- 充実した人生のためには、何が大切でしょうか。
- 実は、“富”を考えることかも。
- なぜなら、それは、人生にとって欠かせないファクターだからです。
- 本書は、“富”を考える、つまり「ウェルシンキング」な1冊です。
- 本書を通じて、世界、人、自分を信じ、壁を作らない生き方を実現します。

ウェルシンキングとは!?
どうすれば、もっと豊かに生きていけるのでしょうか。
実は、お金が寄ってくる「考え方」があるのかもしれません。
なぜなら、富は偶然ではなく、思考の“習慣”がつくり出している可能性があるからです。
本書は、富を引き寄せる人々のマインドを読み解く1冊です。
ケリー・チェ(Kelly Choi)は、韓国出身の起業家・投資家であり、ライフスタイルブランド「ケリーチェ・スタイル」を運営するなど、多方面で活躍する女性経営者です。成功した富裕層たちとの交流や自身の経験をもとに、「お金と人間性」の関係を考察し続けています。
韓国を拠点に、グローバルな視点で富や成功の本質に迫る活動を展開しており、本書は韓国でもベストセラーとなりました。
努力しても報われない、自分ばかりが損をしている気がする。そんな不公平感を覚えたことはないでしょうか?
ケリー・チェは、「お金は人を見ている」と語ります。つまり、あなたの“思考”そのものが、すでにお金に影響を与えているというのです。
では、どのような人が「お金に好かれる」のか?
お金は、しばしば目的の象徴として語られます。しかし本書では、「お金とは、その人の信念・価値観・生き方を映し出す鏡である」という前提が置かれています。
つまり、「お金持ちになる方法」ではなく、「お金持ちになる“人格”」をつくることが、本書の核心テーマです。
そんな「お金持ち人格」を目指すことを思考することを、ケリー・チェは、ウェルシンキング、つまり、ウェルス(wealth)+シンキング(thinking)という造語で、定義します。
最高の自分になるためには、<ウェルシンキング(wealth[富]+thinking[思考])>を自覚しなければならない。
このウェルシンキングとは、善い行いをするための人格を磨くということです。善い行いがあれば、それは、自らが設定する「夢」を考える行動を引き出し、そして、仮に危機が訪れることがあっても、それを乗り越えていく覚悟と勇気を提供してくれるものです。
富とはなにか!?
ケリー・チェは、この善い行いについて、具体的に成功者をレビューする中で、7つの法則を発見したといいます。
1)目標は簡潔かつ明確にする
2)目標達成のデッドラインを決める
3)ゴールを具体的に想像する
4)アクションプランを立てる
5)悪い習慣3をやめる;著者・ケリーの場合は「お酒」、「消耗型の遊び」、「パーティ」
6)目標を書いて貼る
7)夢(目標)を100回声にする
この7つの法則に共通しているのは、「思考」と「行動」の一致です。
つまり、ただ願うだけではなく、具体的に言語化し、視覚化し、そして身体を動かすこと。
成功者たちは、“偶然”ではなく、“習慣化された選択”によって、富を引き寄せているのだということがわかります。
とくに注目すべきは、「悪い習慣をやめること」も、成功への大きなステップになるという点です。
ケリー自身が語る「お酒」「消耗型の遊び」「パーティ」を断つという選択は、現代に生きる私たちにとっても、耳の痛い、しかし本質的なアドバイスでしょう。
欲望に流されず、自分の時間と意志の使い方を整えること――
これこそが、「お金に選ばれる人格」を形成する土台なのです。
また、目標を「貼る」「声にする」という行為も印象的です。
思考は、意識しなければすぐに消えていきます。
だからこそ、毎日見える場所に貼り、声に出すことで、無意識にまで浸透させていく。
これは、自己洗脳ではなく、「意志を定着させる儀式」のようなものとも言えるでしょう。
成功者は、多くが、自分の意志を明確にしようと、内面を深堀りします。
人生は自分に何を期待しているのか?この人生で学ぶべき本質とはなにか?そうした深い論点を絶えず探索しながら、日常生活の中でも、目標を意識して、自分と他者のために尽くしていくことが、成功のためには欠かせないということです。
こうした考え方や行動によって、人格が磨かれていくのです。
お金は、それすなわち富でしょうか?
実は、そうではないですよね。富の一部にお金が含まれるかもしれませんが、お金があれば豊かな富を手にできるかどうかということは、違います。
真の意味での富とは、自分に入るお金を他者に漏れないように守ることではない。自分を通してお金を他者へと届ける全プロセス、善なる影響力の拡大のことだ。
この宇宙のエネルギーの法則を見つめると、それは他者のためにあることについて、注がれていく、つまりその周囲に富を作り出していくということになります。
だから、富を掴み取りたいという目的・目標が他者のためにあるのであれば、その力は自ずとあなたを富者にすることができます。
一方で、さしあたり自分の懐を単に温めたいだけなのであれば、富者になることは諦めたほうが良いでしょう。
宇宙のエネルギーのベクトルを信じるのであれば、富を得るために、いや結果的に富を得てしまうためには、他者とともにあることを想定できるかどうか、という人格の問題であるということに行き着くのです。
つまり、富とは「循環させる力」であり、その人が担う“流れ”の大きさに比例して訪れるものなのです。
自分の器に閉じこもるのではなく、どれだけ他者とつながり、社会とつながり、宇宙のリズムと共鳴できるか。
そこに、「富者の思考」が宿るのだと、ケリー・チェは語りかけてきます。
善意を持ち、他者と調和しながら、自らの目標を明確に持ち、日々を積み重ねていく。
それは、スピリチュアルなようでいて、実は極めて具体的で現実的な“生き方の技法”でもあるのです。

富の品格とは!?
富む人の品格をまとめてみましょう。
- 財力
- 貢献
- 人格
他者とともにあり、その関係の中で豊かな世界観をつくるということを目的として、財を循環させ、そして、そのための人格を絶えず磨き続ける人が、真の富者となるのであるということでしょう。
人類は進化と発展を繰り返してきた。何より、他者を助けるために富を築こうとする人々の意志で発展し続けてきた。
他者のためにではなく、自分のためだけにものごとを考えてきたのならば、人類はここまで発展することはなかったのではないでしょうか。
利他の精神というのは、実は、それ自体が、豊かさへの入口でもあるということなのです。
ウェルシンキングとは、つまり、貧者と富者を分かつものです。その根底には、他者のためにいかにあるか?という精神があり、そして、その手段としてお金や財を活用するという行動や考え方が生み出される構造があります。
私たちは、「豊かになる」ということのイメージをアップデートしていく必要があるのです。
「富者の思考」とは、単なるマネースキルや成功法則ではありません。
それは、財力を持つだけでなく、それを社会へと流し、他者と共に活かす意志を持つこと。そして、その営みを支える人格の成熟と、自己を省みる姿勢にこそ宿るのです。
利他の精神をもとに、貢献する。
そしてその貢献が、さらに豊かさを生み出す――
この善循環の中に、真の意味での「富」が生まれます。
私たちが「豊かさ」と聞いて思い浮かべるイメージを、そろそろ更新すべき時なのかもしれません。
ただの蓄積ではなく、関係性のなかで価値が広がることこそが、これからの時代における富の定義。
お金に選ばれる人になるということは、言い換えれば、「人と世界に選ばれる生き方」を志すということなのです。
富について考える時に、こちらの1冊「何があれば、あなたは満足か!?『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』スコット・ギャロウェイ」「全人格がキー!?『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』スコット・ギャロウェイ」もぜひご覧ください。


まとめ
- ウェルシンキングとは!?――富をもたらす思考です。
- 富とはなにか!?――他者のために循環させる力によって結果的にもたらされるものです。
- 富の品格とは!?――他者のための人格によって、財力を回していく力を宿します。
