赤、と言う。
でもその赤の中には、黄色に寄った赤も、黒に沈んだ赤もある。本当は無数の場所に散らばっているものを、ひとつの名前でまとめている。
分けることは、悪いことではありません。むしろ、分けなければ何も選べないし、何も語れない。二元論も同じで、正しいか間違っているか、味方か敵か。決めた瞬間、世界は急に扱いやすくなる。
問題は、その線を引いたことを忘れてしまうことだと思う。
しかも世界は止まっていない。赤と黄色の境目は、今日と明日で同じ場所にあるとは限らない。揺れ動いているものを、ある一瞬だけ切り取って「わかった」と呼んでしまう。
決めつけないでいるというのは、たぶん前に進むことではありません。むしろ、一度「わかった」を手放して、後ろに戻るような身振りに近い。
わかった気にならないこと。
二元論は、落とし穴。
この記事を書いた人:増田 浩一(増田みはらし書店 店主/中小企業診断士)プロフィール
ビジョン思考・組織・ブランド・生き方について、良書とともに探究しています。
