【現実とは、誰かの想像でしかない!?】ヴィトゲンシュタイン 世界が変わる言葉|白取春彦

ヴィトゲンシュタイン 世界が変わる言葉
  • いかに、よりよく生きることができるでしょうか!?
  • 実は、世界を変えるのではなく、自らが変わることを選択することが大切かも知れません。
  • なぜなら、自らが唯一変えられる対象だからです。
  • 本書は、そんな視点を提供してくれる1冊です。
  • 本書を通じて、どのように世の中、社会と向かい、自らの人生をアップデートしていくか、ヒントを得ます。
白取春彦
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考えることから!?

ウィトゲンシュタインはオーストリア生まれの哲学者。 英国ケンブリッジ大学教授。 現代英米哲学の形成に指導的役割を果たした一人で、論理実証主義およびオックスフォード学派に影響を与えました。その著書『論理哲学論考』は、世界に多大な影響を与え、長年に渡って今なお読み継がれている古典的名著です。

本書『ウィトゲンシュタイン 世界が変わる言葉』は、彼の言葉を収録した1冊です。

まず考えるべきことは、自分自身についてです。いかに生き方を考える時、だれもあなたのようにあなたのことを考えてくれはしません。まずは、自分で自分のことを真剣に考えてみることが必要です。

自分の頭に帽子を乗せるのが自分だけであるように、考えることはつねに自分がしなければならない。

001 他の誰も自分のようには考えてくれない

自分の感覚を信じるようにしましょう。自分がよいと思ったことを、たとえ誰かから否定されたからと言って、信じることをやめなくてよいのです。あるいは、誰かから賛成されたからと言って、反対に自信を過剰に持つことも違う。人がどうこうということではなく、自分がいかにあるかを考えることです。否定も肯定もたんに表現に過ぎません。言葉に過ぎない・・誰かからなんと言われようと、それで事実がほんの少しも変わってしまうわけではないのです。

世界は描写できない!?

私たちは直線的に考える癖がある

005 私たちは直線的に考える癖がある

今の自分や過去から未来を見通す時に、なぜか、過去の直線的な延長線上を想定してしまうものです。直線的につながっているという真っ直ぐな線を見通しに使ってしまいますが、本当にそうでしょうか。

例えば、2020年世界でコロナが蔓延した時、だれがその大きな変化を予測できていたでしょうか。あるいは、今後、大きな震災がまた起こらないとも言えない。でも、私たちは、そうした変化を予想や予測のもと捉えづらい思考をしてしまいます。

直線的な予測をしてしまうものであるということを知りながら、大きな変化や可能性を感じながら、生きてみることです。実際の世界がどういうふうに変わりつつあるのか、あるいは、変わっていくのかについて思いを馳せてみましょう。

まったく別のルールを使うのだ。今までのルールではなく、別のルールで考えるのだ。

006 別のルールで考えろ

たとえ、今、問題を抱えていたとしても、問題というのは、解決できうるから問題であるのです。というのも、それを「問題」として捉えられている時点で、解決の可能性があります。あらゆる問題は、小さな問いの集まりでもあります。それらに解像度を与えながら、一つ一つ確実に解決策を見出して、実行を試していけば、どんな大きな問題にも向き合っていくことが可能になります。

小さな問題を通じて、探っていくことができれば、そこには新しい発見があり、解決策が見出されていきます。

私たちが、「現実」だと思っていることは、本当の世界ではない可能性があります。私たちには、世界を捉える時に比喩を使ってみたり、あるいは、知覚を活用して思い描いたり、さまざまな捉え方をします。でもそれは自分の解釈や考えというフィルターを通しているため、必ずしも世界や世の中の実態のありのままを捉えていることにはなりません。

ですが、私たちの認知能力には、限界があるため、自分の想像する現実がそのまま世の中であると感じてしまうことに、私たちの限界があります。実態と異なることが多分に含まれるのが、この世界の成り立ちなのであるという視点をいかに持つことができるかも大切なのです。

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沈黙を恐れるな!?

だから、経験とは解釈であるとも言っていいでしょう。そして、知識とは、ただ信じていることに過ぎないということも言えます。

たとえば、過去になにか体験したことについて、それをどのように認識し、自らの中に蓄積されているかが、自分がそれを経験であると認識する術であるということです。そして知識も同じように、自分が「こうだ!」と思ったことのストックです。赤い丸く、そして甘酸っぱいフルーツのようなものは、「りんご」であるという知識は、万能ではありません。もしかしたら、それが、さくらんぼになることもあれば、あるいはただ紙に描かれた騙し絵であることだってあります。

現実かと思われる世界の中で、私たちの知覚や知識、そして、経験や解釈は、非常に曖昧なものでしかないのです。

世界を描写する言葉も、非常に曖昧なものです。とくに概念を表す言葉、たとえば、現実、実現、達成、未来、過去、豊かさ、幸せ、自由、愛などなど、こうした言葉の意味は、一つに収斂されるという感覚だけを私たちに残しますが、しかし、それは幻想です。

こうした危うさを世界を描写するツールである言葉にはらんでいることを知りましょう。

だから、沈黙することを恐れることもありません。世の中の捉え方に慎重になったり、あるいは、それを描写する言葉を見つけるのに検討を重ねていれば、そこにはただ、沈黙が広がります。

沈黙している人に言いたいことがないと思ってはいけない

046 沈黙している人に言いたいことがないと思ってはいけない

言葉は、いつもなにか形あるものになぞらえて語ることができるだけです。現実のことに言葉をあてがうだけ、そう言いうふうにしか表現できないのです。だから、言葉にならない状況や想いを見つけようとしている人は、沈黙にならざるを得ないこともあるでしょう。

だから、沈黙を恐れずに、自らの思考や感覚に焦点を当て続けることで、問題を解決しようと検討してみることは、よりよい道に続いていく可能性があります。

次回の投稿でも、ウィトゲンシュタインさんの言葉のレビューを続けてみます。

まとめ

  • 考えることから!?――自ら考えることから始めてみましょう。
  • 世界は描写できない!?――現実だと思っていることは、単なる信念でしかありません。
  • 沈黙を恐れるな!?――真摯にものごとに向き合う時、必ずしも言葉が必要かと言うとそうではありません。
白取春彦
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