【逆説のポイントとは!?】逆説思考~自分の「頭」をどう疑うか~|森下伸也

逆説思考~自分の「頭」をどう疑うか~
  • どうしたら、常識を疑い続け、自らの思考を展開させることができるでしょうか!?
  • 実は、「逆説」から学べることが多々あります。
  • なぜなら、疑いこそが、自分と社会によりよい思考をもたらすからです。
  • 本書は、そんな「逆説」の効用に関する1冊です。
  • 本書を通じて、いろいろなことを本当!?と考えられる得る力を養えるでしょう。
森下伸也
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常識から自由になるには!?

逆説、つまりパラドックスとは、「一般に正しいとされている常識的な見解に反する見解」です。ことわざにも多く見られていて、たとえば、「急がば回れ」とか「人間万事塞翁が馬」とか「医者の不養生」とか、人間の「知恵」として言葉になっています。

常識から自由になって、(あるいは)常識に逆らって考えることで真理を発見しようとする精神を「パラドックス精神」、あるいは「逆説の精神」とよぶことにしよう。

序章 異端妄説のすすめ

福沢諭吉によれば、「疑」は学問的真理の出発点にあり、かつ、奴隷解放、宗教改革、植民地解放、女性解放などの人類が達成した変革について、「疑」がその原動力になったことを説きました。

「人事(=社会)の進歩して真理に達するの路は、ただ異説論争の際にまぎるの一法あるのみ」

序章 異端妄説のすすめ

疑いをもつ
 ↓
説論を構築する
 ↓
異説争論を行う
 ↓
人事進歩(社会進歩)・真理到達する
 ↓
文明の発達

という流れを説明しました。

過去の投稿「【How to Why型思考!?】「Why型思考」が仕事を変える 鋭いアウトプットを出せる人の「頭の使い方」|細谷功」もあわせてご覧ください。天邪鬼になることが「Why型思考」の起点だと説かれていました。逆説思考と触れるところがあります。

逆説の効用とは!?

文明の発展に寄与してきたと思われる逆説ですが、個人に対してもたいへん効用があります。

パラドックス、じつは社会的効用とおなじくらい個人鉄器な効用がある

序章 異端妄説のすすめ

1)面白い・・ものの見方や世界の見方を変えることができます。
2)頭が良くなる(はず)・・考えを巡らせ頭を使えば退化を免れます。
3)ボケ防止になる・・2000年にもわたり逆説にハマってきた哲学者たちはずば抜けて長い生きが多いです。
4)ユーモア・センスがアップします・・人間関係と人生を照らします。
5)みんなに一目置かれます・・意外な角度からの補助線は、周囲も照らします。

上記のように森下伸也さんは、逆説の効用をまさにユーモアたっぷりに本書の中では紹介をしてくれています。痛快な筆致であり、かつ、内容も奥深く、非常に読み応えのある1冊になっています。ぜひくわしくは実際にお手にとって見ていただきたく思います。

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3つ基本型とは!?

逆説には、3つのパターンがあります。

逆説思考は、読んで字のごとく「とにかく常識の逆をいこう」というのが基本だから、その思考パターンは、わりと単純に表現することができる。

第1章 逆説とはなにか

転倒

常識が「AはBだ」というなら、「AはBではない」というのが逆説思考の基本型です。主題となるもの(A)の性質、あるいは属性(B)を点灯させ逆向きに捉えているので、転倒思考と呼びます。

例えば、「戦争は悪である」というのが、常識だとすると、「戦争は善である」というのが転倒思考になります。戦争は、どうしてなくならないのか?という視点にも立てば、この「戦争は善である」の考えに迫ることができます。戦争がなくならないのは、ある種の戦争は善だと思う人がいて、利益になると思う人がいて、そして、面白いと思う人がいるからなくならないのです。場合によっては、戦争とは必要悪で、善であると思う人も中にはいるということです。「戦争は悪だ」といいながら、戦争に関わるコンテンツは世界で大量につくられています。誰もが戦争に親しんでいるといっても過言ではないかもしれなない。そしてそれが経済効果をうんだりもする。

そう捉えていくことで、「戦争は悪である」ということを盲信して唱えているだけではない、視点からものごとの本質へ迫ることができる可能性があります。

逆因果

常識が「AならB」だというなら、「AならBではない」というのが逆因果です。あるものとあるものの因果関係を逆に捉えるものです。

上述のことわざ、「急がば回れ」もこれです。「急ぐなら、回りなさい(=ゆっくりやりなさい)」ということを説いているわけで、「急ぐなら、当然のように速くやらなければならない」という「常識」に反する主張です。

因果反転

常識が「AならBだ」というなら、「むしろBだからA」だというのが因果反転です。因果関係をまさに反転するアプローチです。

例えば、ジェームズ=ランゲの行動感情理論において、次のような言葉があります。

「人間は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」

ジェームズ=ランゲ行動感情理論

涙が溢れるうちに、悲しくなってくるというのもまた正しいようにも思われます。「悲しい(感情)→泣く(行動)」よりも、「泣く(行動)→悲しい(感情)」という関係の方が事態を正確に表現するようになっています。笑いや怒りについても同じような性質があることに気が付きます。因果関係を反転させることで、より正しい認識に至ることもありそうです。

次回以降も、逆説思考で語られたり、証明されたりした考えや理論を、本書の中からご紹介してみたいと思います。ぜひご覧ください。

まとめ

  • 常識から自由になるには!?――疑いを大切に、逆説思考を導入してみましょう。
  • 逆説の効用とは!?――個人の思考を変え、ひいては社会・文明を発達させていきます。
  • 3つ基本型とは!?――転倒・逆因果・因果反転を知りましょう。
森下伸也
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