- どうしたら自分の人格をアップデートしていくことができるでしょうか。
- 実は、与えることを知ることかも。
- なぜなら、それは、自然に逆らわない生き方だから。
- 本書は、人が本来的に持つ感覚に訴える1冊です。
- 本書を通じて、ギブ・アンド・ギブという論点を見つめて、自己を振り返るヒントを得ます。
必然性と向かうと!?
前回の投稿「よりよく生きるための“原則”に素直になるには!?『マクロに発想する法則』舩井幸雄」に続き今回もこちらの1冊『マクロに発想する法則』を取り上げさせていただきたいと思います。
良い習慣の創出には「正しい生き方のルール」の理解が重要だという点がポイントです。
船井さんは経営コンサルタントとして99%の確率で的確な答えを導き出せたのは、自身の「法則」に従って世界を見ていたからでした。
「長所伸展法」という考え方では、短所を直すより長所を伸ばすことが成功への道であり、「天地自然の理」に沿った成長が重要だと説いています。
人との関わりにおいては「鏡の法則」と「愛情の原則」が基本となり、ギブ&ギブの精神で相手に与え続けることが大切です。
この精神性を養うには「素直」「プラス発想」「勉強好き」の3要素が必要で、これらが良好なインプットとアウトプットの循環を生み出すのだと船井さんは示唆しています。これらのことを前回の投稿では見てきました。
船井さんは、「起きることの必然性」について語ります。
これについては、「過去は全て善」であるというスタンスに立ちます。過去におこったことは、全てが結果的には、善いことにつながっていて、そしてそれは必然であったと回収できるのでれば、さまざまな人生の伏線というのは、歓迎されるべきものであるという循環的な思想です。
「過去はマクロに考えれば、すべてよいことばかりであった。どんなに悲しいことや、苦労させられたことがあっても、それらはけっきょく、よりよい将来のための勉強であったのだ。感謝しよう」
私たちは、どうしてもものごとを短期的に、短絡的に捉えてしまうこともあります。今日明日という単位で、絶望してみたり、悲しんでみたり、苦しんでみたりして、不安になることもあります。
でも、もっと視野を広く、引いてみてみると、そのものごとや事象というのは、もしかしたらなにかの布石なのかもしれないと、思えることもあるのかもしれません。
本書のテーマでもある「マクロ」という視点も合わせてものごとをいかに見ることができるか、ということも積極的に見つめていきたいものです。
自然の摂理を大切に!?
すべてのことがらに、プラスの発想を導入することができれば、前向きな心で生きていく条件を整えることができます。
そして、そうした考え方により、「自己肯定感」と「感謝」をもたらすことができます。
感謝できる材料があるうから「感謝しよう」ではなく、「どんなことにも感謝しよう」と思うことが大切です。
感謝があれば、人相も変わり、また感謝できうることがらもあなたの周りに訪れてくることになるでしょう。
笑う門には福来る。ですね。
船井さんの周囲の方で“成功者”と言われる人は、誰もが例外なく、人一倍よく学び、よくは垂らしていると言います。さらに成果を独り占めせず!、周囲の人と分かち合える度量を持つような人です。
こうした人の存在を感じると、成功の要諦というものが見えかかってくるようです。
学び好き、働き好き、そして、周囲といかに共有するできるか、ということです。
この特性を習慣のごとく身にそなえれば、それが天地自然の理にかなったものであるだけに、その人は自然と成功へと導かれていくのです。
大切なのは、“与え好き”な人になるということなのかもしれません。
もらうという観点ではなく、まずは相手を信じて与えていく、すると、その先により良い世界観が広がっているという感覚を信じて。
所有欲やエゴがあまりに強いと、こうしたスタンスに立つことはできないでしょう。
人間の質をどうしたら高めていけるかを考えてみることです。
3つのレベルでご自身のスタンスをはかってみましょう。
レベル1)テイク・アンド・テイク:卑近な例で言えば、取引先から、自分の役職あてにもらった贈り物を部下に分けることもせず、家に持ち帰るような行為(だそうです)
レベル2)ギブ・アンド・テイク:「もらう期待をしながら与える」「もらったものから与え返す」といった、損得を等価交換するような考え方です。もしかするとビジネスでは“常識”とされていることかもしれません。
レベル3)ギブ・アンド・ギブ:人間性がかなり高まっている状態です。「与えるは、受けるよりもさいわいなり」という高度な心的境地にもなれる状態です。与え好きの人間は周囲の人ともそうした関係を育むことができるのです。
感謝の気持ちも強くなり、人相もよくなるので、さらに周りに人がたくさん集まるとのこと。
経営の原則も、自然にあり!?
与えるということを考えるということは、自然に反しない生き方をするということにつながっています。実は。
もともと、人は与えること、誰かの役に立つということに、本当の喜びを見出す生き物ではないでしょうか。
誰かの役に立ったときの喜びというのは、自分が豊かになったり、自分が何かを得たりするよりも、かけがえのない感情を覚えるものです。
そうした自然の摂理を正しく感じ、理解し、その立ち位置でものごとを見つめていくことが何より欠かせないと船井さんは言います。
まず、自然に反する生き方をやめること。つぎに、人の悪口をいったり欠点を指摘しないこと。そして、もらうよりも多くを与える生き方を心がけること。この3つを実行すれば、即座に人相がよくなり、運もめぐってきます。
与えることを考えるということは、自分が素直に与えられることを見つけることも実はとっても大切ですね。
1.好きなこと。
2.得意なこと。
3.興味のあること。
この3つを満たすことを見つけて、それについて自己研鑽を積んでいれば、自然と与えられることも増えていくように思います。
そして、同時に、これも自然の摂理に従い続けるという前提に則っていることに気づきます。
あるいは、こうしたスタンスというのは、組織を持続化させていく(サステナビリティ)ためにも当然のようにシンパシーを与えます。
経営の基本原則を、船井さんは次のように掲げます。
1.原理原則に則ること。
2.時流適応。
1については、まさにギブ・アンド・ギブのスタンスの延長線上にあります。
そして、時流についても、原理原則から派生して、ものごとの流れをよく見て、適切な考え方のもと、適切なアクションを行っていくということになります。
自分のためではなく、世のため、人のために「正しいこと」を地道に実践していけば、結局は経営もうまくいくのです。
なぜなら、それが天地自然の理に則った行いであるからです。
自然の摂理に従えば、人とともにあることについても世界観が拓けてくるようです。
つまり、人とはもともと弱い生き物であり、そのために、他者とともにあることが理にかなっているということ。
独立して一人になるのではなく、他者とともに共同・協働することで、その結果、独立していく、自分を律していくというスタンスのほうが、より自然な状態なのではないか、ということです。
孤立ではなく、協働による自律を。
そういう視野を拓けさせてくださる、本書は、本当に素晴らしい視点にあふれています。
繰り返し拝読していきたいと思いました。
まとめ
- 必然性と向かうと!?――過去を肯定する力を見いだせるようになります。
- 自然の摂理を大切に!?――感謝して、与えることにものごとは集まってきます。
- 経営の原則も、自然にあり!?――自然の理に従って考え、判断しましょう。