- どうしたらこの社会の中で、より良くサバイバルできるでしょうか。
- 実は、この社会のルールを事前によく知ることです。
- なぜなら、この社会は、特定のルールに従って動いているからです。
- 本書は、なかなか教えてもらえない社会の見えないルールに関する1冊です。
- 本書を通じて、仕組みを理解したうえで、自分の生き方を見出すことができます。
社会のルールとは!?
あなたは、この社会を、自由な世界だと思えているか!?
あなたはこの世界でやりたいことができているか?
自分こそが主人公であると思えているか?
もしそうでないなら、あなたはまだ、この世界がひとつのゲームであることを理解できていないのかもしれない。生まれたときからあまりに自然にそのゲームに組み込まれているのだから、無理もないだろう。
そのゲームの名とは「資本主義経済」である。
このゲームのいくつかのルールを把握することです。
- お金で時間や選択肢を買うことができる。
- お金を資本に変えると増やすことができる。
- リスクを摂ると、それに見合ったリターンを受け取れる。
- 評価や値付けは、実体値ではなく、期待値によって定められる。
- などなど。
多くの人はこうしたルールを俯瞰したことがありません。
だからこそ知るべきなのです。
資本の性質と扱い方を知ってしまえば、自分が今なにをすべきか、そしてどこに向かっていくべきかがわかるようになるのです。
この社会でもっとも自由に生き生きとして生活できるのは「成長する人」である。
なぜなら、成長をすることができれば、その人に割り振られた資本が価値を多く生み出し、人とつながり、そして恩恵を得ながら、よりよい生活をさらに創り出していく原動力を持つことができるからです。
お金と時間を手に入れ、人生における選択肢や行動範囲が格段に広がるのです。
キーは、割り振られた資本というのは、何も自分の人的資本だけではないということです。
もちろん、スキルセットやマインドセット、人格などの人的資本をさらに向上させようというアプローチは基本です。
でも、それだけでは自分が一人しかいないので、限界がすぐに訪れてしまいます。
大切なのは、株や債権といった「金融資本」、不動産やクルマなどの「固定資本」、会社組織やビジネスアイデアといった「事業資本」まで、まわりにある資本の存在を明確に意識し、それらを複合的に活用しながら、一人では到達し得ない金銭や降伏を実現するために、動きを創れるからどうかがキーなのです。
誤解を払拭し、資本を増やせ!?
まず大前提として、お金・時間がトレードオフという先入観を捨てるところから始めてみましょう。
「ワークとライフ」「お金と時間」これらはトレードオフ(天秤のように行ったり来たり)ではないのです。
重要なのは、資本という一つの要素を組み込むことにあります。
お金や時間を資本という形に変えて増やしていくと、それによってさらに多くのお金が手に入る。そしてそのお金を使って時間を買うことができる。
この資本を自分のライフやワークにどのように組み込むか?について、検討してみることが大切です。
こうしたいくつかの「誤解」を解くことから始めてみるのが重要です。
誤解1)格差が覆せない世界ある
確かにトマ・ピケティさんは、格差が社会全体で見ると、広がり続けると説きました。
でもこれは、あくまで社会全体で見ると、という話です。大切なのは、まず自分自身がそういう社会でどう立ち振舞うかということ。実は、自分の創意工夫や行動次第では、格差というのは覆していけるのです。
あなた一人が格差を乗り越えられないとは誰も言えないのだ。むしろこれほどまでに格差を埋めやすくなった時代は、歴史を見てもいまをおいて他にない。
誤解2)大企業に入らなければ「負け組」である
一億総中流時代においては、会社が終身雇用で確実に個人を守ってくれました。
そうした中で、いかによい会社に入るかが人生の重要な争点であったのです。しかし、現代では、大企業だからといって個人をずっと守っていけるかというと、そうでもない時代ですし、むしろ多くの企業が、ホワイト化することで従業員との関係性を見直そうとしています。
現代は、従来の資本主義と違って、誰もが競争に参加できる上、価値交換の場の選択肢が膨大に増えているのです。
また、知的生産の相対的な割合が増えているため、多くの人が情報と知恵という比較的取り扱いのしやすいリソースを使いこなすことができるのです。
自分の置かれた境遇のせいにして思考を止めるのか、自分の置かれた境遇を受け入れて思考を止めないか。
これからの社会において、確実に投資効率のいい投資対象は、自分であることに気づくのです。
アービトラージとは?
どのような視点を持って、この社会を生きていくのかについて、考えてみましょう。
資本主義経済の中で、一定の成果を上げ続けている人にヒントを求めます。
- なぜ、プロ投資家は安定してプラス運用を続けられるのか?
- なぜ、優れた経営者は業界が変わっても結果を残せるのか?
- なぜ、一流の営業はどんな商材でも売れるのか?
ここに共通しているのは、ゲームの仕組みを知り尽くして、周囲が知らない隠れた情報に気づき、集中的に対処しているという事実です。
周囲が気づいていない情報や価値や認識の歪みを活用すること。
これを「アービトラージ」という。
情報の歪みや、社会の構造上どうしても生まれて、放置されていた概念を、「ずらし」て捉え解決することで、彼らは一定の高い成果を上げ続けることができるのです。
もっといえば、資本主義経済そのものが壮大なアービトラージの戦いといってもいい。
どんな社会でも必ず歪みは生じます。
人の認識の差分があるところには何らかのチャンスが眠っているのです。
よく目を凝らしてみると、世界や自分の中にかならず「ゆらぎ」が存在することに気づきます。世界も自分自身も絶えず変化の中で成長しているためです。
そうした変化の中にこそ、アービトラージのヒントは眠っています。
- 昨日は気づかなかった、街角の新しい店。
- 先月は気づかなかった、書店の新しい本。
- 去年は気づかなかった、仕事の新しいやり方。
そうした変化に自分なりの熱を込めることで、大きなものへと成長していく。
ときにそれは巨額のお金となり、ときのそれは巨大な会社組織となり、あるいは何物にも代えがたい幸福となる。
こうした原理を人類史の中でももっともピュアに取り入れているのが、資本主義経済ということになります。
資本主義というのは、確かに厳しさがありますが、しかし、それは自然そのものであると言っても良いかもしれません。
人はそもそも生き続けるために、同然のことながら一定の努力が必要です。
努力をする範囲をどう考えるかですが、せっかく生命があるのですから、その生きるという本能の動きにしたがって、よりよい成長を取り込みながら、豊かにそして幸福に暮らせるような現場を作っていくほうが、楽しそうな気もします。
資本主義をハックするという文脈については、こちらの1冊「ハックされるな!ハックせよ!『不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0』橘玲」やこちらの1冊「【資本主義をハックせよ!?】ビジネスの未来――エコノミーにヒューマニティを取り戻す|山口周」もぜひご覧ください。おすすめです。


まとめ
- 社会のルールとは!?――資本主義経済で、資本が資本を生み出すという構造です。
- 誤解を払拭し、資本を増やせ!?――さまざまな資本を自ら意識的に増やしましょう。
- アービトラージとは?――ゆらぎを活用するアプローチです。
