- 新しい仕事を任されたとき、「自分には無理かもしれない」と思ったことはありませんか?
- 実は、こうした内なる声こそが、私たちの成長を最も妨げている要因なんです。
- なぜなら、学びに対する姿勢は生まれ持った才能ではなく、意識的に変えることができるものだからです。
- 本書は、30年以上リーダーシップ開発に携わってきたエリカ・アンダーセンが、成功する人とそうでない人の決定的な違いを解き明かした一冊です。
- 本書を通じて、私たちは戸惑いや困難をポジティブな学びの機会に変える方法を学ぶことができます。
エリカ・アンダーセンは、リーダーシップ開発とビジネスコーチングの分野で30年以上のキャリアを持つコンサルタントです。
彼女が設立したプロテウス・インターナショナルは、Fortune 500企業を含む多くの組織でリーダー育成プログラムを提供しており、その実績は高く評価されています。
アンダーセンがこの本を執筆した背景には、長年のコンサルティング経験の中で見えてきた、ある重要な事実があります。それは、成功するリーダーとそうでない人の決定的な違いは、能力やスキルの差ではなく、「学び続ける姿勢」の有無だということです。
多くのリーダーやビジネスパーソンが、変化の激しい時代に適応できず苦しんでいる姿を目の当たりにしてきた彼女は、「学ぶこと」そのものへの姿勢を変えることで、人は何歳からでも成長し続けられると確信しました。
この本は、単なる学習テクニックの指南書ではありません。むしろ、学びに対する根本的な態度や内面の声を変えることで、人生の様々な局面で前向きに成長していくための実践的なガイドとなっています。
戸惑いを学びに変える「内なる声」の力
人生には、予期せぬ変化や困難が次々と訪れます。
新しいプロジェクトを任されたとき、転職を考えるとき、あるいは今まで経験したことのない課題に直面したとき。
そんな瞬間、私たちの心の中には必ず「内なる声」が響くんです。
「こんなこと自分には無理だ」「すでに遅すぎる」「退屈だ」「これは自分には向いていない」。
こうしたネガティブな声は、学びの妨げとなる最大の障壁なんですよね。
でも、ここで重要なのは、この内なる声は変えることができるということです。
画像で示されていた「内なる声を変える」というフレームワークは、もっとも重要なアプローチだと思いました。
たとえば、
- 「こんなことを学ぶ必要はない」という声を「これを学べば、私の将来はどうなるか」に変える。
- 「すでにこれには熟達している」を「本当にそうなのか、同僚と比べてどうか」に変える。
- 「退屈だ」を「なぜ他の人はこれを面白いと思うのか」に変える。
- 「これは実に苦手だ」を「いまは初歩的なミスを犯しているが、そのうちうまくなる」に変える。
心理学のキャロル・ドゥエックが提唱する成長マインドセットによれば、仕事に対する姿勢をどのように変えればもっと面白くなるかを考えることで、必要な事柄に取り組む意欲が生まれるという。すなわち、「この仕事は退屈だ」という内なる声を「私はこの仕事をどのように変えればもっと面白くなるか」に変えるのである。
この転換は、単なるポジティブシンキングではないんです。
むしろ、戸惑いや困難を「学びの機会」として再定義する、実践的な認知の転換なんですね。
私自身、仕事で新しいツールやシステムの導入を求められたとき、最初の反応は「また面倒なことが増えた」というものでした。
でも、それを「これを習得すれば、自分の仕事の幅が広がるかもしれない」と捉え直すだけで、学びへの姿勢がガラリと変わったんです。
つまり、学びの姿勢というのは、困難や戸惑いに直面したときの「最初の反応」を意識的にコントロールすることから始まるんですね。
この内なる声の転換こそが、人生のあらゆる場面でポジティブなスタンスを保つ鍵になるんです。
学びに成功する人が持つ4つの特性
では、実際に学びの姿勢を身につけ、人生を豊かにしている人たちには、どんな共通点があるのでしょうか。本書では、学びに成功した人々に共通する4つの特性が明らかにされています。
1つ目は「願望を持っていること」です。
成長の機会を求めて周囲を見渡し、従来とはまったく異なる能力を身につけようとする学びの姿勢が求められる。
これは単なる好奇心ではなく、自分の将来に対する積極的な投資意識なんですよね。
2つ目は「自己を正しく認識していること」です。自己認識、つまりセルフアウェアネスは、この10年ほどの間にほとんどのリーダーたちが重視するようになった概念です。
自己評価が最も正確な人たちは、自己を問うことを評価の第一歩としていることに気づいた。すなわち自分の弱点には偏りが多い、あるいは見えにくいことを理解して、より客観的になろうと努力しているのだ。
これは本当に重要なポイントで、自分を過大評価している人は学びの機会を逃し、過小評価している人は挑戦を避けてしまうんですよね。
ほとんどの場合、批判されると自己弁護に走るものです。
しかし自分がどう感じたかを述べるよりも、「それは正しいか」「その受け付けとなる事実はあるか」「これは私が得意と思うことか」「その思い付けとなる事実はあるか」といったように反省すると、上司や同僚との関係の中で、自分の能力がより正確に見えてくるんです。
3つ目は「好奇心があること」です。好奇心は学びの最も強力なエンジンなんです。
人間は、心から何かを学びたい時にはポジティブな面——すなわちそれを学ぶと、どんなメリットがあるか——ばかりに目が行き、学習の成果をまさに人間を行動に駆り立てる源泉なのだ。問題や課題からメリットに目を転じることが、当初は困難だったことに取り組む忘れがたい研究を生んだという研究結果もある。
次にあなたが仕事で何かを学ぶように指示されたとき、あるいは同僚が学んでいるので自分もそうすべきだと感じた場合は、それに対する好奇心から生まれた疑問を考え、答えを自ら導き出すとよいでしょう。
「他人は何をどのように学ぼうとしているのか」「他人と学び方をどのように共有すべきか」「他にもっと熟計しているのはなぜか」「これによって私の仕事は進みやすくなるのか」といったことを問い続けることで、「退屈な」トピックについて、好奇心を喚き立てる何かを一つだけ見出すことができるんです。
4つ目は「弱点を受け入れること」です。
優れた学習者は初心者という状態を受け入れ、自分の弱みをさらけ出すことができます。
初心者にとって理想的な考え方は、弱みを受け入れると同時にバランスを保つことだ。すなわち「初めのうちは未経験なのだから、うまくいかない試験や試練を受け入れないことから始める」という考え方から、「やり方がそのうち身につくことはわかっている」というバランス感覚を保つのである。
これら4つの特性は、決して生まれ持った才能ではありません。
むしろ、意識的に育てることができる姿勢であり、習慣なんです。
学びの姿勢がもたらすポジティブな連鎖
学びの姿勢を持つことの最も素晴らしい点は、それが人生にポジティブな連鎖を生み出すということです。
何か新しいことに戸惑ったとき、「これは学びの機会だ」と捉え直すことができれば、その瞬間から物事の見え方が変わります。
失敗は挫折ではなく、成長のためのフィードバックになります。
困難は障害ではなく、自分を鍛えるチャンスになります。
批判は攻撃ではなく、改善のヒントになります。
この視点の転換が、人生のあらゆる場面に影響を与えるんですよね。
次にあなたが仕事で何かを学ぶように指示されたとき、あるいは同僚が学んでいるので自分もそうすべきだと感じた場合は、それに対する好奇心から生まれたこの疑問を考え、答えを自ら導き出すとよい。「他人の仕方に学び取ろうとしてはいけない」「他人と学び方をどのように共有すべきか」「他にもっと熟計しているのはなぜか」「これによって私の仕事は進みやすくなるのか」。そして答えは何か。その答えは何か—中略—「退屈な」トピックについて、好奇心を喚き立てる何かを一つだけ見出すことだ。
職場では、新しいプロジェクトや役割を恐れるのではなく、自分の成長につながる機会として前向きに受け入れることができます。
人間関係では、他人からのフィードバックを防御的に受け取るのではなく、自己認識を深めるための貴重な情報として活用できます。
プライベートでは、年齢を重ねても新しい趣味や挑戦を始めることへの抵抗が減り、人生の可能性が広がります。
そして何より、この学びの姿勢は、極めて優秀である——ということに気づく可能性をもたらすんです。
つまり、学びの姿勢を持つことで、私たちは単に知識やスキルを増やすだけでなく、人生そのものに対する態度を変えることができるんですね。
戸惑いや不安を感じる瞬間こそが、実は最大の成長のチャンスなんです。
「こんなこと学ぶ必要はない」と思ったら、「これを学べば私の将来はどうなるか」と問いかける。
「もう遅すぎる」と感じたら、「本当にそうなのか、同僚と比べてどうか」と自分に問う。
この小さな声の転換が、人生を大きく変える第一歩になります。
私たち人間には好奇心があるからこそ、自力でこなせるようになるまで何かを試し、理解できるようになるまで考え続けることができる。
学びの姿勢を持つということは、人生のどんな局面でも、常に成長し続けられるという希望を持つことなんですよね。
それは決して簡単なことではありません。
内なる声を変えることには、継続的な努力と意識が必要です。
でも、一度その姿勢を身につければ、人生のあらゆる困難が「乗り越えるべき障害」から「成長するための機会」へと変わっていくんです。
そして、その変化こそが、人生を本当に豊かにするものなのだと、私は確信しています。
学びの姿勢は、単なるスキルアップの方法ではありません。
それは、人生を前向きに、ポジティブに、そして主体的に生きるための根本的な態度なんです。
何歳からでも、どんな状況からでも、私たちは学び続けることができます。
そして、学び続ける限り、私たちは成長し続けることができるんです。
学びを継続させていくための習慣についての論点については、こちらの1冊「時間をデザインせよ!?『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』ジェイク・ナップ他」もぜひご覧ください。

まとめ
- 戸惑いを学びに変える「内なる声」の力――困難や戸惑いに直面したときの「最初の反応」を意識的にコントロールするのです、ここには、「学び」があると。
- 学びに成功する人が持つ4つの特性――4つの特性、つまり、願望を持っていること、自分を正しく認識していること、好奇心があること、そして、弱点を受け入れていることを大切にしましょう。
- 学びの姿勢がもたらすポジティブな連鎖――学び続ける限り、私たちは充実した生をまっとうするために常に自分自身を変え続けていくことが可能になります。
