私たちはその新しさや能力を評価しがちですが、本当に大切なことは、それらを活用して、どのような社会を作っていきたいのか?!ということです。

今回取り上げる本書『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』で、伊藤穰一さんもこのように語ります。

ウェブ3界隈では、よく「WAGMI」というスラングが交わされます。これは「We Are Gonna Make It.(もしくはWe’re All Gonna Make It.)=自分たちならできる」の略。

序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

自律分散システムを活用して、私たちは巨大な旧来の社会システムから解放される能力を得ます。しかし、そこで必要になるのは、自分の意志です。自分はどんな社会を目指したいのか、をはっきり持つことが重要です。さもなければ、ウェブ3の負の側面が強調され、さらに支配的で、格差の広がる社会が生み出されてしまいます。

「どうなるか」ではなく、「どうしたいか」を意識して、技術と向き合う必要があります。本書を通じて、ウェブ3を「テーゼ」としたとき、社会という「アンチテーゼ」が融合し、どうなっていくのかを予想してみましょう。

ウェブ3とは、そしてメリット、デメリットとは?

Web1.0は「読む」、Web2.0は「書く」、Web3.0は「参加する」

序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

ウェブ1.0は、インターネットが登場したタイミングです。人は、情報に気軽にリーチできるようになりました。そして、SNSなどのCGM(コンシューマ・ジェネレイティッド・メディア=消費者が自分で発信できるメディア)が登場して、人は、気軽に情報を発信できるようになりました。徐々に、メディアが民主化されていった時代の背景には、巨大なシステム提供者がありました。その最たる者が、GAFAで表される、Google、、Facebook(元Meta)、Appleです。彼らにお金が集まる時代が長く続きました。

そして、ウェブ3.0の時代になると、こうした巨大なプラットフォーマーと呼ばれるプレイヤーに対して、システムは分散型でそこらじゅうに立ち上がるようになります。これを可能にするのが、NFTで代表されるブロックチェーン技術です。私たちを私たちとして証明してくれるのが、私たちになるという状況として理解できます。

お金を通じて考えると簡単でしょう。これまでお金は、国がその価値を保証してくれていました。しかし、ブロックチェーン技術を使えば、誰にどれだけ価値を保有しているかを、世界共通の帳簿的なものに記載して、誰もが認め合える環境が創れるのです。この帳簿は、改ざんが極めて難しいものです。

web3.0によって僕たちは、プラットフォームの囲い込みから開放される、そういってもいいでしょう。

序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

ウェブ3.0には、メリットだけではなくデメリットもあります。これらを認識することで、どのように活用していけば良いのか、指針を立てる役に立ちます。

web3がもたらすもの

メリット
 ・よりよい技術による、より安定的かつ効率的な経済と社会の実現
 ・国家から独立して、やりたいことをする自由
 ・ビジネスチャンス
 ・抑圧的なヒエラルキーや硬直化した官僚主義のないガバナンス
 ・より自由でフェアな経済、社会への進化

デメリット
 ・貨幣ではない「トークン」が流通する新しい経済圏が国家にとってリスクとなる
 ・環境負荷が高い
 ・社会の不平等を増大させる
 ・セキュリティやスパムフィルターの技術が発展途上(で、悪用を阻止しにくい)
 ・現時点では「自己責任」の比重が大きい

序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

未来の社会を俯瞰すると・・!

ガバナンスはトップダウン型からボトムアップ型へ、消費は、大企業主導の大量生産・大量消費型から、より細分化されたリレーション型へ、という具合に、社会のあらゆるところで「Decentralized=分散化(非中央集権化)」が起こっていく可能性は高いでしょう。

序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

これまでの巨大なシステムから解放の兆しはあるものの、果たしてそれを民が維持できるか、そして維持したいと一定の労力を使っていけるかが、問題になるでしょう。ある意味、これまでは、国家というコンセプトのもと、これに習っていれば生きやすい時代だったのかも知れません。負の側面があまりに大きくなってしまっては、新たな自らによる自らの支配の歴史を人類は更新してしまう可能性もあり、ここは、意志をもってどんな社会が望ましいのか、考える必要が出てきそうです。まさに、ひとりひとりがボトムアップ型で政治に参画する必要が出てくるのかも知れません。

伊藤穰一さんは、本書の中で、「民主主義」だけではなく、「働き方」「文化」「アイデンティティ」「教育」に分けてウェブ3.0における変革を予測しています。たとえば、以下のようなトピックスが語られます。

「働き方」・・・仕事は、「組織型」から「プロジェクト型」に変わる
まるで、映画を1本創るように集合と離散を繰り返して、人がプロジェクトに関わります。
同時に自分のポートフォリオを構築することも可能になります。

「文化」・・・消費者は、文化やコンテンツを消費するだけの存在から、
一緒にコミュニティの中で、育む能力を得ることになります。
NFTを通じた、文化圏の誕生が既存の文化やイベントと融合し、新たな経済圏を誕生させます。

「アイデンティティ」・・・メタバース上で自分がフィットする世界を選択できるようになります。
いくつもの世界が同時並行するので、自分らしい活動ができる場所をチョイスできるのです。
これまで身体性に依拠していた、私たちの意識が解放されます。

ちなみに、この「アイデンティティ」については、こちらの投稿「【本当のあなたの「個性」はどこにある!?】私とは何か「個人」から「分人」へ|平野啓一郎」の内容も併せて読んで頂くこと、個人とはなにか、アイデンティティとは、本当はどのようなものとして捉えられるのか、俯瞰できるでしょう。

「教育」・・・学歴と同じか、それ以上に、コミュティでの活動内容が評価されるようになる。
ウェブ3.0は、こまで見えなかった、経緯や活動が、記録に残り、見える化する社会となります。
その事により、学歴という結果だけではなく、ひとりひとりの社会貢献が見える化する中で、コミュニティ内での活動が、
新たな仕事へのアサイン条件として活用されるようになるでしょう。

まとめ

  • ウェブ3と社会のアウフヘーベンを見極めよう!――技術を見るだけではなく、社会がどうなっていきそうか?を想像するのも大切です。
  • ウェブ3とは、そしてメリット、デメリットとは?――正の側面を活用し、負の側面を表に出さないために、「こんな社会をつくりたい」という意志が何より重要です。
  • 未来の社会を俯瞰すると・・!――巨大システムから、個人が解放されるようになり、コミュニティへの参加と活動がその人を証明することになります。

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