自由の15段階とは!?『アート・オブ・スペンディングマネー:1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』モーガン・ハウセル,児島修

『アート・オブ・スペンディングマネー:1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』モーガン・ハウセル,児島修の書影と手描きアイキャッチ
  • 経済的自立を目指す人は多いけれど、その「自立」をどう捉えているでしょうか。莫大な資産を築くこと?完全に誰にも頼らず生きること?働かなくても生活できる状態?
  • 実は、そうした「完璧な自立」という理想こそが、多くの人を迷わせているんです。
  • なぜなら、自立とは「白か黒か」の二択ではないからです。
  • 本書が示すのは、誰もが今いる場所から一歩ずつ登っていける「自立の階段」です。ハウセルは経済的自立を、レベル0からレベル15までの段階として提示します。
  • 本書を通じて、私たちは自分が今どの段階にいて、次にどんな自由が待っているのかを知ることができます。そして何より重要なのは、完璧な自立など存在しないという事実を受け入れられることなんです。
モーガン・ハウセル,児島修
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モーガン・ハウセルは、ベンチャーキャピタルファンド「コラボレイティブ・ファンド」のパートナーであり、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニストです。

彼の前著『サイコロジー・オブ・マネー』は世界的ベストセラーとなり、お金と人間心理の関係について新しい視座を提供しました。

ハウセルの特徴は、抽象的な理想論ではなく、人間の実際の行動パターンに基づいた現実的なアドバイスを提供することにあります。

本書で提示される「自立の15段階」も、まさにその実践的アプローチの結晶です。

彼は20年間お金について書き続ける中で、多くの人が「どこから始めればいいのか分からない」という迷いを抱えていることに気づきました。

本書は、その迷いに対する具体的な地図なのです。

共著者の児島修は、訳者として数多くの金融・ビジネス書を手がけてきた翻訳家であり、本書でもハウセルの思想を日本の読者に分かりやすく伝えています。

なお、前回の書評では「自立」の本質について論じました。

真の自立とは、他者から切り離された孤立ではなく、関係性の中での主体性だと。

経済的自立は、つながりを選べる自由をもたらし、その自由の中で発揮される優しさが私たち自身の幸福を深める——そんな循環の話をしました。

今回は、その自立を実際にどう段階的に築いていくかという実践的な視点で見ていきます。

前回の投稿はこちら「正しい自立とは!?『アート・オブ・スペンディングマネー:1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』モーガン・ハウセル,児島修」からぜひ!

依存の自覚——ゼロからの出発

ハウセルが提示する自立の階段は、レベル0から始まります。

レベル0:他人の善意に完全に依存した経済状態
レベル1:自分を好きな人たちに完全に依存している
レベル2:多少稼いでいるが、まだ他人の支援に頼っている
レベル3:価値は提供できているが、簡単に代替されてしまう

これらは厳しい現実を映し出します。

でも、多くの人が人生のどこかの時点でこれらの状態を経験するんです。

学生時代、失業中、病気の時期——私たちは時に、他者の善意なしには生きていけない状況に置かれます。

依存を恥じる必要はない

ここで重要なのは、これらの段階を「恥ずべきもの」として捉えないことです。

私たちは本来、相互依存の中に生きています。

完全に誰にも依存せず生きることなど、不可能なんです。

ハウセルがこれらの段階を明示しているのは、批判するためではありません。

「今、自分はここにいる」という現在地を正確に把握するためです。

地図を読むには、まず「現在地」を知る必要があります。

どこを目指すにしても、まず今自分がどこにいるのかを認識することから始まるんです。

「完全な自立」という幻想を捨てる

多くの人が経済的自立について考えるとき、「完璧な状態」を想像してしまいます。

莫大な資産、不労所得だけで生活、誰にも何も頼らない——そんなイメージです。

しかし、ハウセルが示す15段階を見ると分かります。

自立とは「到達点」ではなく「プロセス」なんです。

経済的自立は「白か黒か」の問題ではない。それは段階的なものだ。

レベル0からレベル15まで、どの段階にも固有の価値と課題があります。

そして重要なのは、より高いレベルに到達したからといって、依存が完全に消えるわけではないということです。

だから、目指すべきは「完全な自立」ではなく、「段階的な自立」なんですね。

今より一段上に登ること。

それだけで、人生における選択肢は確実に増えます。

自由の階段——選択肢を増やす道

ここから、自立の質が変わり始めます。

レベル4:日常的な小さな臨時の出費に対応できる

車のタイヤがパンクした、子どもが急に病院に行く必要がある——こうした「小さな緊急事態」に対応できる貯蓄があるかないかで、人生のストレスレベルは劇的に変わります。

「自分で対処できる」という感覚——これこそが、自立の最初の実感なんです。

レベル5:大きな臨時の出費に対応できる
レベル6:老後資金と教育費を備えている

レベル5で大きな緊急事態に耐えられる余裕ができ、レベル6では初めて「今」だけでなく「未来」のことを考える余裕が生まれます。

時間軸を長く取れるようになる——これは認識の革命です。

仕事を選べる自由

そして、多くの人にとって最も大きな転換点がやってきます。

レベル7:ひどい職場や不要な面倒を避けて、仕事を選べる

この段階の意味は、とてつもなく大きいんです。

レベル6以下では、たとえ職場環境が悪くても我慢するしかありませんでした。

しかし、レベル7では、「ノー」と言えるんです。

誰のために働くか、どんな価値を提供するか、どんな環境で時間を過ごすか——これらを、自分で選べるようになる。

これこそが、経済的自立が開く最も重要な扉のひとつなんです。

見栄とローンからの解放

レベル8:社会的地位に満足し、他人に見栄を張る必要性を感じない

自分の価値を他人の評価で測る必要がなくなる。

内側の基準で生きられるようになる。

これは経済的自由だけでなく、心理的自由でもあります。

レベル9:ローンを抱えなくてよい

ハウセルは言います。

1ドル貯蓄が増えるごとに、あなたは将来これらを手にする権利を得ている(同じく、1ドル負債が増えるごとに、あなたは誰かに自分の未来を奪われている)。

ローンとは、未来の自分を担保にすることです。

レベル9に到達すると、この重荷から解放され、時間と選択の自由を取り戻せるんです。

小さな自由の積み重ね

レベル4からレベル9まで見てきて、気づくことがあります。

各段階で得られる自由は、それ自体は「小さい」かもしれません。

しかし、これらの小さな自由が積み重なると、人生の質は根本的に変わるんです。

なぜなら、自由とは「選択肢」だからです。

レベルが上がるごとに、「選べること」が増えていきます。

こうした選択の自由の積み重ねが、「自分らしい人生」を形作るんです。

そして重要なのは、この過程が段階的だということです。

一気にレベル9に到達する必要はありません。

一段ずつ登っていくことで、確実に人生は変わっていくんです。

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創造的自立へ——レベル10以降の世界

ここから、自立の質が再び変化します。

レベル10:経済的状況がレベル5以下に戻ることはない

この段階の革命性は、「不可逆性」にあるんです。

何が起きても、最低限の安全圏は守られる。

この安心感は、人生に対する姿勢を根本的に変えます。

防御的に生きる必要がなくなり、もっと創造的に、挑戦的に生きられるようになるんです。

時間の解放

次の段階で、本質的な転換が起きます。

レベル11:投資収益で生活費の大部分を賄える
レベル12:平均寿命以上に生きても、基本的な生活費を賄える

ここで、「時間を売って生きる」という人生から卒業できるんです。

時間と収入が切り離されます。

何時に起きるか、何をして過ごすか、誰と会うか——すべてを、収入の心配なく決められる。

「好きな人と、好きなことを、好きなだけ」という理想が、ここで初めて実現可能になるんです。

優しさの余裕

そして、前回のテーマに直結する段階に到達します。

レベル13:生活費を上回るお金を手にでき、慈善活動に寄付をする余裕もある

ここで、「優しさとしての豊かさ」が具体的な形を取るんです。

自分の生活は十分に満たされている。

その上で、他者のために何かができる余裕がある。

これは金額の大小の問題ではなく、「他者への投資」ができる余裕を持つことなんです。

そして重要なのは、これが前回論じた循環の一部だということです。

経済的自立→つながりを選ぶ自由→優しさの発揮→幸福の深まり→さらなる自立への意欲

レベル13は、この循環を完全に回せる段階だと言えるでしょう。

表現と究極の自由

レベル14:他人の意見に左右されず、好きなことを言い、好きなことができる

経済的な理由で本音を言えないという制約から解放されます。

この自由は、知的・創造的活動において特に重要です。

本当に価値ある仕事、本当に意味のある表現——それらは、しばしば物議を醸します。

レベル14の自由があって初めて、人は本当に独創的な仕事ができるんです。

レベル15:毎朝、好きなことを、好きな人と、好きなだけできる時間があることを実感する

この表現に注目してください。

「できる」ではなく、「できる時間があることを実感する」なんです。

レベル15は、単に自由があるだけではなく、その自由を日々実感しながら生きられる状態なんです。

そして、循環は続く

重要なのは、レベル15に到達したら「終わり」ではないということです。

むしろ、ここから前回論じた循環がより豊かに回り始めるんです。

レベル15の自由があるからこそ、より深いつながりを築けます。

時間的・心理的余裕があるからこそ、他者への優しさを発揮できます。

その優しさが生み出す幸福が、人生をさらに豊かにします。

ハウセルが述べた「運に恵まれたら優しくあれ」という言葉は、レベル15に到達した人への呼びかけなのかもしれません。

あなたがここまで登ってこられたのは、無数の運と縁のおかげです。

だからこそ、その豊かさを循環させてください。

それこそが、真に豊かな人生の最終形態なんです。

まとめ

  • 依存の自覚——ゼロからの出発――自立の階段はレベル0から始まります。他者の善意に依存している状態を恥じる必要はなく、まず現在地を正確に把握すること。完全な自立という幻想を捨て、段階的な自立を目指すことが現実的な道なのです。
  • 自由の階段——選択肢を増やす道――レベル4からレベル9にかけて、小さな自由が積み重なります。臨時出費への対応、仕事を選べる自由、見栄からの解放、ローンからの解放。一つひとつは小さく見えても、これらの選択肢の積み重ねが人生の質を根本的に変えていくのです。
  • 創造的自立へ——レベル10以降の世界――レベル10以降では、不可逆的な安心感、時間の解放、優しさの余裕、そして究極の自由が得られます。レベル15で実感する「好きなことを、好きな人と、好きなだけできる」状態は、前回論じた優しさと幸福の循環をより豊かに回すことを可能にします。
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