- どうしたら、人としての生を全うすることができるでしょうか。
- 実は、“強者”になるための覚悟が必要かもしれません。
- なぜなら、“強者”を中心にこの世の中は、回っているからです。
- 本書は、どうしたらよりよい人生を拓けるのか、その視点を説く1冊です。
- 本書を通じて、心がけと努力次第で、よりよい状況は迎えられるということを知ります。

強者、勝者を目指すということは!?
船井幸雄(ふない ゆきお)さんは、日本の経営コンサルタント、起業家、作家として知られ、特に経営指導の分野で多大な影響を与えた人物です。
1933年1月10日に大阪府で生まれ、2014年1月19日に逝去されました。京都大学農学部農林経済学科を卒業後、日本マネジメント協会での勤務を経て、1970年に日本マーケティングセンター(後の船井総合研究所)を設立しました。
同社は1988年に経営コンサルティング会社として世界で初めて株式を上場し、船井さんはその後、社長、会長を歴任しました。
船井さんは、経営者にとって重要な要素として、以下の5つを挙げています。
- 「リスクを持てる」
- 「コスト意識がある」
- 「儲け方を知っている」
- 「時流が読める」
- 「現実にどっぷり浸かって生きている」
また、自然との一体化や人間の意識レベルの向上といった精神的な側面にも注目し、スピリチュアルな観点からの著作も多数執筆しています。代表的な著書には『法則』『人生五輪の書』『船井流経営法』などがあります。
代表的な著書の著書の中から、今回は、こちらの1冊『人生五輪の書』をご紹介させていただきたいと思っています。
船井さんは、この中で次のように語ります。
人として生まれてきた以上、やはり強者になるべきだし、勝者になるべきであろう。どう考えても、世の中は、強者と勝者中心に動いているし、その方が人間性にもかなっている。
強者、勝者になることが目的的ではなかったとしても、これらを目指して、人格を磨いていくことが、実は、結果的に強者、勝者に向かっていくことと表裏一体となっています。
本書の中では、その考え方と手法を再現かのうなかたちで紹介をしてくれています。
法則性を感じよ!?
勝者になるのは、難しいのですが、目的を決めて、その上で、着実に努力をしていけば可能です。
何も難しいことではありません。
まずは、智慧を磨いて、智者になることへと向かうようにするのです。
智者というのは、難しい問題に対しても、的確な答えを出していくような人のことです。
世の中のことを、すべて知ることは、むずかしい。それはまったく不可能ともいえる。しかし、どんなことにも、正しい答を出すことは不可能ではない。
このような智者になるには、重要な世の中の摂理、ルールに親しむことが重要です。
そうした、大前提の法則性を知ることで、私たちは、常に、どのような問題であっても適切な答えを導き出すことが可能になります。
いろいろな知識を得るためにも、その連関性を感じ、そして、何をすればよいのかを悟り、そして、ルール化の着眼点を見出しながら、応用能力を要請していく、ポジティブなスパイラルへと自らを導くことが可能になります。
そうして、私たちは、「直感」を信じられる体質へと向かっていくことが実際に可能になるのです。
このルールを感じるためにも、ぜひ一度、現状について満たされている感覚で心を研ぎ澄ましてみることが良いでしょう。
ものごとへの見立てこそが、自分自身の立場を作ります。
そこで、充実した気持ちをまず大切にできるかが重要です。なぜなら、充実感あふれる気持ちによれば、そうした考えやものごとが連鎖して、同じように感じる人の中に自分を置くことができるようになり、ものごとのルールや摂理を正しく認識するアクションを促してくれるからです。
このスタンスに立ちながら、すでに私たちはひとり残らず、満たされている人材なのだと悟りましょう。
そのうえで、智者になる視点をさらに磨いていきます。
次の3つの視点を忘れないように。
1)他の動物と違って、使えば使うほど、アタマは良くなると考えてみる。
2)上記の人間の特性は、「理性」があることの現れである。
3)理性的にものごとを捉えることで、いわゆる智者になる道をゆくことになる。
こうして人間として生まれた生を活かし、世の中全体を良くしていくことが、結果的に「自分のことも良くしていくことになる」と察することが、最初の重要な一歩になるのです。

学びの論点とは!?
大切なのは、いかに学びのスパイラルを構成していくのかということです。
勉強の目的は勘の体得――人の心理がどこまで読めるか
キーは、勉強(学び)の論点です。
第1原則は、「客観化」です。これは自分自身を含めて社会とのつながりの中で、どういったポジショニングができているのか、その上で、何をすることができるのか?ということを絶えず知る視点を得るということです。
いかに客観的でいられるのか?ということ、そして、その上で「思いやりがあり、自己に厳しく」いられるのか?ということがキーになります。
第2原則は、「素直」であることです。
多くの成功者とか、智者というのは、謙虚で思いやりがあります。そして、その視点から、ものごとに対して、「素直」であるということが欠かせない視点となります。
人のいうことをすなおに聞いて実行するというのは、これは人格者でないとなかなかできないことだが、それは人を信じることでもある。
これら2つの原則に立つことができれば、学びのスパイラルへ立つことができるのです。
また、船井さんは、その観点からさらに刺激的な言葉を残しています。
他者オール肯定、過去オール善
船井さんの生き方は、このスタンスによります。
他者をすべてをインクルーシブに肯定するということは、その人の立場にたってみれば、絶対に正しいことは多面的にえられるということであるため、他者の立場に立ちながら、肯定してしまおう、そこからものごとをスタートさせましょうという発想です。
また、そうしてものごとを見つめていった先に、自分がいかにあるべきかという覚悟も必要になるのだと思います。
なぜなら、相手を包み込むためには、それをいかに捉えるか?ということだけではなく、それを捉えた先に、共にあるためにはどのような自分自身であるべきか?さらには、どのような関係性になっていくのかというという自己の振返りが必要になっていくのです。
同じような観点から、「過去オール善」というスタンスも重要になります。
過去を悔んでもいまさらはじまらない。
過去をすべて、自分も他者も含めてそれが必然であったと感じることが、自分の覚悟と他者との接点をアップデートし続けていくというスタンスを育てていくことが可能になるのです。
すると、他者からみても、こうした覚悟をもって日常の習慣を作っていく人というのは、きっと何か特別のものが感じられるようになるのであると思われます。
自己を見直し続ける生き方というのは、こちらの1冊「【頭がいいは、視点で決まる!?】メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける|澤円」もぜひご覧ください。

まとめ
- 強者、勝者を目指すということは!?――自らを磨き、覚悟を決める学びのスパイラルへの道です。
- 法則性を感じよ!?――視点と知識をかけ合わせて、世の中の摂理を見極めましょう。
- 学びの論点とは!?――客観性と、素直さをもって、インプットと習慣づくりに向かいましょう。
