みんなで働くのって、きっと楽しい!!『ニッポンのはたらく人たち』杉山雅彦

ニッポンのはたらく人たち
  • 働くってなんでしょうか。
  • 実は、とっても楽しくて、美しくて、カッコよくて、面白いことかもしれません。
  • なぜなら、人は人のために何かを取り組んでいるときが、最も輝くから。
  • 本作品は、劇的おしごと写真家の杉山雅彦さんによるニッポンの働く現場の劇的写真集です。
  • この作品を通じて、そもそも仕事とは何かを考えるヒントを得られます。
杉山雅彦
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働くってなんだろう!?

杉山雅彦(すぎやま・まさひこ)さんは、広告写真や雑誌・企業PRなどの分野で活躍されてきたフォトグラファーです。人の表情やしぐさ、仕事場に漂う気配をとらえることに長けたその視線は、ドキュメンタリー的でありながら、どこか詩情も感じさせます。

ニッポンのはたらく人たち』は、そんな杉山さんが全国を巡り、職場に立つ人々を撮影した写真集です。飲食店、工場、漁港、商店街、保育園…。そこに写るのは、誰かのために働く人のリアルな姿。整えられたポーズでも、つくり笑顔でもない、日々の営みのなかにある「誇り」と「人間らしさ」が写し出されています。

杉山さんの作品は、こちらのサイトからもご覧いただけます。

働くって楽しい、
働くって美しい、
働くってカッコイイ、
働くが一番おもしろい。

働くとは、そもそも何でしょう。

それは、生活のための手段でしょうか。
社会との接点? 自己実現? あるいは、やむをえず背負った責務?

しかし、杉山雅彦さんの写真を見ていると、そんな頭で考えた定義を、そっと脇に置きたくなります。そこに写っているのは、「働くとは、こういうことだ」と語るのではなく、「この瞬間を見てくれ」とだけ差し出してくるような、静かで強いまなざしなのです。

都市化、効率化、リモートワーク、副業解禁。
「働く」をめぐる風景はここ数年で大きく様変わりしました。

しかし、ふと立ち止まって考えてみると、私たちが“仕事”という言葉に重ねるイメージには、まだどこかに古びた記号――「ブラック」「消耗」「報酬」――が残ってはいないでしょうか。

だからこそ今、「働く」という営みの本質を、もう一度見つめ直すことが必要なのかもしれません。

効率や肩書ではなく、“はたらく人”そのものの姿に、私たちはいま、何を感じるのか。

最高のお仕事の瞬間とは!?

この写真集の出発点は、静岡の小中学校で配布されるフリーペーパー『コドモンデ』でした。

その表紙に毎号掲載される一枚の写真――そこに写るのは、ある会社や工場の人々が一斉に並び、業務の「まさにその瞬間」を切り取った、力強くも美しいワンシーン。部署ごとではなく、「チーム全体」を一堂に介して、さらには作業中の動きを“そのまま”に、複数のストロボを駆使してドラマチックに切り取るという、独自のスタイルで撮影されました。

たとえば、天井クレーンが宙を舞う鋳物工場、髪を結ぶ美容師たちの指先、魚市場で氷を砕く一瞬の筋肉、保育園で子どもたちをあやす保育士の笑顔と躍動…。
どのカットも、職場というより「舞台」に見えるほど、張りつめた臨場感があります。

そう、これは、そのようにタイトルが設定されていますが、“お仕事図鑑”ではなく、もはや“生きる瞬間のドキュメント”なのではないでしょうか。

全ての作品で合成なしの一発撮りを目指します。

杉山雅彦さんの写真は、一見すると完全なドキュメンタリーではありません。
なぜなら、それは「演出されたドキュメンタリー」だからです。

彼は自らその手法を“ヤラせドキュメンタリー”と名乗ります。
一見、矛盾をはらんだ言葉に見えるかもしれませんが、そこにこそ彼の写真家としての哲学があります。

実際の職場で、実際の人々が、実際の動作をしている――
けれど、そのタイミングを見計らい、光を設計し、構図を整える。
つまり、これは「本当のような嘘」でもなく、「嘘のような本当」でもなく、
“リアルの最大瞬間風速”を、1枚に凝縮した芸術的な記録なのです。

私たちは、なぜそうした写真に心を動かされるのでしょうか。
それは、普段は見過ごしてしまう“働く姿の美しさ”を、
一度立ち止まって「これは美しいものだ」と提示してくれるからです。

偶然であること、一瞬であること、真実であること

現代のSNS社会では、手触りのない言葉と情報が飛び交います。
けれど、杉山さんの写真は、汗、光、笑顔、緊張、集中、連携……そうした“現場のエネルギー”を視覚化し、わたしたちに「働くってこういうことなんだ!」と強烈に印象深く語りだします。

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杉山さんの“楽しい”をフィルターに!

杉山雅彦さんの『ニッポンのはたらく人たち』は、
単なる仕事図鑑でもなく、職業の見本帳でもありません。
それは、“働くことのリアルな美しさ”を、正面から見つめた写真詩集です。

そこには、汗のにおいも、チームワークも、誇りも、そして葛藤も写っています。
それを演出しながら、同時にリアルとして写し取るという矛盾を引き受けることで、
私たちはかえって、ほんとうの“生”の瞬間に出会えるのかもしれません。

そしてこの写真集は、杉山さんご自身が写真家として、
「働くということ」に向き合った結果でもあります。
現場から逃げず、そこへ飛び込んでいったからこそ生まれた一枚一枚。
働く人々にレンズを向けることで、ご自身もまた「働く人」としての道を切り拓いていかれたのでしょう。

「楽しい」が世界を変えていく

働くことは、おもしろい。
この言葉の重みを、あらためて深く受け止めたくなる一冊です。

杉山さんの作品サイトからお借りして掲載させていただきます。一同に介する劇的お仕事写真、迫力満点です!

まとめ

  • 働くってなんだろう!?――それは、本来楽しい最高の瞬間です。
  • 最高のお仕事の瞬間とは!?――みんなが、その場、その瞬間を共有する勢いです。
  • 杉山さんの“楽しい”をフィルターに!――何より、写真家としてのお仕事を楽しんでいる杉山さんの姿を想像します。
杉山雅彦
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