ワクワクよりも、可能性を!?『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること』大野栄一

できるリーダーが「1人のとき」にやっていること
  • どうしたら、よりよいリーダーを目指せるでしょうか?
  • 実は、Beを徹底的に考えることかもしれません。
  • なぜなら、リーダーというのは生き様(人格)だからです。
  • 本書は、人格をどう磨くのかについて説いた1冊です。
  • 本書を通じて、リーダーとは何かを考える機会を得ることができます。

リーダーとは?

前回の投稿「1人で、人格を磨け!?『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること』大野栄一」に続き、今回もこちらの1冊『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている』のご紹介を続けてみたいと思います。

前回の投稿では、「リーダーとは何か」という本質的な問いについて掘り下げました。

リーダーシップは単なるテクニックではなく、人格そのものが表出するものであり、「祝福的であること」がその核心にあるとされる本書『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている』の考え方に迫りました。

著者・大野栄一さんの考えに基づき、リーダーの重要な役割は指示や結果を出すことよりも、「部下やメンバーが自らのひらめきを大切に育てる場をつくること」や「関わる人の人生をエキサイトメントにするような影響を与えること」にあると紹介しました。

また、リーダーが磨くべき4つの力として、

  • 「思考自由度」
  • 「問いの力」
  • 「喚起力」
  • 「構造デザイン力」

を挙げ、特に思考の自由度の重要性を強調しました。

先入観や固定観念に気づき、それを超えることで、メンバーも自由な発想でものごとを捉えられるようになるという点を解説しました。

さらに、リーダーの姿勢として「交換条件の思考」から「貢献志向」へと転換することの価値を述べ、「自分がどのように貢献できるか」に意識を向けることの大切さを強調しました。

最後に、リーダーとして「外への視点」の重要性と、チームに対する過度な「所有意識」を払拭するための工夫として、「主語を変える」(私→私たち)、「助詞を変える」(「の」→「と」)という具体的な方法を紹介しました。リーダーシップは、人格を磨き、視点を変え、全体性を取り戻すプロセスであることを伝える内容でした。

大切なことは、無自覚な問いを自覚的な問いに変えていくということです。

リーダーとして、自分自身の内面と向き合うことが、最終的には、メンバーと共にあるということを考えていくことにつながっていきます。

問いをベースに自分の人格を育てていくということがポイントです。

「問う価値のある問い」を持ち続ける。

なぜ、いまここにあるのか?
なぜ、この組織が存在するのか?
なぜ、チームがこうして構成されているのか?

などなど、「問い」を持ち、それに対して向かうことは、広い視野の存在に気づかせてくれるヒントになります。

問いは私たちの精神を伸び広がらせ、解放してくれます。

一方で答えは、思考を停止させ、私たちの脳に安堵をもたらします。

絶えず変化する環境の中で、チームをポジティブに運営していくためには、その変化を前向きに受け入れていくための習慣と体質が重要です。

絶え間ない問いと思考により、人格をアップデートしていくことが、何よりリーダーシップの根源的な力となります。

ワクワクより、可能性?

また、著者・大野栄一さんは、「リーダーはワクワクしてはならない」という象徴的な指摘もしてくれています。

ワクワクと可能性について比べてみます。

ワクワクしていること・・・新しい経験や道の出来事に対する反応として一時的(短期的)な期待感を指し、時間の経過とともに薄れていく傾向のあるもの。

可能性を感じていること・・・長期的なコミットメント(業務や目標に対して「責任を持つ」こと)を可能にするエネルギー。可能性の立場をとることで、既存の枠組みにとらわれず、新たな視点から問題を捉えることが可能になる。

この違いを意識することが大事でしょう。リーダーだって人間なので、素直にワクワクすることを否定してはいけません。

でも、あくまでそれは短期的な感情の高ぶりかもしれないという、自覚が大切です。

表面的な「ワクワク」感ではなく、内面から湧き上がるエネルギーの泉に従うことが重要です。

つまり、自分を俯瞰するということが、実はとても大切であるということにつながるのかもしれませんね。

自分を律した視点を持ち、そのスタンスを強化しながら、メンバーとのリーダーシップを育てていけるかという論点で、自分を見つめてみましょう。

ワクワク vs 可能性という論点は、どのような価値観を磨くか?ということです。

そうした大きなベクトルをもって、絶えずメンバーと対話を重ねながら、プロジェクトを前に進めていきましょう。

リーダーとして、メンバーとの関係性を創っていく時に、重要なのは、「どこに向かうのか」ということを明確に示していく、あるいは、メンバーとともに創っていくことです。

エネルギーとは「どこに向かうのか」という目的、言い換えると「志」です。
リーダーが明確な志やビジョンを示し、「ここに行こう」「ここに連れて行きたい」と明確な志を示すことが、エネルギーの源泉です。

実はこのエネルギー、モチベーションとは異なる力です。モチベーションとは一時的な推進力のことです。上記のワクワクに近い概念です。

一方で、エネルギーは、志、目的意識、どこへ行くのか?というビジョンからもたらされる力です。

明確な目的意識があれば、困難な状況でも前進することが可能となります。

ものごとをメンバーとともに進めていくために、短期的な力に頼るのではなく、メンバーとの共有視点を意識して、チーム俯瞰してビジョンやミッションを検討できることが理想でしょう。

ミッション、ビジョン、バリューについては、こちらの1冊「【あなたの人生のミッションはなにか!?】ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由|岩田松雄」もぜひご覧ください。

Beから始めよ!?

エネルギーというのは、実は、マネジメントを経て、適切に維持向上していくことが大切です。

その時に実はBeからスタートしていくのがキーです。

多くの人は「Do(行動)→Have(成果)→Be(状態)」の順序でものごとを考えがちですが、これでは真の満足感を得られないことがあります。
まず「Be(すでにそうである)」を整え、そこから「Do(行動)」を起こすことで、自然と「Have(成果)」が得られるという考え方が大切です。この順序を意識することで、無理なく望む成果を手に入れることができます。

特に現場メンバーは、Doに目が行きがちです。でも落ち着いて、メンバーやチームや事業と共有したBeから始めることが重要なのです。

そして、「自分が」「私が」というI(アイ)を起点でものごとを捉えているうちは、メンバーの共感ベースをつくることは難しいのです。

Iではなく、いかにWe(私たち・私たちのチームは?)という論点でものごとをみつめていく、あるいは、実際に言葉として使って、意識を磨いていくことで、チームメンバーとの絆を結び、関係性を発展的に創っていくことができる夜になるでしょう。

こうしたリーダーの人格を磨くことができるのは、メンバーの接点の前に始まっているという発想が必要なんですね。

「1人の時間」の活用で生まれる好循環

優れたリーダーというのは、5つの共通点があります。

1)自分の状態を客観視できる。
2)偏見のない「健全な視点」を持っている。
3)「付き従うもの(フォロワー)」がある。
4)与えられた条件の中で違いを生み出している。
5)コミュニケーションの質が高い。

これらの特徴を参考に、自分自身のあり方について、俯瞰してみることが重要でしょう。

何より、リーダー自身が絶えずチャレンジし続けるということです。

完璧でなくて大丈夫。でも、常に新しいことを、新しいトライアルを変化を受け入れて、だれよりも活動行動していることが、ある意味、リーダーなのだと思います。

みんなとともにありたいからこそ、自分と向き合い、自分を奮い立たせておけるかどうか。

リーダーというのは、生き方であり、会社の役職ではない、ということを改めて意識しておきたいですね。

まとめ

  • リーダーとは?――人格であり、それは生き様なので、1人で磨くあり方です。
  • ワクワクより、可能性?――中長期的なエンパワーを信じましょう。
  • Beから始めよ!?――いかにあるべきかを規定していきましょう。
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