まだ名前のない言葉 #0006|わかった瞬間、動いているものを止めてしまうこと

二元論は、落とし穴。——まだ名前のない言葉 #0006/増田みはらし書店

赤、と言う。

でもその赤の中には、黄色に寄った赤も、黒に沈んだ赤もある。本当は無数の場所に散らばっているものを、ひとつの名前でまとめている。

分けることは、悪いことではありません。むしろ、分けなければ何も選べないし、何も語れない。二元論も同じで、正しいか間違っているか、味方か敵か。決めた瞬間、世界は急に扱いやすくなる。

問題は、その線を引いたことを忘れてしまうことだと思う。

しかも世界は止まっていない。赤と黄色の境目は、今日と明日で同じ場所にあるとは限らない。揺れ動いているものを、ある一瞬だけ切り取って「わかった」と呼んでしまう。

決めつけないでいるというのは、たぶん前に進むことではありません。むしろ、一度「わかった」を手放して、後ろに戻るような身振りに近い。

わかった気にならないこと。

二元論は、落とし穴。


この記事を書いた人:増田 浩一(増田みはらし書店 店主/中小企業診断士)プロフィール
ビジョン思考・組織・ブランド・生き方について、良書とともに探究しています。

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