私たちは、すべて“波”である!?直感も閃きも『波動の法則――宇宙からのメッセージ』足立育朗

波動の法則――宇宙からのメッセージ
  • どのような生き方をしていると、満たされる感覚に包まれるでしょうか。
  • 実は、直感、ひらめきを大切にするとよいかも。
  • なぜなら、それは、この世界との調和と接続によってもたらされるものだからです。
  • 本書は、世界の真実の姿を感じるための1冊です。
  • 本書を通じて、つながりの中の自分を感じることができるでしょう。
足立育朗
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直感と閃きを阻害している!?

足立育朗(あだち・いくろう)さんは、「波動」というキーワードを軸に、独自の宇宙観と生命観を打ち出してきた思想家・ヒーラーです。

もともとは建築設計や音響設計などの分野で活動していた工学的バックグラウンドを持ちつつ、1970年代からは「波動」の存在を感知する能力に目覚め、あらゆるモノや空間、人間関係、社会のシステムにまで波動の法則を応用する研究を深めてきました。

彼の活動は一貫して、物理的な世界と見えない情報エネルギーの関係性に注目するものであり、「人間は宇宙からの情報を受け取る存在である」というユニークなビジョンを提示してきました。ときに「チャネリング」や「宇宙意識」といった言葉を用いながらも、その語り口は淡々としており、「感覚」と「法則」とを行き来する独特の論理展開が特徴です。

特に1980年代に刊行された本書『波動の法則――宇宙からのメッセージ』は、ニューエイジ思想の文脈でも語られることが多く、「物事の本質は“見えない情報”のレベルで決まっている」という視点を多くの読者に植え付けました。

現在でも熱心なファンを持ち、ビジネス界や医療、教育、農業など、さまざまな領域で「波動の調整」という概念が応用されています。

本書は、以下のような問いからはじまります。

誰でもみんな経験のある「直感」、「閃き」の状態は、どういう時に起きているのでしょう。

足立さんは、直感や閃きについて、「波動」によってもたらされるものではないか、と説きます。

直感や閃きとは、なぜか“わかってしまう”という状態。論理では説明できないけれど、確信がある。
私たちはそうした体験を、「なんとなく」や「偶然」として片づけてしまいがちですが、足立さんはそこに明確な“情報のやりとり”が存在するといいます。

つまり、宇宙のあらゆる存在は、それぞれ固有の「波動」を持っており、私たちはその波動=情報を、無意識のレベルで常に受け取っている――。

この視点は、現代社会の“目に見えるものだけが現実”という物質中心の常識とは、まったく異なるものです。
むしろ、“情報”や“場”といった、見えないものの方が本質を担っているのではないか、という逆転の発想。これこそが、足立育朗という思想家の根幹にあります。

見えないものから実は、多くを受け取っている、というのが、足立さんの見立てです。

目に見えるものが見えないようにしている!?

しかし、私たちは、「目に見えるもの」によってそれらの目に見えない大事なものを覆い隠してしまっているのではないかとも言います。

顕在意識が人間の気づきを妨げている

見えるものが、見えないものを、見せないようにしているなんて、なんと象徴的なことでしょう。

波動によってもたらされる直感や閃きを覆い隠してしまっているのは、自分自身の先入観や、意識、あるいは、五感で感じられるインプットなのかもしれません。

なんとなく気づくことはあっても、それを信じて行動に移すことまでしないので、直感や閃きの力を日常生活に約だることはできないのです。

ですから「本当はこうした方がいい」という情報が入ってきているのに、「今の社会の仕組みの中で自分自身が安全であるためにはどうだろうか」、というような判断をする。そういう時は顕在意識がコントロールしているのです。

実は、真に創造的な営み――いわばクリエーションとは、このような直感的な“気づき”や“ひらめき”の中にこそ宿っているのではないでしょうか。

私たちは日常的に「考えて」「組み合わせて」「合理的に判断して」何かをつくり出していると思いがちですが、それは創造というより、既存の要素の延長や編集に過ぎないことが多いように感じます。

本当の意味でのクリエーションとは、どこからともなく突然「降りてくる」もの――。
理屈では説明できないが、なぜか腑に落ちる。やってみたらうまくいく。そこには、他者の評価も過去の成功事例も必要ない、静かな確信がある。

足立さんは、こうした“直感”を、宇宙から届く「情報の受信」ととらえています。
言い換えれば、創造とは「自我を一度手放し、自分という受信機を澄ませること」であり、それができたとき、最も自然で、本質的な表現が生まれるというのです。

これは、アートや音楽の世界だけに限られた話ではありません。
たとえば経営においても、チームづくりやビジョン策定、あるいは新規事業のアイデアなど、本質的なクリエーションが求められる場面では、ロジックだけでは越えられない“何か”があります。

その“何か”に触れるためには、常識や前提を一度脇に置き、自分の奥深くで「感じる」ことに意識を向ける必要がある。
そのプロセスこそが、波動=見えない情報との共鳴であり、そこからこそ未来をひらく創造性が立ち上がるのだと、本書は私たちに語りかけてきます。

足立さんは、こうした直感や閃きを生かすためには、「どのような意識の状態でいるか」が何よりも重要だと語ります。
その鍵となるのが、“周波数”という考え方です。

私たちの意識もまた、一種の波動を持っており、その周波数によって受け取れる情報が変わってくる。つまり、自分自身の周波数が雑多で濁っていれば、必要な情報や気づきはうまくキャッチできないということです。

では、どうすればその周波数を整えることができるのでしょうか?

足立さんはその手段のひとつとして、「瞑想」をすすめています。
といっても、特定の宗教的な形式や技法にこだわるものではなく、自分の内側に静かに意識を向ける時間を持つこと。
外界のノイズを一度手放し、今この瞬間に意識を集中させることで、私たちの周波数は自然と整い、感受性が高まるというのです。

こうした習慣が日常の中に根づいてくると、何気ない会話の中にヒントを見出したり、ふとしたタイミングで必要な情報に巡り合ったりするようになります。
それは偶然ではなく、自分の周波数が「合っている」からこそ起こる現象――
まさに、直感や閃きという形をとった、宇宙からのメッセージなのかもしれません。

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私たちは、全てが波である!?

本書『波動の法則――宇宙からのメッセージ』では、こうした「見えない情報」がどのように私たちの意識や現実に影響を与えているのかを、さまざまな角度から説いています。

キーワードは、「すべての存在は固有の波動を持っている」という考え方。

人、モノ、言葉、場所、社会制度――すべては“波動=情報”として振動しており、私たちはそれを無意識のうちに受信しています。そして、受信した情報をもとに、思考や行動が選ばれ、現実がつくられていく。つまり、「現実は波動によって構成されている」のです。

しかし、前述の通り、現代人はこの“感受性”を鈍らせてしまっている。
その理由のひとつが「顕在意識によるブロック」です。

たとえば、「こんな行動をとると人からどう思われるか」「これは常識的に正しいのか」といった判断は、すべて顕在意識によってなされるもの。しかし、その裏には「本当はこうした方がいい」という、波動レベルのインスピレーションがすでに来ていることがあるのです。

このように本書では、私たちが“自分らしく”生きていくためには、まず波動として届く情報を素直に受け取り、信頼することの大切さが語られます。

自然界のあらゆる現象は「波動」の組み合わせ

本書を通じて見えてくるのは、世界の成り立ちそのものが“波”によって形づくられている、という驚きの視点です。

私たちが「個人の感覚」として捉えている直感や閃きも、実は自然界に遍在する“波動”という現象の一部。音も光も空気の流れも、すべてが波として振動し、干渉し、共鳴し合っている。その中に、私たちの思考や感情、意識もまた組み込まれているのです。

つまり、波動とは特別な力でもスピリチュアルな“何か”でもなく、むしろ自然界の例外なき普遍的なルール。
そのルールに調和するように意識を整え、周波数を調律していくことが、より自然なかたちでの「創造的な生き方」へとつながっていく。

見えないものを信じるのではなく、“感じていることに素直になる”という態度。
そこから生まれる一歩こそが、自分自身の道をひらき、社会や世界との調和を取り戻す鍵になるのではないでしょうか。

本書『波動の法則』は、私たちがどんな「情報」と共鳴しながら生きているのかを見つめ直す、
一種の「波の哲学書」です。静かに、しかし深く、読む人の感受性を揺さぶる一冊でした。

足立さんの妹さんの1冊はこちら「心でものごとを見つめれば、“大いなるもの”と繋がれる!?『あるがままに生きる』足立幸子」からご覧ください。

まとめ

  • 直感と閃きを阻害している!?――顕在意識(先入観や当たり前の意識)です。
  • 目に見えるものが見えないようにしている!?――目に見えないものに本質があります。
  • 私たちは、全てが波である!?――自然界は、全て波によって構成されているのです。
足立育朗
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