- どうしたら、これからの時代をより豊かな思考を持って生きていくことができるでしょうか。
- 実は、ものごとの本質を見極めて、それに基づき考え、活動することが重要かもしれません。
- なぜなら、この世の中は、特定の法則をもって動いているからです。
- 本書は、船井総研創設者である船井幸雄さんによる、これからの時代を見つめる1冊です。
- 本書を通じて、生き方をもう一度考えてみるヒントを得ます。

エヴァで生きよ!?
船井幸雄(ふない ゆきお)さんは、1933年1月10日に生まれ、2014年1月19日に81歳で亡くなった日本の著名な経営コンサルタントです。彼は経営コンサルタント、起業家、企業経営者、自己啓発書作家、精神世界・スピリチュアル系の著作家としても知られていました。
経歴と業績について、船井幸雄さんは1933年1月10日に生まれました。彼は京都大学農学部の農林経済学科を1956年に卒業しました。
その後、日本マネジメント協会での勤務を経て、1970年に日本マーケティングセンターを設立しました。これが現在の船井総合研究所の前身となります。 1972年には彼の著書『変身商法―儲けつづけるための常識革命』が40万部のベストセラーとなり、ビジネスとしても急成長しました。
1985年には会社名を船井総合研究所に変更し、1988年には経営コンサルタント業界では初めてとなる株式上場を成功させました。 2003年に役員を退任した後も、船井総合研究所をはじめ、船井財産コンサルタンツ、本物研究所、船井メディアなどのグループ企業で最高顧問として活躍しました。
船井さんの影響力と思想については、彼は小売・飲食・サービス業など幅広い業種で約5000社にものぼるクライアントを持ち、百貨店や専門店などの経営・営業戦略に大きな影響を与えました。
著書の中では「成功の3条件は、素直であること、プラス発想を持つこと、そして勉強好きであること」といった考え方を提唱しています。
また「マクロの善人間」という独自の概念を打ち出し、個人の成功や利益だけを追求するのではなく、関係者や社会全体の幸福や発展のために行動する人物や組織の重要性を説きました。
講演会では「百匹目の猿現象」について語り、「いい世の中をつくりたい」という思いを持つ人々が集まれば、やがて社会や世界を良い方向へ変えていくことができるという信念を持っていました。
船井さんは、400を超える著書を残され、いまも多くの読者に学びの機会と視点を提供し続けています。今回の投稿では、『エヴァへの道 地に足をつけ、ゆったりと、21世紀に向かおう』を取り上げさせていただきたいと思います。
これからの時代感を見つめていくとき、つぎのような7つのポイントを掲げてくれています。
1)一体化(融合化)→分離の時代は終わった。
2)節約(ムダはしないことは)→浪費はいけないことである。
3)公開(無策略、あるがまま)→秘密や策略の時代も終わった。
4)アナログ→まずデジタルとアナログの一体化から。
5)共生→競争ではない。
6)エコロジー→エコノミーは二の次。
7)GIVEの楽しみ→TAKEの楽しみはもうおしまい。
これらのような視点で世界をみていくと、以下に、船井さんの視点に先見の明があったのかを感じることができます。
自分さえ良いのではなく、みんなとともにあることが理想であるというインクルーシブな考え方をすでに船井さんは説かれていました。
また、エゴではなく、エヴァの中にこそ私たちが生きる道があるのであると強調されました。
「EGOH(エゴ)とは、ある惑星の住人の集合意識が、『エゴ、対立、競争』をベースにしている社会のことです。それに対してEVAH(エヴァ)とは、集合意識が『愛、調和、互恵』をベースにしている社会です」
船井幸雄さんの「エヴァ」は、彼のスピリチュアル思想における重要な概念を表しています。
船井さんの思想では、人類は「エゴ」的社会から脱皮し、「エヴァ」的社会にならなければ将来はないと主張していました。この考え方は彼の終末論や千年王国論とも結びついていました。
船井さんにとって「エヴァ」は、競争や対立ではなく愛や調和に基づいた新しい社会の在り方を示す概念であり、彼のスピリチュアルな世界観における理想的な社会モデルを表していたと言えるでしょう。
孤立や対立ではなく、融合、そして、全体を包み込むような愛の中にこそ、真実があるという姿勢こそが重要であるのです。
SOMETHING GREATを感じよう!?
船井さんは、同時に独自の宇宙観、つまりこの世界の仕組みについての論点を持ち合わせている方でした。
それは以下のようなものです。
1.すべてのものは生成発展する。
2.世の中で起こることは、全て、必要・必然・ベストになるようにできている。
3.世の中は単純で相似象になっている。
4.すべての源は波動である。
5.「SOMETHING GREAT」は存在する。
世の中にあるあらゆるものごとは、生まれて発展する方向へと向かっていくのです。だからこそ、その状態を受け入れて、素直に向き合っていくこと、その流れに逆らわずに活かしていくことができれば、自然と発展、発達していくのです。
そして、世の中で起きることは、「必要・必然・ベスト」であると前提を置くことによって、全てを認める視点や価値観を育むことができます。いま・ここをベストだと捉えてあげれば、自分の過去は救われるし、他者との出会いに感謝できるし、これからの人生にもっと希望を持つような視点を見出すことだってできるからです。
そして、世界は、入れ子の構造になっており、その点において、やはりとてもシンプルです。
全ての源、エネルギーは波として伝えられ、そして、人間の無意識はその波の力、大いなるなにかから発せされる特別だが、普遍的でありふれているものを受け取ることができると言います。
また、船井さんと親交のあったノーベル賞候補者である筑波大学教授・村上和雄さんから次のような視点を受け取られています。
人間はまだまだ何も知らない存在です。
なぜなら一番原始的な生命である大腸菌すらつくれないし、木の葉一枚もふくれないからです。
それに比べたら、世の中にはとんでもない存在がいます。
それは宇宙をつくり、銀河系をつくり、太陽系をつくり、地球をつくり、その上であらゆる生物をつくり、一糸乱れず運用している存在です。
その存在を偉大だと思われませんか。
これこそ、村上和雄さんの述べられ、船井さんが共鳴した「SOMETHING GREAT」の存在です。
私たちの存在はごくありふれており、今も当たり前のようにここにあるので、その奇跡について確認するのを怠ってしまいますが、でも、よく考えてみると、このように存在していることは、とてもすごいことというか、創造し得ない何かによってもたらされているとしか考えられないことなのです。

損得から解放されて!?
どのような人間観をもって、これからの時代を進んでいくのがよいでしょうか。
船井さんは、2つのポイントを説きます。
1)自分に対するのと同じように他のものにも対するようになれるということです。
これを愛と言います。
そして2つめ。
2)あらゆることを受け入れて、許せるようになるということです。そして学んだことを自分のものにして、よいことを実行すると成長します。
「自他への絶え間ない奉仕」と「許すこと」を行っていくことによって、魂を磨き、そして育てていくことができるようになります。
これらは、同時に上記のSOMETHING GREATの意にそって生きていくということにもシンクロしていきます。
SOMETHING GREATは、大きな存在であり、この世界を作る原動力、そして生成・発展を促す主体であります。
だからこそ、そのSOMETHING GREATの意図に沿って生きるということは、自らを発展するということに結果的に向かっていくことが可能となるのです。
正しい方向へ向かっていきましょう。
1.やりたいこと・楽しいことに向かっていきましょう。
2.自信があることを見つけて、育み、それを実行していきましょう。
3.自分のためだけではなく、世のためになることを行っていきましょう。
4.責任が取れることに向かっていきましょう。
5.恨まれるようなことは、しっかり避けましょう。
必要なこと、よいことならやろう
損得は考えなくても良い時代
そうして、自らを律して、そして他者のために尽くして、全体を良くしながら、自分もその中で恩恵を受けていくということを忘れずにあれば、それこそが、豊かな人生の実現へと即成っていくのです。
まとめ
- エヴァで生きよ!?――「愛、調和、互恵」の社会を生きていきましょう。
- SOMETHING GREATを感じよう!?――その意を汲んだ、生き方を志向するのです。
- 損得から解放されて!?――全体が良くなれば、その中の自分もよくなるのです。
