集合天才とは何か!?『人が育つ会社 育たない会社』堀越勝格,江蔵直子,矢澤知哉

人が育つ会社 育たない会社
  • どうしたら、より良い組織運営を目指せるようになるでしょうか!?
  • 実は、集合天才という思想がキーかもしれません。
  • なぜなら、これは、“能力”の本質をつくものであるからです。
  • 本書は、いわゆる能力主義を超えて、組織の底力を正しく引き出す思想を説く1冊です。
  • 本書を通じて、実践で磨かれた人が輝く組織論に触れ、自組織に活かす視点を得られます。
堀越勝格,江蔵直子,矢澤知哉
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すべては理念から!?

本書は、チームエルの代表・堀越勝格さん、江蔵直子さん、矢澤知哉さんによる共著です。

チームエルは、東京・日本橋に本社をかまえる、主に自動車業界に特化した経営コンサルティング会社です。 ​同社は、総合コンサルティングサービス、自動車業界専門の経営コンサルティング、全国チェーン「カーリンク」本部の運営など、多岐にわたる事業を展開しています。

特徴として、現場主義に基づいた実践的なコンサルティングを提供しており、特に自動車業界における豊富な経験と実績を有しています。 ​また、全国に展開する中古車委託販売のフランチャイズチェーン「愛車広場カーリンク」の本部として、加盟店のサポートも行っています。

チームエルは、自動車というもっとも変化趨勢の激しい市場において、絶え間なく変化を遂げながらも、確固たる信念、つまり会社で言うところの理念という軸を守りながら、市場の要請に応え業容を拡大してきた企業です。

同社は、特に人を大切にした経営は、どのようにあるべきか?を自ら考え、そしてその思考や実践を他社に伝え、ともに育む経営手法に特徴があるといえるでしょう。

自動車業界に限らず、今後を見通すと、厳しい人材難の時代がいますでにやってきていることを感じます。

でも、そんな時代だからこそ、本当に人のためになることはなにか?また、人はそもそもどういう生き物なのか?という問いに真正面から挑み、そして、研鑽されてきたチームエルのマインドセットとスキルセットは、付け焼き刃ではない、真に会社と従業員のあるべき関係性を説きます。

キーは、上述の通り、「理念」です。

すべての始まりは「理念」から。

そして、「理念」はどこから生まれるか、それは、唯一経営者から生まれてくるものです。

経営者が、それまでの人生を振返り、自分自身と正しく向きあい、よいことも・そうでなかったかもしれないことも踏まえて、どのように社会と関わっていきたいと考えるのか?その時、一人ではなく、なぜ多くの人とともにあるのか?その理由を説くのが理念であると言います。

つまり、理念とは、美しい言葉で額に彩られた文言ではなく、瞬間瞬間の経営者、そして組織全体の生き方を規定する魂であるといえるものです。

たとえ「この価値観を崩さないと会社が傾くかもしれない」という事態に陥っても、それでも貫き通さなければならないと思えるほどの、強固な価値観です。

一度、理念を決めてしまえば、もしかすると「理念というのは、経営者よりも上位」に存在するものになるかもしれません。

むしろそうでなければ、いけない。そのような経営を推進した時に、その会社は、公の器として、永く運営されることが望まれるものになっていくのかもしれません。

理念を定め、その基準を通じて、採用を行っていきます。ここがぶれてはいけません。

理念のある会社は、自社の経営活動にふさわしい人材を集めることができ、理念に従った行動で業績をアップさせることができます。もちろん理念に共感してもらえる社員ですから、定着率も高いものとなります。

チームエル社の理念は、次のような項目によってなっています。

  • 関わるすべての人々に対して誠実である。
  • 主体性の高い人材を育成し、仕事の喜びを世の中に広める。
  • 環境適応し企業を輩出し、社会に活力を与える。

ここには、業種業態のことも、ビジネスモデルのことも、利益目標も当然書かれません。

大切なのは、いかに生きるのか?なぜ存在するのか?について、問う力です。

好循環を生み出すには?

理念のもとに集まった、従業員は、単なる社員ではなく、仲間です。

そして、棚卸しから生まれた理念に共感した仲間を裏切らず、理念に忠誠を誓うことにも、大きな覚悟が必要なのです。

理念のもとに集まってきてくれた人の一人ひとりの個性を認め、そして、その人生を喜び、互いに手を携えて会社を運営していくことが全社としての志としてとても重要なのだと思います。

経営者だから偉いということでもなく、役職者だから偉いということでもなく、理念のもとには、それを追求する一人ひとりの人として、誰もがフラットで、平等で、単に役割だけが異なるのであるという、考え方が重要です。

人は自分がどのように扱われているかについて、非常に敏感に反応する生き物です。

それは、当然、若手もそうです。

あるいは、若手こそ敏感かもしれません。先行きが不透明な時代を生きながら、特に最近の子どもたちは、コロナを経験して、社会が一瞬で変わることを身にしみて体験しています。

一方で、自分の人生は、80年とか90年とか続く・・・この途方もないと受け取れてしまえるような道程の中で、どのように生き抜こうか、そして、自分という個性をどうした活かせるのか?ということにとても真剣に考えています。

  • 仕事のやりがい、働きがいってなんだろう?
  • 会社を成長させるために、自分はどんな役割をまっとうすればいいのか?
  • 自己実現のために、どう行動すればいいんだろう?
  • 自分の仕事に、“誇り”は持てているんだろうか?

こうしたふとした問いにヒントを提示してくれるのが、理念です。

理念を通じて、若手が素直に行動するようになると、全社的によいスパイラルが回ります。

  • 若手が頑張る。
     ↓
  • 中堅社員がその頑張りをサポートする。
     ↓
  • 他人をサポートし、仕事を教えることで、中堅社員も成長する。
     ↓
  • 組織全体が成長する。

このような好循環を生み出すために、もしかしたら人はわざわざ集まるのかもしれません。

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集合天才という本質を引き出せ!?

チームエルが大切にする考え方に「集合天才」というものがあります。

これは、次のような概念です。

一人の知識、一人の時間、一人の力は無力である。
私達は、個人の経験を全体のものとし、全体の力を個人に集結して、創造的活動を行う集合天才となろう。

このスタンスに経つと、個人と組織の見立てを少し変えることができます。

一人ひとりが、自分の力だけで何でもやろうとするのではなく、さらに、「自分の力でできる」ということを目標にしてしまうスタンスも捨てることができます。

一人でできることは、たかが知れています。

本当に大切なことは、個々の専門性をもった人たちが集まり、自分の経験を他者に教え、他者の経験を教えてもらいなあら、一人ひとりの経験を全体の中で共有し、全体として大きな価値を生んでいく場所、それこそが組織であるという見立てです。

価値と能力というのは、実際には、相互関係性の中で見出されるものであるという、本質をつく概念であると思います。

価値や能力については、こちらの1冊「【人は、なぜ共に働くのか?】働くということ 「能力主義」を超えて|勅使川原真衣」やこちら「間(ま)を意識せよ!?『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』井上慎平」もぜひご覧ください。おすすめです。

チームエルでは、人材を次のように考えます。

「社会からの預かりもの」

だから、人材を「獲る」ではなく、「預かる」ということ、そういう責任が経営者に、そして組織にはついて回っているのだということを自覚することが大切であるということです。

組織というのは、集合天才のような発想を共有しながら、個人と個人、個性と個性が掛け算されて、社会にその力を還元させていく母体となるべきなのだ、ということ。

そうした本来的な人が集まる目的について、本書は、覚悟と実践をもって、明快に説いてくれています。

まとめ

  • すべては理念から!?――経営者が自分を突き詰めて考え、見出すべきものそれが理念です。
  • 好循環を生み出すには?――理念によって、一人ひとりが頑張れば、組織全体が良くなります。
  • 集合天才という本質を引き出せ!?――価値や能力は、掛け算の中でこそ見出すことができます。
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