- どうしたらよりよく生きていくことができるでしょうか。
- 実は、世界をどのように捉えるかが重要かも。
- なぜなら、世界とは、自分の認識でしかないからです。
- 本書は、「現実に起こる出来事は、ひとつの結果で、その原因は自らにある」と捉えるための視点を提供してくれる1冊です。
- 本書を通じて、人生とは何かを考えるきっかけを得ます。
鏡の法則とは!?
野口嘉則(のぐち・よしのり)さんは、「自己受容」や「家族関係」、そして「自己実現」といったテーマを中心に活動する心理カウンセラー・プロコーチ・作家です。
実は、野口さん自身も、かつて深い悩みを抱えていた一人。高校時代には対人恐怖症に苦しんでいたといいます。しかし、大学進学を機に心理学と東洋哲学を学び、その実践によって自らを立て直していきました。
その後、(株)リクルートを経て独立。
メンタルマネジメントの講師としてのキャリアをスタートさせたのち、家族療法や来談者中心療法、ユング心理学やトランスパーソナル心理学など、多様な心理学的アプローチを学び続けてこられました。
1999年からは心理カウンセラーとして本格的に活動を開始し、2003年にはプロコーチとしても活動の場を広げていきます。特に、夫婦や親子といった“身近な人間関係”に焦点を当てた「カップルコーチング」「ファミリーコーチング」は、多くのクライアントに変容のきっかけを与えてきました。
企業経営者の夫婦間サポートなど、ファミリービジネスの現場でも多くの実績をお持ちで、FBAA(Family Business Advisor Association)の資格も取得されています。
現在は、メールマガジンやSNS、動画セミナーなどを通じて、「幸せに生きるとは何か」「どうすれば自分を愛し、肯定できるのか」といった問いに向き合うメッセージを発信し続けています。
主な著作には、250万部を超えるベストセラーとなった『鏡の法則』をはじめ、『3つの真実』『心眼力』『「これでいい」と心から思える生き方』など、いずれも“自分自身との対話”を促す一冊ばかり。どれも、生き方に静かな気づきをもたらしてくれる内容です。
本書が伝えてくれるのは、「必然の法則」です。これを学ぶことによって、実は人生で起こるどんな問題も、何か大切なことを気づかせてくれるために設定されているのではないか、と常に考えることができるようになります。
つまり偶然起きるのではなくて、起こるべくして必然的に起こるんです。
自分自身に解決できることを中心に与えられているというスタンスでものごとに向き合っていくことで、それらから過剰に逃げずに、自分の手元に引き寄せて、解決に向けて前向きにのぞんでいくことができるようになります。
ものごとを「全て自分が解決できるから起きている」「前向きに取り組めば、『あの問題が起きてよかった。そのおかげで・・・』といえるような恩恵をもたらすかもしれない」と思えるようになります。
なぜこんなことが、いま自分の身に起こるのだろう?
ふと、そんな風に立ち止まってしまうことはありませんか?
思いがけないトラブルや、避けたかった人間関係の摩擦。
できれば避けたかった「現実」が、なぜか何度も自分の前にあらわれる。
単なる試練ではなく、自分自身の内面に向き合うための“気づきの扉”として、それを受け止められるようになるのです。
これは人類の宿題!?
この「鏡の法則」、あるいは「必然の法則」ともいえる考え方は、
実は何も新しいものではありません。
たとえば、仏教における因果応報という教え。
あるいは、東洋哲学における「心が現実をつくる」という世界観。
さらには、キリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教など、世界の伝統的な宗教にも
「行いが巡って返ってくる」という思想は数多く見られます。
なぜ、世界中で同じような教えが繰り返し語られてきたのでしょうか?
それは、人類が長い歴史の中で、どうにもならない現実と向き合うとき、
“外側”ではなく“内側”にこそ答えがあるのではないかと考えてきたからではないでしょうか。
理不尽な出来事、不都合な現実。
それでもなお、人は「そこから何を学べるのか」と、自分自身に問いを立ててきた。
本書が語る「鏡の法則」とは、
そうした人類の内的探求の系譜の中で語られる、静かな知恵のひとつなのかもしれません。
この法則の観点で考えるなら、私たちは、人生において困難な問題に直面したとき、その問題をメッセンジャーとして捉えることができます。「自分の心の中を見つめ直す必要がある」ということを教えてくれるメッセンジャーです。
もしも、この法則の観点で人生を捉えるなら、
私たちが日々出会う困難な出来事や悩ましい問題は、単なる“障害”ではなく、
大切なメッセージを携えてやってくる“メッセンジャー”なのかもしれません。
なぜこんなことが起こるのか?
その問いを、自分の心の中へと向けてみる。
すると見えてくるのは、
忘れていた怒り、認めたくない不安、押し込めていた悲しみ――
そんな、自分の内面にずっとあった感情たちです。
本書は、それらをやさしく照らし出しながら、
「まず、自分の心に向き合ってごらん」と語りかけてきます。
「ゆるす」で自由になれる!?
本書が語る「ゆるし」は、
何も“相手のため”に行うものではありません。
「過去の出来事」や「誰かの言動」によって、
私たちの心が今なお縛られているとしたら――
一方、「ゆるす」という選択をしたとき、私たちは過去の呪縛から解放され、やすらぎと精神的な自由を手に入れることができます。また、ゆるすことで、私たちの体も心もゆるみ、リラックスできます。
ゆるすことで、心と体がふっと緩み、リラックスできる。
そして、ようやく「今この瞬間」に、自分を取り戻すことができるようになる。
ここで大切なのが、変えられるものと、変えられないものを見極める視点です。
相手の性格や過去の出来事を変えることはできません。
でも、それに対して抱いている「自分の感情」や「意味づけ」は、
自分自身の選択によって、変えることができる。
だからこそ、“ゆるし”は“赦し”であり、同時に“自由”への扉でもあるのです。
実はこの「変えられるものと変えられないものを見極める」という視点は、
古代ローマの哲人たち――ストア派の中でも重視されてきた教えです。
ストア派の代表的な思想家、エピクテトスはこう語ります。
「私たちを苦しめるのは、出来事そのものではなく、それについての“解釈”である」
つまり、外部の出来事はコントロールできない。
でも、それに対して自分がどう反応するか、どう意味づけるかは、自分で選べる。
この考えは、本書の「鏡の法則」とも深く通じ合っています。
たとえば、誰かに傷つけられたとき、
ストア派は「相手の行動は私の範疇ではない。だが、どう向き合うかは私の選択だ」と説きます。
同じように、本書では「相手の行動を正当化する必要も、許可する必要もない。ただ、自分の中にある怒りや憎しみから自分自身を解放するために“ゆるす”という選択がある」と語るのです。
この共通点が教えてくれるのは、
“ゆるす”とは、他者のための行為ではなく、自分自身を自由にする態度だということ。
つまり――「現実を変えることができなくても、“自分のあり方”は変えることができる」
その視点を持てたとき、人生の重さは少しずつ軽やかになっていきます。
ストア派については、こちらの1冊「【真の生き方とは?】2000年前からローマの哲人は知っていた 自由を手に入れる方法|エピクテトス」もぜひご覧ください。

まとめ
- 鏡の法則とは!?――常に自分に起きるものごとを前向きに解釈する視点です。
- これは人類の宿題!?――「鏡の法則」は、哲学が宗教の発展とともに磨いてきた論点でもあります。
- 「ゆるす」で自由になれる!?――変えられること、変えられないことを見極めることです。