他者を卒業せよ!?『人生は28歳までに決まる!30代を楽しむためにやるべき24のこと』長倉顕太

『人生は28歳までに決まる!30代を楽しむためにやるべき24のこと』長倉顕太の書影と手描きアイキャッチ

この記事を書いた人:増田 浩一(増田みはらし書店 店主/中小企業診断士)プロフィール

【本書の要約】28歳は、他者の枠組みから卒業し、自分の人生を立ち上げる最後のチャンス。学校教育で敷かれたレール、親や社会が決めた「らしさ」、正解主義の呪縛——これらに気づかないまま生きてきた人へ。長倉顕太が問いかける「このままでいいのか?」という不安の正体と、自分の価値観に従って生きる勇気を得られる1冊。

  • 他者の枠組みから卒業しないと、人生は変わらない——そう思いませんか?
  • 実は、多くの人が抱える「このままでいいのだろうか?」という不安の正体は、自分の人生を生きていないことなんです。
  • なぜなら、私たちは学校教育で「言うことを聞く人間」として製造され、親や社会が敷いたレールの上を歩かされてきたから。
  • 本書は、その構造を明らかにし、28歳という年齢を「他者が決めた人生」から「自分が選ぶ人生」への移行期限として提示します。
  • 本書を通じて、正解主義の呪縛を解き、目の前の一つ一つに全力を尽くすことで、自分の人生を立ち上げる勇気が得られます。

長倉顕太さんは、出版プロデューサー、ビジネス書編集者として活躍してきた方です。これまで数多くのベストセラーを手がけ、「本を通じて人生を変える」ことの可能性を知り尽くしています。

ご自身も45歳まで早起きをせず、学校教育で刷り込まれた価値観に従って生きてきた経験があります。だからこそ、若い世代に向けて「28歳までに気づいてほしい」という強い思いを持って本書を執筆されました。

出版業界の内側から見てきた「人生を変えた人たち」の共通点、そして自分自身の後悔から導き出された「本当に大切なこと」が、本書には詰まっています。

他者が決めた人格を生きている

「自分は内向的な人間だ」——そう思い込んでいる人は多いんです。

でも、その性格すら実は他人が決めたものかもしれません。

子どものころ、たまたま親から「静かにしなさい」と叱られて黙るようにした。すると、周囲は「おとなしい子なんだね」と認識し、「おとなしい子」として接する。「おとなしい子」でいないと変に思われてしまうから、おとなしく過ごすようになる。

「らしくいる」ために、内向的な人らしい場所に赴き、内向的な人として生き、自分を内向的だと思い込むようになった——たいていの場合、そんな経緯があるんです。

つまり、あなたの人格は実は他人が決めたもの。それに気付かずにいれば、一生、他人が決めた人格で生きていくことになります。

彼らが抱える問題の根幹にあるのは、他人の人生を生きてしまっていること。彼らは、「世間」「社会」「学校」「親」によって敷かれたレールの上で生きてきた。

これは本当に深刻な問題です。

学校教育は、簡単に言えば「言うことを聞く人間」を製造しているんです。自分の考えを持たせない教育。レールに乗り続け、「自分の人生」を生きてこなかった20代の若者たちは、学校教育の被害者だと言えます。

自分のものではない人生を生きているから、生きている実感も湧かないし、うまくコントロールすることもできない。不安になるのは当たり前なんです。

同窓会という集まりも、この構造を象徴しています。

同窓会ほど無駄な集まりはありません。なぜなら、同窓会に招待されているのは過去の自分であって、今の自分じゃないから。過去でしか繋がっていない人間関係なんてどうでもいい——そう思ってほしいんです。

極端な話、過去はほとんど捏造なんです。

私たちは過去の記憶を「事実」として扱いがちですが、実際には自分に都合よく編集された物語に過ぎません。過去の延長線上で生きるな、と長倉さんは言います。

「このままでいいのだろうか?」という不安に襲われるのは、20代の半ば、「若者期間」の終わりが見えてきたころ。そりゃそうです。このままでいいわけないんですから。

だからこそ、28歳という年齢が重要になってきます。

28歳は、人生やキャリアの転機となる年齢。人生を変えたければ、28歳までに「きっかけ」をつかんでほしい——これが長倉さんのメッセージなんです。

正解主義と目的志向の罠

他者の枠組みから抜け出せない最大の理由は、「正解がある」という思い込みです。

不幸の原因は、この思い込みにあります。

学校教育では、問題には必ず正解があり、その正解を当てることが評価される。この構造に長年浸かっていると、人生にも正解があると思い込んでしまうんです。

でも、人生に正解なんてありません。

もし私が退学を決心していなかったら、あのカリグラフの講義に潜り込むことはなかったし、パソコンが現在のようなすばらしいフォントを備えることもなかった。

これはスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語った言葉です。

彼は続けてこう言いました。「将来を見据えて、点と点をつなぎ合わせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々は今やっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じる」

つまり、目的がないからこそ、可能性が広がるんです。

とにかく「点」を打ちまくる。

目的を定めて効率的に動くのではなく、興味の赴くままに行動し、後から振り返ったときにそれらが線になる——それがジョブズの思想であり、長倉さんが勧める生き方です。

読書についても同じことが言えます。

「売れていない本」「高い本」を読め、と長倉さんは言います。なぜなら、ベストセラーは多くの人が読んでいるから、そこから得られる視点は平凡になりがち。むしろ、誰も読んでいないような本から、独自の視点を手に入れることができるんです。

本は、著者が書いたものをそのまま出しているわけではありません。編集者が内容の妥当性を確認し、校閲者が事実関係を調べ、誤字脱字を取り除く。この過程は、数カ月から、長ければ数年がかりになることもあります。

時間と人手をかけて制作されているものだから、情報の量・質ともに高い。それなのに、価格はだいたい千数百円。ビジネス書ならほとんどは1000円台で、飲み会1回ぶんよりずっと安いんです。

そして重要なのは、暗記するより、大量の情報を浴びることです。

目的は「多様な視点を手に入れる」ということ。少しのものを細部まで語れるようになるより、たくさんの情報を浴びて、ぼんやりとでも「こんなものもあるんだな」と知るほうがいい。

興味を惹かれるものが見つかれば自然と深く調べるようになるし、覚えようとしなくても覚えられるようになります。

LIFE SHIFT』も、「エクスプローラー(探検者)」のステージを持つよう勧めています。エクスプローラーのステージは、活動と発見の時期。目的を定めず、とにかく動いてみる時期が人生には必要なんです。

また、「自分の強みを発見しよう」もよく言われますが、本当にすでに強みを持っているのなら、すでに自覚しているはず。探さなければいけない強みは、強みでもなんでもありません。

正解を探すのではなく、点を打ち続ける。
目的を定めるのではなく、興味に従って動く。

この姿勢が、他者の枠組みから抜け出す第一歩になります。

自分の人生を立ち上げる実践

では、具体的にどう行動すればいいのか。

まず、自分を好きになれないなら、「好きな自分」になればいいんです。

これは単純だけど、深い真理です。今の自分が気に入らないなら、変えればいい。「これが自分だから」と諦める必要はありません。他人が決めた人格なら、自分で新しい人格を選べばいいだけの話です。

次に、「給料以上の仕事をする」という選択です。

「給料以上の仕事をするのは損だ」という意見があります。確かに、短期的に見れば損に見えるかもしれません。

でも、給料以上の仕事をしないと、今の給料通りの仕事しかできなくなるんです。給料以上の働きをして、できる人間になるほうがよっぽどいい——。

現状に甘んじず、腐らず、努力する人が良い仕事や良いポジションに就いています。簡単に言えば、給料以上に働くから、給料が上がるんです。

「尊敬できる人がいるかどうか」は、仕事を選ぶ大きな基準になります。その人から学べることがあるか、その人のようになりたいか——これが重要なんです。

そして、「悪目立ち」を恐れないこと。

「成果を出さなきゃダサい」状況を作ることが大切です。寺山修司の言葉にこうあります。

人は弱いから群れるのではない。群れるから弱くなるのだ。

群れることで安心を得るのではなく、あえて目立つことで自分にプレッシャーをかける。これが成長の原動力になります。

人間関係の停滞は、人生の停滞です。

目の前の仕事で成果を出せなければ、大きな仕事には繋がらない。目の前の人から「つまらないやつ」と思われたら、人間関係は広がらない。目の前の情報を素通りすれば、知識は身につかない。

どんなことでも、目の前の一つ一つが大切だ。言葉を磨いてコピーを作るように、日々、自分を磨いて行動を起こし続けよう。

ただし、やってきたことをすぐに「回収しよう」とは思わないでほしい。損得勘定で生きてはいけないんです。

これはジョブズの「点を打つ」思想とも繋がります。すぐに結果を求めず、ただ目の前のことに全力を尽くす。その積み重ねが、後から線になって繋がっていきます。

最後に、「誰かのため」に動くことの力です。

私たち凡人が持つべきなのは、「周りを勝たせる」という発想。自分が勝つことよりも、誰かを勝たせることを考える。

「この人のために頑張ろう」というモチベーションに従って動いていくと、自然と今の自分の枠を越えられるようになります。自分のためだけに動いていると、自分の限界がそのまま行動の限界になってしまう。でも、誰かのために動くと、その人のために今の自分を超えていける。

「誰かのため」が人を強くするんです。

早起きについても、長倉さんは自身の経験を語っています。ビジネス書の編集者だったのに、45歳までろくに早起きをしてこなかった。でも実際に早起きを始めてみると、「早起きは人生を変える」と確信した、と。

明らかに1日が長くなって、できることの量が増える。行動量が増えると、知識も経験も出会いも増え、毎日が豊かになっていく——これは「1日10分」の早起きから始められます。

他者の枠組みから卒業し、自分の人生を立ち上げる。それは壮大な計画ではなく、目の前の一つ一つに全力を尽くすことから始まるんです。

まとめ

  • 他者が決めた人格を生きている――私たちは学校教育で「言うことを聞く人間」として製造され、親や社会が敷いたレールの上を歩かされてきました。「おとなしい子」という性格すら、実は他人が決めたもの。28歳という年齢は、「他者が決めた人生」から「自分が選ぶ人生」への移行期限なんです。
  • 正解主義と目的志向の罠――「正解がある」という思い込みが不幸を生みます。スティーブ・ジョブズの「点を打つ」思想が示すように、目的を定めて効率的に動くのではなく、興味の赴くままに行動し、後から振り返ったときにそれらが線になる。大量の情報を浴びて多様な視点を手に入れることが、自分の道を見つける近道です。
  • 自分の人生を立ち上げる実践――「好きな自分」になる選択、給料以上の仕事をする意味、「誰かのため」に動くことの力。目の前の一つ一つに全力を尽くし、すぐに結果を求めず、ただ積み重ねていく。他者の枠組みから卒業し、自分の人生を立ち上げることは、壮大な計画ではなく、日々の小さな実践から始まります。

この記事を書いた人:増田 浩一(増田みはらし書店 店主/中小企業診断士)プロフィール
ビジョン思考・組織・ブランド・生き方について、良書とともに探究しています。

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