- チームとどのような関係を作るのが理想でしょうか!?
- 実は、あるものを引き出すという発想がキーです。
- なぜなら、答えは個々人の中にあるからです。
- 本書は、アドバイスではなく、質問して引き出すコミュニケーションの実践書です。
- 本書を通じて、よりよいメンバーとの関係性構築をするヒントを得られます。

アドバイスはなぜだめ?
誰かと対話する時に、思わず「アドバイス」をしてしまうことありませんか!?
良かれとおもって、「こうしたら?」「こんなことは考えた?」というアプローチで、メンバーに対してアドバイスをしてしまうことがありますが、実は、それがその方との信頼関係を損なってしまったり、育成の邪魔をしてしまうこともあるのです。
大切なスタンスとしては、相手の行動や思考を変えようとする行為が、アドバイスであるということを知るということです。
アドバイスというのは、つまり、「今のままではダメだと思っている」ということを、暗に伝えるということになってしまうのです。
実際にアドバイスで、相手を変えるということは不可能です。
実際にこのことは2000年以上前のストア派の教えでも繰り返し説かれています。
ストア派の教えについては、こちらの1冊「【2000年前に分かっていた人生の秘密?】心穏やかに生きる哲学|ブリジッド・ディレイニー,鶴見紀子」をぜひご覧ください。

そして、アドバイスは“科学的にも”効果がないともわかっているのです。
単に、相手の「反発」と「無気力」を生み出してしまい、その後、結果的にネガティブなしこりを残す行為であると認識してみることがポイントです。
よほど限られた場面でない限りアドバイスは効果がない。それくらいに思っておくほうがいい、とお伝えしたいのです。
人間の脳はぜんぜん理性的にできていません。感情の生き物です。だから、いくらアドバイスの内容が正しくとも、それをそのまま理解して咀嚼することは、とても難しいことなのです。
キーはどこにあるか?
それこそ、「間接的な関わり」ということになります。
論点を大切に?
リーダーは、必ずしも「正解」知らなくてもよいのです。
「正解」を押し付けるのではなく、共に考えることこれが非常に重要です。
部下と共に「答え」を創り出すプロセスをとおして、部下に自分で考えること、さらには自己決定することを促し、それを心から支援する「共創型」リーダーと呼ぶべき存在です。
とても重要なのが、リーダーがそうしたスタンスを身につけるために、人格を磨くということ、つまり哲学を身につけるということです。
哲学を身につけるということは、ある程度、「人格」や「人間性」までもが変わる必要があるということにほかありません。
そうした人格を磨きながら、もしかすると上述のようなストア派のスタンスなどにも触れつつ、メンバーと共に「正解」を探していくリーダーシップスタイルを確立していくことが重要なのではないかと思われます。
その上で、どのような個別対応が必要か、ということですが、以下の論点が欠かせません。
相手がまだ気づいていない「重要なポイント」に焦点を当てること
そして、メンバーが「自分の言葉」を見つけるのを見守る、そのために、「対話」を続けるということです。
その過程が、“まだ存在しない意味”を双方が持ち帰れるための時間になっていきます。
実際に、話す前からパーフェクトに考えることができている人間は、そうそういないでしょう。
実際に、人は話しながらものごとを考えていく生き物なのです。
そうしてだんだんと「意味」や「言いたかったこと」を自分自身で確認していくのです。
だから、リーダーは、重要な論点をとりあつかうということをにフォーカスして、見ていくことに集中すればいいのです。
「自己決定」したときにだけ、「責任」が生じるからです。
自己決定の応援を、切り口と発見から支援するのが、真のリーダーの責務なのですね。

メッセージが変わる!?
完璧なふりをすると、メンバーも完璧なふりで応酬してしまいます。大事なのは、まだ、なにもわからないのであるという素の視点で、変化する社会において、これから共に正解を創り出していくというスタンスをキープしていくことです。
だから、リーダーだからこそ、「迷ったときには、“迷った姿”をさらけ出す」というのが大事です。
うーんどうしよう、う、ううーん・・・?
そんなスタンスで、どんどん一緒に悩んで、でも大事なのは、論点だけをぶらさずに、メンバーの視野視点を広げていくことが重要なアクションなのです。
アルフレッド・アドラーは、「不完全である勇気をもて」という言葉を残しています。世界中の上司を勇気づける言葉だと僕は思っています。
「共創型」というのは、上司が部下を変えようとしないというのがポイントです。
そうではなく、変化の時代に則するように、対話を通じて、大切な論点をともに探索しながら、答えを探し、創り出していくという道行きの共有なのです。
ぜひ、アドバイスではなく、傾聴を。
「フィードバック」よりも、「フィードフォワード」を。
「あなた」という指摘よりも、「私たち」というアイデアを。
大切に、共に意志を磨いていきましょう。
1オン1コミュニケーションについては、こちらの1冊「【対話は、物語によって、作られる?】ダイアローグ 対話する組織|中原淳,長岡健」をぜひご覧ください。

まとめ
- アドバイスはなぜだめ?――相手を否定し、相手を変えようとするからです。
- 論点を大切に?――相手がまだ気づいていないことにフォーカスさせましょう。
- メッセージが変わる!?――共創型はともにつくることを軸に、互いが関係性を持ちます。
