人生を遊ぼう!?『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』尾原和啓

モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書
  • どうしたらこれからの時代をモチベートされながら、楽しく生きることができるでしょうか。
  • 実は、パーパスにあります。
  • なぜなら、目的・意味こそが、相対的に貴重な時代になっているからです。
  • 本書は、これからの時代の根源的なエネルギーに関する1冊です。
  • 本書を通じて、何をたよりに自分を経営していくのかについて、考えるヒントを得ます。

生きるストーリーを見出すのは誰か?

尾原和啓さんが、本書を通じて、お伝えしたいことは、以下の3点に集約されます。

  • 周囲からもしかしたら理解されない中、自らをだめだと思って呪ってしまっているのをどうやって解くか?
  • 自らのうちにある「本当に大事なもの」をどうやって育むか?
  • さまざまな世代とコラボレーションをしていくために、変化の時代に対応するチームをどうやって作るか?

これらの重要性が増しているのは、誰が物語を描くか?という主導権が、個人に移ってきたためです。

国も、会社も、私たち一人ひとりの面倒を見てくれるようなそうした大きな物語の時代が終わりを告げて、自ら夢を見つけて、それに対して、活動を続け、そして周囲を巻き込んでいくような、そんな生き方が歓迎されています。

これについては、こちらの1冊「【この10年でこんなに変わった労働環境!?】会社はあなたを育ててくれない|古屋星斗」も大変詳しい論考をしてくださっているので、ぜひ合わせてご覧ください。

アメリカの心理学者、マーティン・セリグマン博士が唱えたように、人間の欲望には、「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」の5つがあります。

これまでの時代は、特に「達成」「快楽」が優勢でした。

でもみなさんも感じられている通り、これからは、「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」にどうやら軸足がありそうです。

いまあらためて一人ひとりの人が、自分と向き合う時代が訪れています。誰かに提供される状況ではなく、自分の感性や感覚に従っていかに、自分を満たして、その結果周囲を満たすことができるのか?

そんな生きるコンセプトの原点はどこにあるでしょうか?

体験をプロデュースしていくのが、これからの仕事なのです。

ものに溢れて、それによって充足を感じられづらいいまだからこそ、体験価値という言葉がフォーカスされます。

この体験という機会があるからこそ、私たちはこれまで知らなかった自分の感性に気づき、他者との関係性を知り、そして、自分を変えていくことができます。

いかに、自分のとって意味のある体験をつくりだしていくことができるか?

あるいは、他者に体験をもたらしてあげることができるか?が、重要なイシュー(課題)になります。

人とともに進もう!?

チームを作ることの重要性もあります。人は人からもっとも刺激を受ける生き物です。

また、ひとりで行えないことも、他者と行うことで、体験の量や質を増大させることができるのです。

ただ、これまでのように規定の繋がり方だけで閉じなくてもOKなのが、デジタル時代のわたしたちの権利です。

インターネットを通じて、同じ思考性を持つ人、あるいは、全く異なる思考を持つが、同じビジョンを共有できる人、あるいは、新しい世界を拓いてくれる人などなど、さまざまな人とである機会を私たちは持てます。

同質な関係性の中で閉じるだけではなく、異質な関係性の中で、互いの違いを認め合いながら、同じ方向性を向いて進んでいくという活動が重要です。

柔軟で強い組織、チームを持つことで、私たちは絶え間ない変化を取り入れることができるようになります。

チームを持つためにも、まず自分の「Why」を見つけること、あるいは、見つけ続けるということにもっと貪欲になりましょう。マーティン・セリグマン先生の「意味」にシンクロします。

あなたの「WHY」はどこにありますか?信じて貫けば、世界を書き換える力になります。

自らの思いに蓋をして、気づかぬふりをするのではなく、もっと、素直に自分が感じたこと、感覚を大切にしてながら、自分がどんな人間なのかを検討してみましょう。

そうした素直さがエネルギーに変換されて、自分自身の魅力を外に発信していく行動をもたらしていくことができます。

その結果、上記のような柔軟で強いチームが形成されていきます。

楽しみましょう!?

まず、重要なのは、自分が本当に取り組みたいことを「Why」を紐解くことから見つけて、ただひたすらに「没頭」をしてみることです。

没頭(ぼっとう)とは、ある活動や考えに完全に集中して、他のことを忘れてしまうような状態を指します。私の理解では、没頭は以下のような状況で得られることが多いです。

  1. 自分が本当に興味を持っていることや情熱を感じる活動に取り組むとき
  2. 自分の能力と、取り組む課題の難易度がちょうど良いバランスのとき
  3. 明確な目標があり、その進捗が実感できるとき
  4. 外部からの邪魔や中断が少ない環境にいるとき
  5. 時間の経過を忘れるほど活動に熱中しているとき

これは心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー状態」とも関連しています。没頭することで、充実感や満足感、そして高いパフォーマンスが得られることが多いとされています。

この没頭体験をしていくことが、実は個人のキャリアビジョンを明確にしていく上でとても大切な機会を提供してくれます。

  1. 自己理解の深化:没頭できる活動は、あなたの本質的な興味や強みを示す重要な手がかりになります。
     
  2. 内発的動機の発見:外的な報酬ではなく、活動そのものに喜びを見出せる領域を特定できます。
     
  3. 持続可能な情熱の源泉:長期的なキャリアを支える本物の情熱は、没頭体験から生まれることが多いです。
     
  4. 卓越性への道:没頭できる分野では、学習や成長が自然に促進され、専門性を高める可能性が広がります。
     
  5. 幸福感の向上:没頭体験は全般的な生活満足度と心理的健康に寄与します。

キャリアビジョンを模索する際は、「どんな活動に没頭できるか」「どんな状況で時間を忘れるか」を意識的に観察することが、あなたに合った道を見つける貴重な手がかりになるでしょう。

そして、このような没頭体験が、本質的な学びにつながっていくのも確かです。

ここでいう学びとは、何も知識の充当をすることではありません。具体と抽象を行き来しながら、自分のものごとの見え方をアップデート、更新していく過程のことを指します。

MITメディア・ラボでは、学ぶときに4つのPを大切にしていると言います。

Project(一定期間で共通の目的を達成するプロジェクトのありかた)
Peer(共に歩む仲間)
Passion(熱い熱意)
Play(遊び心)

「遊び心」が入っているところがキュートですよね。

Playの概念についてはこちらの1冊「プレイフルこそ、人の力!?『プレイフル・ラーニング』上田信行,中原淳」も大変おすすめです。ぜひご覧ください。

自分というあり方をもっと大切にしてあげて、その想いを汲んであげることから、実は、未来というのは拓けてくるのかもしれないと改めて感じることができました。

尾原和啓さんの1冊については、こちら「【ジャズに生きよ!?】仮想空間シフト|尾原和啓,山口周」もぜひご覧ください。山口周さんとの刺激的な対談の1冊です。これからの時代のスタンスを磨くことができます。

まとめ

  • 生きるストーリーを見出すのは誰か?――自分自身にほかありません。
  • 人とともに進もう!?――チームが学びのスパイラルを相互に強化してくれます。
  • 楽しみましょう!?――自分自身のあり方を。
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