【おかねとは、何か!?】山の上のパン屋に人が集まるわけ|平田はる香

山の上のパン屋に人が集まるわけ
  • これからの時代の企業・経営の在り方は、何が求められるでしょうか!?
  • 実は、山の上の「わざわざ」いかないといけないパン屋さんにヒントがあるかもしれません。
  • なぜなら、当社は人を確実に動かしているからです。
  • 本書は、そんな「わざわざ」という名のパンと雑貨のお店の誕生の物語です。
  • 本書を通じて、価値とは何かについて考えるヒントを得ます。
平田はる香
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「わざわざ」というお店のコンセプトとは!?

当社代表である平田はる香さんは、お父さんから常に問いを投げかけながら育ちました。

私は常に父から「なぜそう思った?」「どうしてそう感じた?」と問われながら育ちました。

「等価交換」じゃないことが、どうしても無理

数学の問題を解くときも、なぜその方程式が生まれたのか、塾に行きたいと願っても、詰め込み型ではなく自分の頭で考えることを説かれていました。テスト勉強も、教科書をやり込むだけだったため、成績は振るわなかったといいます。徹底的に、常識やあたりまえを疑うことについて、意識的になっていったようです。

平田はる香さんは、その後、DJ、ウェブデザイナーとして職を過ごしながら、得意だったパン作りで起業します。最初は移動販売だったようですが、固定店舗を山の上に据えます。

なぜ、山の上に構えたのか・・

それは、平田はる香さんが常に「どこで売るか」「何を売るか」「誰に売るか」を考えた結果だそうです。

「どこで売るか」について、売る場所のことを「プラットフォーム」と考えているそうです。

山の上に店をつくるということは、「わざわざ」のことを知っている人しか来ないということになります。

どこで売る?(どこでどうお金を稼ぐのか)

「何を売るか」については、当初さまざまなパンを販売していましたが2種類に限定していったといいます。カンパーニュと角食パンだけ・・。これには理由があって、小さなお店だから生産性のこともあるのですが、菓子パンなどは、健康を害する恐れがあり、当社が目指す「健康」の提供を阻害すると思考が及んだからだそうです。

「『わざわざ』のパンはデザートではなく食事である」ということをはっきりと認識しました。

何を売る?(何をお金に変えるか)

開業当初は27種類のパン。それを、2種類にまで絞るという決断は、早々できそうにありません。でも当社にはそれができた。その真中には「健康」がありました。自分たち従業員の健康も守る。そして、そのことで、結果的にお客様の健康も守ることになる。それこそが、重要だと気づいたといいます。

そもそも、会社というのは、そうやって従業員や顧客、経営者が三位一体によりよい状況を目指すためにあるのかもしれません。一方的な関係というよりも、相互関係を考えるための軸がなければならないということを、知ります。

過去の投稿「【いかに長期的に豊かな経営を目指せるか!?】経営者・従業員・株主がみなで豊かになる 三位一体の経営|中神康議」もぜひご覧ください。三位一体について別の視点からヒントをくれます。

「誰に売るか」、それは、当社の軸について深い理解を示してくださる方・・となります。広く浅くではなく、まずは深く狭く、理解をしてくださる味方を作れるか!?がポイントということでしょう。

当社のMVVとは!?

そんな当社のミッション、ビジョン、バリューは次のように定義したと言います。

  • Vision(実現したい未来)――人々が健康である社会へ
  • Mission(わざわざの使命)――人々が健康であるために必要であるモノ・コトを提供する
  • Spirit(大切にすべき精神)――全ては誰かの幸せのために
  • Value(約束する価値)――わざわざでサービスを受ければ安心
  • Slogan(わざわざの合言葉)――よき生活者になる

これを制定したのは、採用に失敗したからだそうです。

『わざわざの働きかた』では、夢は語れど現実的な部分が足りなくて、ポエムのようなふわふわした採用になってしまったことが失敗の原因でした。
だから今度は理念だけじゃなくて、人柄や仕事などの具体的な部分がフィットする人を雇用する仕組みを作ろうと考えたのです。

「わざわざ」とは何か、考えた

文化や風土が醸成され、それにフィットする人材を採用するということが重要です。そのためには、文化・風土の明文化が必要なのです。

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当社が「問う」ものごととは!?

「わざわざ」は、新しい事業展開として、2つめの店舗を構えました。ギャラリー、喫茶、本屋を併設した「パンと日用品のわざわざ」ではできなかったことをすべて詰め込んだお店です。

店舗の名前は、「問 tou」。

名前の通り、ものを買うってなんだろうか、どういうことだろうか、そういうことを問い続けるお店にしたい意志を込めています。

私たちが作ったもの
誰かが作ったもの
方々から集めたもの
店はものに値段をつけ
客はそれを買う
もの かね ひと
売る それは店から
客へのひとつの問
問われた客はものさし
持って価値を測る
もの かね ひと
世界にはものの数だけ
問いがある
人の数だけ解もある
touは問う
ものと人とが出会う場所
人と人が話すこと
あえて求めて
皆に問う
もの かね ひと
間にあるのは何ですか

もの かね ひと 間にあるのはなんですか

お金をだれかに渡すことの意味、ものの価値、ひいては「人生とはなにか」を問う、そんな志だと思います。

平田はる香さんは、もの・かね・ひとが常にフラット(対等)であることが大切だといいます。お金を持っているから偉い、有名だからすごい、子どもだから上からものを言ってもいい、そういうことではなく、すべてがフラットな存在であるべきなのではないか?それが、彼女からの問いかけです。

お金は、血液みたいに循環して、価値となります。どこか1点だけに集まってもいけないし、滞ってもいけない。「もの」「ひと」「自分」をぐるぐる回っている変化の状態こそが、良いのかもしれません。

まとめ

  • 「わざわざ」というお店のコンセプトとは!?――わざわざ行く意味を問う場所です。
  • 当社のMVVとは!?――SpiritとSloganをふくめて文化・風土の言語化のために設定しました。
  • 当社が「問う」ものごととは!?――もの・かね・ひとがいかに対等であるか?その先に見える「人生の意味」です。
平田はる香
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